デジタルメディア教室(3)~サーバー型受信機~

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

"サーバー型受信機"は、放送と通信の融合を目指したシステムですム現在は、テレビ放送の録画にはVTRを利用していますが、テープを使うため番組の頭出しや途中からの視聴などに不便さがあります。サーバー型受信機はパソコンのハードディスクと同様なものなので、番組の頭出しや途中からの視聴等が簡単に出来、テープ録画の不便さを取り払う新しいメディアといえます。

■サーバー型メディアの実用化をめざす。

 サーバー型メディアが視聴者に受け入れられるか、新たなメディアに成り得るかは、サービスが始まらないと結果が出ませんが、現状のテレビ放送、通信のサービスからサーバー型に適したモデルを見つけるなど、放送、通信の枠にとらわれず、サーバー型メディアによる現実的なサービスイメージを幾つか挙げて、これに対するユーザーの受容性を評価している段階です。また現実性を重視して、実用化を2003年頃としているようです。

 現在検討されているサービスイメージをお伝えしましょう。どのような機能を組み込むかということはARIB(電波産業界)で検討されているサーバー型放送方式サービスモデルを基本モデルと想定しています。

1)基本システムモデル

  基本モデルの上には将来実現する拡張モデルがありますム基本モデルは、サーバー型放送を実現するための家庭側の環境として、大容量蓄積装置を含む「サーバー型放送受信機」(PDR:Personal Digital Recorder)を想定します。"Personal"は、テレビのパーソナルユースを意識したものです。

  なお、ホームネットワーク環境において、家の外からPDRへの連膀を取るリモートアクセス等は拡張モデルになります。

2)サービスモデル(機能要求)

 ・コンテンツの蓄積再生に関する機能としては、コンテンツの蓄積及び蓄積予約パーソナルテレビ対応やコンテンツの提示、再生(マルチシナリオ、ダイジェスト、ポーズなど)、検索や選択が出来ます。

 放送インフラでは、「規格が決まっているコンテンツ」と「通信インフラの様に規格がまちまちなコンテンツ情報」との統合サービスはどうするのか,また、放送コンテンツから、インターネットに関連付けることやインターネットでEPG番組情報を取得するときの互換性等についてどうするのかといった問題があります。

 配信コンテンツと蓄積コンテンツのタイミング制御は、予め蓄積されたコンテンツに対して、放送番組からアクセスします。「視聴者個人」に向けてのビジネスモデルは、パーソナルテレビ対応、個人の認証・決済などがあります。

 独自サービスとの共存は、音楽、ゲームなどの配信サービスで、独自フォーマットと、独自プラットフォームを要する場合があり、これら独自データをダウンロードして、外部プロセスへ引き渡すことを考えています。

 既存型放送コンテンツとの整合性確保は、既存型放送サービスに対して、例えば、番組ナビゲーション等の機能を提供します;著作権の問題がありますが、私的録画の範晴は越えないものと考えています。

3)サービスシナリオについては、5つ挙げられています。

 1.広告放送モデルは、広告放送時の一つのCM枠に対して複数のCMを設定る。

 2.複数のCMの中から選択する条件は、地域、再生する日時、再生する回数、視聴者プロファイル等を条件する。

 3.カタログ情報などの蓄積も想定する。

 4.課金モデルは、有償コンテンツのダウンロードなどを想定しコンテンツの二次利用は拡張モデルとする。

 5.有隣コンテンツの決済モデルは、ネットワーク接続の有り無しを別に考える。

■サーバー型放送のサービスイメージの意見。

 このモデルはこのままではユーザーが受け入れられるかどうかは分かりませんが。

先日、実験的に作成したコンテンツ評のグループインタビューを実施しましたので、その結果を一部紹介しましょう。サーバー型放送イメージのデモ実演後にインタビューをした結果です。

サービスイメージの意見としては、

 1)レンタルビデオについては、映画など映像コンテンツをダウンロードし、有料で一定期間視聴可能とするサービスについて高い要望がある。

 2)グルメ番組の番組付加情報の蓄積と、後利用としてカーナビや携帯端末等で付加情報を活用するサービスに要望がある。

 3)絵本、教養などは、コンテンツ説明が必要である。

 4)レンタルビデオは、概して好きなときに見られるといった時間制約からの解放があるが、蓄積をするためのハードディスク容量の残量表示や、蓄積される映画の本数が一週間当たりにダウンロード出来るのが5本(うち新作で3本)、という制限に物足りなさを感じる、といった意見が多かった。

   また、ブロードバンドにより、デマンドベースで豊富な映画の中から選択ができなければ、不満を覚えるとの辛口意見があった。

 5)グルメ番組付加情報の後利用については、レストラン等の場所を知らせるカーナビゲーションの連動よりも、携帯電話活用の方が利便性がある、との意見があった。なお、受身な視聴スタイルでは、リモコンすら押さないのでは?との意見があった。食材の通販、レシピのダウンロードなどの組み合わせが有れば、主婦層には受けるかもしれない。

 6)決済系ICカードとの連動や多機能カードの普及については、店舗側のICカード対応に時間を要するのでは、という意見があった。多機能カード活用方法については、アイデア不足なのでもう少し捻りが必要である。

 7)幼児への教育的なコンテンツ利用の面では、電子絵本、TVで文字を読ませることの難しさを指摘する意見があった。

全体的には、辛口意見が多かったといえます。

 まもなくARBで受信機の仕陳が決まるでしょう。早ければ、今年中に新しい受信機が発売されるかもしれません。あなたは、このような受信機を購入してみたいと思いますか。

メディアマーケティング局 デジタルメディア部  森 一美

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