OOH Mediaのプランニングをサポートするメディアデータを考える その① 『街メディアの広告計画に求められる指標を考える』

VRDigest編集部
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※本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

■はじめに...

 近年、広告業界では「アカウンタビリティ」が一層重視される傾向にあり、より科学的で説得力のある広告計画を立案するための精緻なメディアデータとアプリケーションが強く求められてきています。このような背景をふまえて、当社では昨年よりOOH(=Out Of Home)Mediaについてもデータ整備およびアプリケーション開発に積極的に取り組んできました。

 当社では現在「OOH Media」を次のように整理しています。

vol396_01.jpg

 昨年、当社ではOOH Mediaのデータ整備の第一段として、交通機関(路線・駅)を「電車での移動者をつかまえる広告メディア」ととらえて、各路線や駅が「どのくらいの・どんな人達に・どのように利用されているのか」を把握できるデータ集『Transit Media Report』および交通メディアの広告計画を支援するためのアプリケーション『Digital Transit Media Report』をリリースしました。

(...上記②に対応)

そして本年度は、OOH Mediaに関するデータ整備の第2段として、『街Media Report(仮)』および『Digital街Media Report(仮)』の開発を計画しています。(...上記①に対応)

そこで、今回から数回に分けて、「街メディアの広告計画をサポートするために求められるデータ」について考えてみたいと思います。

■街メディアのデータ整備に関する1つの考え方

一般的に、広告計画は「媒体計画」と「表現計画」に分類でき、媒体計画は、①メディア配分(媒体費をどの程度各広告メディアに配分するか)、②ビークル配分(各広告メディアに配分された媒体費をどの程度各ビークルに配分するか)、③スペース・ポジション配分(各ビークルにどの位のスペース・秒数で、どのようなポジション・時間帯に広告を出稿するか)というステップに整理できます。

(注:その他「期間配分」や「エリア酉扮」が計画されます)

このような媒体計画の流れをふまえると、街メディアについても、科学的な媒体計画立案のためには...

(1)他の広告メディアとある程度横並びで比較・分析できるような共通指標データ

(2)街メディア(ビークル・AD)の特性を加味して、各街(ビークル)や広告種類(AD)を横並びで分析できるような指標データ

(3)さらには、各指標データを基にメディアプランニングを支援できるアプリケーション

...などが必要と考えられます。

(1)他の広告メディアと共通する「街メディア」の指標を整理してみる

 まず、はじめに広告メディアに共通する指標という視点で「街メディア」に求められるデータを整理してみます。広告メディアに共通する指標は「メディアレベル」「ビークルレベル」「アドレベル」の到達指標に分類できます。さらに、各到達指標は大きく「量や拡がりを示すもの」と「質や深さを示すもの」に分類できます。

各メディアに当てはまる指標および当社のデータ・アプリケーション整備状況を整理すると下記のようになります。(当社である程度整備できているのは下表の網掛け部分)

vol396_02.jpg

他の広告メディアと比較した上で、当社の「街メディア」に関するデータ・アプリケーション整備状況をみると、特に、"メディア及びビークルレベルのデータ整備およびアプリケーション開発"が早急に取り組むべき当社の課題であることがわかります。

(2)「街メディア」の特性を加味した指標を考える

 次に、「街メディア」の特性を示すために必要な指標を考えてみます。

「街メディア」の特性としては、(あくまでもイメージですが)以下のようなものが挙げられます。

①生活場面に密着したメディア

街メディアには、マス4媒体のようなコンテンツ(番組や記事)・情報ジャンル(ビジネス情報・生活実用情報・エンターテイメント情報など...)はありませんが、ビークル(街)ごとに様々な来街目的(仕事・学校・買い物・余暇レジャー...など)があり、生活場面があります。

②反復接触型メディア

街メディアは、通勤通学時や習い事・日常の買い物・ショッピング...など、日頃の生活習慣の中で定期的に接触されます。

③リーセンシー(購買直前に接触する)メディア

テレビなどが主に自宅内で接触されるメディアであるのに対し、街メディアは自宅外で接触されるメディアであり、購買行動直前での接触チャンスがあります。

④リアルで体感できるスペースメディア

テレビや新聞・雑誌などは、広告を表現できるスペースに制限(画面や紙・誌面など)があるのに対し、街メディアは広告スペースの自由度が高く、(イベントやサンプリングなどで)広告商品自体を試用(体験)させることも可能です。

(必ずしも「街メディア」の特性を網羅できてはいませんが)上記①~④の特性を加味すると、街メディアには...

●各街への来街目的を把握できるデータ

●各街への来街頻度を把握できるデータ

●各街の来街者の買い物行動や流通関与度を把握できるデータ

●大型ポスター・ビジョンやイベント・サンプリングヘの関与度を把握できるデータ

...などが必要と考えられます。

■「街メディア」に求められる指標を整理する

ここまでの話をまとめると、「街メディア」の広告計画に求められる指標およびアプリケーションは以下のように整理できます。

Ⅰ.他の広告メディアとある程度比較できるようなメディアおよびビークルレベルの到達指標デー タの整備が早急に取り組むべき課題であること

Ⅱ.到達指標データとしては、「量や拡がりを示すデータ...各街の来街率や-定期間での延べ来街率・累積来街率など」と「質や深さを示すデータ...来街者プロフィールや各街への来街頻度・来街目的など」の整備が必要であること

Ⅲ.さらには、これらのデータを基に媒体到達レベルのプランニンヴを支援できるようなアプリケー ション開発が必要であること

(表にまとめると以下の通り)

vol396_03.jpg

■おわりに...

今回は、「街メディアの広告計画に求められる指標」と、その中で当社が早急に取り組むべき課題を整理しました。このような課題をふまえて、当社としてはOOH Mediaの広告計画にお役立ていただけるような「街メディアのデータ整備およびアプリケーション開発」の計画をすすめてまいりますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

なお、企画の詳細につきましては、次回以降あらためて紹介させていただきます。

                  メディアマーケティング局 メディア開発部  新妻 真

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