~インターネットオーディエンス測定~米同時多発テロ事件でのインターネットの利用状況

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 今回は、9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」における、インターネットユーザーのホームページアクセス状況について、情報ツールとしてのニュースサイトの利用状況を中心にご紹介致します。

◆主要ニュースサイトへの接触状況

 まず、事件発生時から翌日にかけての主要ニュースサイトへの接触状況について見てみましょう(図1)。事件の発生した9月11日21時台から急激に接触者数が増加し、23時台には推定約38万人がアクセスしています。これは前週(平日平均)と比べて倍増しています。以降、翌日にかけても前週に比べて接続増加状態が続いており、事件から1日を経過しても日頃からインターネット利用が高まる21時以降、前日には及ばないものの依然として多くの人がニュースサイトから情報収集をしています。

●図1: 時間帯ごとのニュースサイトの推定接触者数(主要ニュースサイト全体)

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 ※ 今回集計対象としたニュースサイトは、次ページで取り上げた「新聞・通信社系」「テレビ局系」「米国メディア系」の合計19のWebサイト。図1は集計対象としたW曲サイトのいずれか1つ以上に接触した人数を時間帯ごとに推計したもの

 次にサイト別のアクセス状況をみてみましょう。図2は新聞社・通信社系のWebサイトへのアクセス状況をみたものです。各サイトとも9月11日には前週(平日平均)に比べて接触者数が大きく増加し、翌12日にはさらに伸びています。

●図2: 新聞社・通信社系Webサイトヘの推定接触者数(事件当日と前週の平日平均との比較)

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 一方、図3はテレビ局系のWebサイトへのアクセス状況を見たものです。各サイトとも9月11日には前週(平日平均)に比べて按角蛸轍が伸びていますが、翌12日は横這いかやや低下する傾向がみられます。

●図3: テレビ局系Webサイトへの推定接触者数(事件当日と前週の平日平均との比較)

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 新聞社・通信社系のサイトとテレビ局系のサイトを比べると、新聞社・通信社系は事件の当日よりも翌日にテレビ局系は事件の当日の接触が多く、新聞社系は事件の経過や解説について時間を追って確認する手段として、テレビ局系は動画等のニュース素材をリアルタイムに視聴しようという行動・シーンが想定されます。

 また、普段は接触の少ない事件当事国の米国系のメディアへのアクセスは大幅に伸びており、情報をもっと幅広く集めたいという思いからか、特に事件翌日のアクセスが多くなっています(図4)。

●図4: 米国系メディアのWebサイトへの推定接触者数(事件当日と前週の平日平均との比較)

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◆テレビとインターネットとの比較

 次に、この事件におけるメディアの利用状況について、テレビとインターネットとの比較を行ってみます。図5は事件発生から翌日にかけてのテレビの視聴状況(HUT:総世帯視聴率:テレビを視聴している世帯の割合)を時間帯ごとにみたものです。各時間帯とも前週の同じ時間帯に比べてテレビを視聴している世帯が大幅に増加しており、深夜12時でも約半数、以後、深夜~早朝にかけての時間帯でも現地からの映像に釘付けだった世帯が少なくないことがわかります。

●図5: テレビ総世帯視聴率(関東地区:ビデオリサーチ)

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 一方、インターネットの利用(各時間帯においてインターネットを利用している人の割合)をみると(図6)、前週(平日平均)と比べて大きな視聴の変化は見られず、リアルタイムの生の映像には及ばない形となっています。

●図6: インターネット利用率(時間帯ごとにインターネットを利用していた人の割合)

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 今回のような大事件におけるインターネットの利用をみた場合、即時的にニュース系のサイトに飛びつく行動はみられるものの、一方で普段インターネットを利用する人がテレビに奪われ、結果的に量的にはインターネット利用者は通常時とほぼ同じ程度になるものといえます。

◆さいごに ~義援金受付サイトヘのアクセス状況~

 今回のテロ事件では、被害者救済や救済活動を支援する義援金を受け付けるサイトも登場しています。事件直後、トップページを通常の商品を掲載したものから義援金寄付用のものに変更した米国のamazon.comをはじめ、国内のサイトでもイーバンク銀行(www.ebank.co.jp)などがオンラインでの義援金の受付を行いました。日本国内からのアクセス人数という面ではあまり大きな動きとはならなかったようですが、Eコマースの普及が社会貢献や福祉活動への参加の新たなきっかけともなったようです。その他、今回の事件では電子メールやインスタントメッセージソフトが安否の確静や非常時の連絡手段として大いに役立ったことなど見逃せません。

 最後になりましたが、今回の同時多発テロの被害者とそのご家族に心からお見舞いを申し上げます。

●図7: 義援金受付や寄付の窓口となったサイトのアクセス状況(推定接触者数、各週の期間全体での集計)

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                   株式会社ビデオリサーチネットコム 江村 謙太郎

                               (emura@vrnetcom.co.jp)

■お問い合わせ先■

株式会社ビデオリサーチネットコム

 TEL:03-5540-6502 E-Mail:info@vrnet.co.jp

または、株式会社ビデオリサーチの営業担当者までお願いいたします。


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