携帯電話の所有と利用状況

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 最近の新聞報道をみていると、携帯電話の普及は約6500万台と、すでに国民の約半数の割合で携帯電話を持っているといいます。なるほど、データが示すようにちょっと街中を歩けば携帯電話でおしゃべりをしていたり、携帯電話の画面とにらめっこをして何やらポチポチボタンを押している姿をよく見かけるようになりました。

 最近では通話のほかに、Eメールやインターネットの閲覧サービスができたり、携帯電話会社専用の情報閲覧サービスができるものも出現してきており、携帯電話の使い方が多様化してきているようです。

 これだけ人々に普及し、多機能化が進む携帯電話ですが、実際はどれだけの人が使い、またどのように使われているのでしょうか。さっそく当社ではこの点を明らかにすべく、『携帯電話の普及と利用状況』と題しまして、1都3県(東京・千葉・神奈川・埼玉)にお住まいの方に対して実験調査を実施いたしました。今日はその結果の-部をご紹介したいと思います。

■調査概要

調査方法 郵送調査

調査エリア 1都3県(東京・千葉・神奈川・埼玉)

調査対象者 上記エリアに在住の12~69才男女個人

調査時期 2001年2月16日(金)~2月26日(月)

指令数 1276サンプル

有効回収数 1149サンプル

注1)対象者は当社モニターパネル約75,000人の中から各都道府県の人口構成に従ってランダムに抽出。

注2)集計は年代による回収のばらつきをおさえるため、各都道府県の人口構成比(5才単位)に従ってウエイト集計を行なった。

1)携帯電話の所有状況

●携帯電話の所有率は約7

 携帯電話(PHSも含む/以後「携帯電話」とします)の所有率をみると、69%と男女12~69才の約7割の人が携帯電話を所有しています。国民の約半数が所有ということですが、今回の調査では首都圏で実施したためか、半数以上の方が携帯電話を所有している結果になっています。

 年代別の所有率をみると、男女20~34才および男性35~49才の所有率は他の年代層に比べて高く、いずれも8割を超しています。街中で若い方が通話やメールをしている姿をよくみかけますが、データはこうした姿を裏づけているといえるでしょう。この一方で男性ティーン層(12~19才)や女性シニア層(50~69才)の所有率は4割前後とまだ半数にとどきまません。携帯電話がこれからもっと普及するためには、利用料金の問題以外にいかにして彼らの使う場やシーンを見つけ出してあげるかということだと思います。

 携帯電話とPHSの所有率ですが、その関係は9:1。PHSは携帯電話と比べて通話料の安さ、地下でも通話可能、通信速度の速さといった点が売り物ですが、現状では携帯電話の約1割を占める形になっています。

■携帯電話の所有状況

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●携帯電話所有者の3人に2人はブラウザフォンを持っている。

 最近の携帯電話ではEメールやインターネットに接続できたり、ゲームや着信メロディーなどがダウンロードできるものもあります。こうしたサービスはそれに対応した携帯電話(機種)を持っていることが条件で、iモード(NTTドコモ)、EZweb(au)、J-スカイ打-PHONE)が代表的です。

 最初にお断りしておきますが、ここではこうしたサービスを受けられる携帯電話を「ブラウザフォン」、サービスが受けられない携帯電話を「ノンブラウザフォン」と呼ぶことにします。

 さて、ブラウザフォンの所有率ですが、結果は45%。携帯電話に占めるブラウザフォンの割合でみると65%と、携帯電話所有者の3人に2人はブラウザフォン所有者になっています。ブラウザフォンと呼ばれる携帯電話がこの世に出て2年ほどが経過しましたが、すでに市場はノンブラウザフォンからブラウザフォンへと変化しているのがわかります。今後携帯電話各社はブラウザフォンを標準化していく動きがあるようですから、ブラウザフォンの所有者はますます増加していくことと思います。

 ブラウザフォンの所有を性・年令別にみると、携帯電話の所有率と同様、男女20~34才を中心に広がってきていることがわかります。また、携帯電話に占めるブラウザフォンのシェアをみると、男女とも若い人ほどブラウザフォンを所有していることがわかります。

■ブラウザフォンの所有状況

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■所有携帯電話別性・年令構成

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2)携帯電話の利用目的

●ショートメッセージ、Eメールの利用は7割弱。4人に1人はメールを最頻利用している。

 携帯電話の多機能化や携帯電話会社のサービスが多様化することにより、携帯電話は単なる「通話」だけのツールではなくなってきているようです。

 次ページ上段のグラフは携帯電話の利用目的を「通話」「メール機能」「情報閲覧」「データ通信」の4つで回答を得たものです。通話サービスはほとんどの人が使っていますが、これに続く利用として、メールサービス(ショートメッセージ・Eメール)が半数以上利用されている点は注目されます。傾向としてはメールは若い人ほど利用されており、男性よりも女性の方がよく利用していることがわかります。最も利用するサービス(表カッコ内)のスコアをみると、この傾向はさらに顕著にあらわれます。

 メールに続き、近年何かと話題にあがっている携帯電話によるインターネット接続サービス(以後IP接続サービス)の利用も携帯電話所有者の3人に1人が利用という結果になっています。

先ほどこうした接続サービスを受けることができるブラウザフォンの所有率が45%でしたから、単純に割り算するとブラウザフォン所有者の約7割がこうした接続サービスを利用していることになります。実際の人数に置き換えてみると、携帯電話の契約数を6500万台とすると、約2000万台がこうした接続サービスを利用している計算になります。新聞や各電話会社が発表している報道資料をみるとブラウザフォンの所有者は右肩上がりのようですから、こうしたIP接続サービスの利用者は今後ますます増え続けることでしょう。

■携帯電話の利用目的

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3)拐帯電話の利用場所

●自宅内でメール、IP接続サービスを利用している人は半数以上。

  下のグラフは「通話」「メール」「IP接続サービス」の利用場所を聞いたものです。

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 いずれの用途も自宅内外を問わず利用されており、携帯電話の特性をよくあらわしているのがわかります。

 用途別にみていくと、通話は当然のことながら外出先などの自宅外の利用が最も多くなっていますが、自宅内でも3割の人が利用しているようです。宅内の固定電話を契約率はほぼ100%に近かったので、固定電話を使わずにあえて携帯電話を使っている人がこれだけいるのは興味深いことです。

 メールとIP接続サービスについても、携帯電話の特性を反映して外出先や職場・学校といった自宅外でも多く利用されているようですが、自宅内の利用がどちらも5割を超えている点は注目されます。

4)携帯電話の利用目的

●成人男性は通話の主目的を「ビジネス」としている人の割合が女性に比べて圧倒的に多い。

 では、通話とメールの利用目的(通話先)がどのようになっているかみてみましょう。下のグラフは『最も利用する目的』を通話とメールそれぞれで聞いたものです。通話は「家族との連絡」「友人・知人への連絡」「仕事上の連絡」といったように、さまざまな目的に利用されている一方、メールは「友人・知人への連絡」が多くを占めていることがわかります。

 属性別に主な用途をみてみると、通話に関しては有職者の割合が多い成人男性は成人女性に比べて仕事上の連絡を最頻利用している人の割合が多く、特に男性35才以上で顕著になっています。一方、女性は有職者の割合が少ないため、仕事よりも家族との連絡や友人・知人に連絡といった、ごく身近な人との連絡をとることが主目的となっています。

 メールの利用ですが、これは性別よりも年代別によって使い方が異なるといえるでしょう。傾向としてはどの年代層でも友人・知人の連絡を主目的にしている人が最も多いですが、高い年代ほど家族との連絡に利用している人の割合が多くなっています。

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●IP接続サービスの利用サイトジャンルは「着メロ」がトップ。

 続いてIP接続サービスの利用についてみてみます。ブラウザフォン所有者のうち、週1回以上IP接続サービス利用者(携帯電話所有者の28%)がふだん利用しているサイト(ジャンル)をみたのが下のグラフです。

 いわゆる「着メロ」と呼ばれる着信音の配信サービスが群を抜いています。2位以下は「天気予報」「一般ニュース」「交通情報」といった生活必需情報や、「キャラクターダウンロード」「占い」「懸賞・公募」といったエンターテイメント系情報、「レストランガイド・グルメ情報・レシピ」「コンサートなどのチケット予約」といった実用情報と、多種多様な情報が利用されているのがわかります。

 ただ、こうしたサービスの利用はおよそ2000万台以上と、市場としては非常に大きなものに成長してきているようですが、実際の利用時の満足度をみると、情報取得に際しての接続費用や画面表示の速さといった点で不満と思っている人は過半数を占めています。また、サイトの質や数も接続費用や画面表示速度に比べれば満足度は高いものの、そのスコアは半数を満たしません。

「いつでも、どこでも、手軽に」情報を引き出すことができるこうしたサービスは、今後こうした点が改善されることで、更に利用者は増えるものと思われます。

■ふだん利用しているサイト(ジャンル)

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■携帯電話によるIP接続サービス利用時の満足度(N=週1日以上IP接続サービス利用者)

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5)携帯電話購入時の重視ポイント

●男女12~19才、女性20~34才はEメール機能の充実を望む声が高い。

 最後に携帯電話を購入する際の重視ポイントをみてみたいと思います。ここでは「携帯電話会社選定時」と「携帯電話(端末)選定時」の2つに分けて聞いてみました。

 携帯電話会社の選定ポイントについては「月額使用料」「通話品質」「通話エリア」が上位3位に挙げられています。「携帯電話会社のイメージ」や「CMのイメージ」といったイメージよりも、『安く、きれいに、どこでも』といったユーザーの実利がどうなのかが携帯電話会社を選ぶ際の重視ポイントになっているようです。こうした傾向はおもに成人男女で窺えますが、男女ティーン層については「月額使用料」「Eメール機能が充実」「デザインやセンスがよい携帯電話を取り揃えている」が上位の重視ポイントの3点になっているのは特徴的です。

 携帯電話(端末)の選定ポイントについては「軽さ」「低価格」「電池の持ち時間」「画面の大きさ」「ボタンの操作性」といった点が上位の重視ポイントとなっています。属性の特徴としては男女とも若い人ほど「デザイン」や「色」といった外見を気にする傾向があるほか、携帯電話所有者と非所有者では非所有者の方が「軽さ」「価格」「ボタンの操作性のよさ」をより重視することが挙げられます。

■携帯電話会社/携帯電話選定時に重視するもの

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 以上、簡単ですが携帯電話の利用状況についてご紹介いたしました。

 一昔前の携帯電話の使い方は通話をするためだけの道具でしかありませんでしたが、現在ではメールやインターネットの接続までできるようになり、携帯電話がコミュニケーションツール+情報収集ツールとしてその役割を大きく変化させている様子がおわかりいただけたかと思います。こうした携帯電話の使われ方の変化を受け、最近では"肌身離さず持ち歩く"という特性を生かし、携帯電話をインターネット同様『メディア』として捉え、既存のメディアとミックスさせた広告展開やプロモーション、One to Oneマーケティングなどに活用する動きも出てきているようです。

 あるデータによると、今後携帯電話は2005年までに9000万台まで普及すると予測しています。真偽のほどは定かではありませんが、今後「次世代携帯電話」といった大容量・高速通信を可能にする携帯電話の発売も予定されていることですし、今後携帯電話が多機能化することでその使われ方もますます多様化していくことでしょう。

 これから提供される携帯電話のサービスをユーザーひとりひとりが十分に使いこなし始めた時、携帯電話は我々にとってどのような"電話"に変わっていくのでしょうか。携帯電話を我々がどのように使い、携帯電話がどのような役割を担っていくのか、携帯電話の将来が非常に楽しみです。

【お知らせ】

  当調査結果の詳細編を弊社ウェブサイトに掲載中です。ご興味のある方は以下のアドレスにアクセスしてご覧下さい。

 [http://www.videor.co.jp/topics/index.html]

モバイル事業推進部 塩幡健-

(E-mail:v006551@videor.co.jp)

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