人気タレントの変遷 ~テレビタレントイメージの27年~

VRDigest編集部
VRDigest編集部
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!

※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 当社テレビタレントイメージ調査は、1973年の初回調査から数えて実に57回にのぼります。

今回、新世紀を迎えた2001年2月度調査結果をまとめるにあたって、時代の流れとともに人気タレントがどのように変遷してきたのか、過去27年間をふりかえって見ていきたいと思います。

■1970年代の動向 ~高度成長期からオイルショックへ

 オイルショックにより、経済成長率10%以上という高度成長期に終わりを告げた1973年、テレビタレントイメージ調査初回のランキングは、渥美清・八千草薫の両名が1位となっています。渥美の代表作といえる「男はつらいよ」シリーズは、1968年に放送されたテレビドラマの好評を経て1969年に映画化され、当時は年に2回のペースで上映されていました。また八千草は宝塚から映画界へ、後にテレビドラマにも数多く出演し、1977年の「岸辺のアルバム」では、それまでのイメージには見られなかった新境地を開いています。更に、同年8月調査で2位となっているザ・ドリフターズですが、言わずと知れたオバケ番組「8時だヨ!全員集合」で、最高視聴率50.5%(関東地区)を記録したのがちょうどこの年、1973年の4月7日の放送でした。歌手の五木ひろしは「夜空」でレコード大賞をとった翌1974年の8月調査で1位を獲得、その他「てんとう虫のサンバ」や「白いギター」などのヒット曲で知られるチェリッシュも、この年代に数多くベストテン内に登場しています。1978年2月調査からは王貞治が連続10回の人気トップを記録しました。これは前年9月の756号ホームラン記録後から始まっています。更に女性タレントでは、池内淳子、十朱幸代、大原麗子ら、現在でも活躍する女医陣が頻繁に上位に登場しています。中でも大原麗子は、通算13回のトップを獲得しています。77年から88年までの長きに渡って「少し愛して、長~く愛して」のキャッチコピーで知られるサントリーレッドの広告に出演していたのも、この時期とかなりの部分で重なっています。

■1980年代の動向 ~漫才ブーム、バブル景気

 フジテレビ「名人劇場」が火付け役となったとも言われる漫才ブームは、翌年に始まった「オレたちひょうきん族」を初めとしたバラエティ番組を数多く作りだす土壌となりました。またその前段階として、70年代後半から始まっている「欽ちゃんのドンとやってみよう」など一連の欽ちゃん番組が、バラエティ時代の幕開けに重要な布石となっていたといえるかもしれません。80年代は前半に王貞治、萩本欽一などの上位が続き、1986年2月調査から連続7回、明石家さんまがトップとなっています。また90年代にやはり連続トップを記録することになるビートたけしも、この頃からベスト10に顔を出すようになっています。女性タレントでは、1984年の8月調査から吉永小百合が連続9回のトップとなっています。吉永は60年代から70年代にかけての若い時期にもサユリストなる支持者を作るなどの一大センセーションを巻き起こしたタレントですが、この時期にも活躍をしていました。更に80年代後半から始まったバブル景気に象徴的な現象のひとつとして、トレンディドラマがあげられますが、ここからいわゆるW浅野ブームが生まれています。浅野ゆう子は吉永の跡を継いで、89年2月から通算5回のトップを獲得、浅野温子も同年8月に同率1位を獲得するなど、揃って上位を賑わしていました。

■1990年代の動向 ~バブル崩壊、冷戦桁造の終蔦

 バブル崩壊、湾岸戦争、ソ連邦消滅といった大きな社会変革のうねりの中で迎えた1990年代ですが、タレント人気では、1988年の「釣りバカ日誌」から毎年シリーズ作を送り出していた西田敏行の活躍が目立っていました。女性タレントでは、浅野ゆう子に続いて92年の2月調査から小泉今日子が5回連続のトップとなっています。82年にアイドルとしてデビューして以来常に第一線で活躍してきた彼女ですが、この頃は「CMの女王」という呼び名もすっかり板に付いた感があり、テレビドラマなどでも活躍していました。同様にビートたけしも92年2月調査から5回連続でトップとなっています。レギュラー番組を週に何本もかかえるなどの活躍で、特に91年10月から放送されていた、フジテレビ「平成教育委員会」での逸見政孝(故人)とのかけ合いは印象深いものでした。94年8月調査で所ジョージが、95年2月調査で山口智子がそれぞれトップになった後、90代後半に向けては、この両者がそろって首位記録を伸ばしていくことになります。

所は「CM女王」の云わば男性版といった感で多くのCMに出演し、バラエティ番組にもよく登場していました。山口は93年のTBSドラマ「ダブルキッチン」あたりから次々とヒット作に出演し、96年のフジテレビ「ロング・バケーション」の大ヒットで、その地位を不動のものとしました。

■2000年代~新世紀の到来

20世紀最後の年である2000年調査まで所・山口のトップが続き、迎えた2001年2月の最新調査では、再び明石家さんまが1位となりました。また女性タレントでは松嶋菜々子が初の1位を獲得し、新時代の到来を予感させています。

■人気タレントの変造

 以上、かけ足で27年間を振り返ってきました。総じて男性タレントでは「親しみ」や「おもしろさ」のあるタレントが、女性タレントでは「世間の憧れ」となるようなタレントが、それぞれ上位にくることが多いようです。また10才から59才までの幅広い年齢層における評価であるためか、若いタレントが上位にくることは比較的少なく、20代後半から40代位迄の年齢のタレントが上位に多く見られます。更にスポーツ選手がトップになった例は、王貞治以降96年のイチロー選手までありません、5年の長期に渡ってトップに君臨していたことも考え合わせると、この王選手の記録には、突出したものといえそうです。それだけプロ野球が今以上のパワーを持ち、またそれを支える有力選手が存在したということでしょう。

 長引く不況、急速に進むIT革命、21世紀の私達を取りまく環境はこれからもどんどん変化していきます。そのような不透明な社会の中で、新たに輝きを放つのは一体どんなタレントなのでしょうか。タレントの人気は、その時々の社会を見る上でのひとつの視点といえます。当社ではこれからも定期的な観測を行っていきたいと思います。

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1973-1977

vol395_10.jpg

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1978-1982

vol395_11.jpg

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1983-1987

vol395_12.jpg

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1988-1992

vol395_13.jpg

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1993-1997

vol395_14.jpg

テレビタレントイメージ調査 歴代ベスト10(1998-2001

vol395_15.jpg

主なできごと(1973-1981

vol395_16.jpg

主なできごと(1982-1992

vol395_17.jpg

主なできごと(1993-2000

vol395_18.jpg

【テレビタレントイメージ調査概要(現在)】

 調査地区 東京30㎞圏

 調査対象者 満10~59才の男女個人

 標本抽出法 確率比例2段抽出法

 サンプル数 600×2系列 計1200S

 調査方法 留置法

 調査時期 2月・8月 第1週

 調査タレント数 1000タレント

 調査内容 知名度・人気度・イメージ評価

※初回~5回までは人気度を認知者ベースで算出していますので、 データは参考程度にご覧下さい(それ以降は全数ベース)。

消費者マーケティング局 調査三部

この記事をシェアする
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!