MCR2001年調査結果より~30代・40代男性のメディア接触状況~&~インターネット浸透状況と利用時間~

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

当社では、'85年より4年に一度、生活者の行動を把握するため、「生活行動調査」を実施してまいりましたが、'97年の調査から①様々なメディアを取り巻く環境の変化をより詳細に捉えたい、②より細かい区分で集計したい、というそれまでの要望に応えるため、メディアに関する調査項目を充実させ、調査対象者(サンプル数)を拡大し『メディア環境調査(Media Contact Report=MCR)』と名称を変え、リニューアルしました。

この調査では、1人の対象者に、実際に行った「生活行動」と「日常生活やメディアに関する意識」を質問しています。また、'98年の調査からは、さらに「商品や広告に関する関心や商品の利用状況」についての質問も加えました。そして昨年2000年度調査ではさらに正確な生活行動を捉えるため、それまで「木曜、金曜、土曜、日曜」の4曜日のみの記入であった調査期間を、1週間連続の7晦日調査に変えて実施しました。それにより、昨年度より平日の平均、及び1週間の平均という集計が可能となりました。

さて、2001年度調査では、関東地区(東京30km圏)と関西地区(京阪神の主要地域)の2地区同時調査を行い、「生活行動レポート」「情報・メディアレポート」そしてPC版集計ソフト「MCR for Windows」を9月27日にリリースしました。

調査概要

<調査地域>

  関東地区:東京30km圏

  関西地区:関西2府3県(大阪府全域・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県の主要地域)

<調査対象者>満10才~69才の男女個人

<標本抽出>住民基本台帳より無作為2段抽出法

<標本数>

  関東地区:指令2,600人有効回収2,015人

  関西地区:指令1,600人有効回収1,198人

<調査方法>質間紙留め置き法

      (生活行動調査は調査対象日の生活行動を15分単位で記入するクローズドエンド方式)

<調査対象日> 6月18日(月)~24日(日)

 今回は、2001年調査から、「(働き盛りの)30代・40代男性のメディア接触状況」と、「インターネ

ットの浸透状況と利用時間」について、関東地区データを使って簡単にご紹介します。

■30代・40代男性のメディア接触状況

様々なメディアの接触の仕方や接触量は、その人の生活行動がどういうものなのかにより、大きく左右されます。自宅内に多くいる人は自宅で接触できるメディア、自宅外に多くいる人はまた別のメディアへの接触機会が多くなります。

図1: 起床在宅・睡眠・外出の動き~男女10~69才~

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性年齢や職業に関係なくすべての対象者(10才~69才の男女)で平均すると、人は一日のうち自宅にいる時間は15時間52分で、そのうち睡眠時間を除くと、8時間35分が起きていて家で過ごしている時間でした。つまり、24時間の1/3程度です。しかし、実際には平日と土・日ではこうした起床在宅時間量に大きな差があります。多くの人が学校や仕事で家を空けていることの多い平日では、8時間4分、土曜がそれより1時間半ほど多い9時間35分、日曜は更に多く10時間12分です。しかも、一日の時間の流れによってその量は増減します。

図1は平日、土曜、日曜での60分毎の起床在宅率と睡眠、外出の割合を示したものですが、これをみると(当然ながら)日中は外出が、朝と夜には起床在宅が多く、どの曜日も21時台がピークとなっています。

この起床在宅時間を多いと捉えるか、少ないと捉えるかは人によって、ちがってくるでしょう。しかし、この起床在宅時間をさらにある特性別でみると、より差が大きくなります。働き盛りの男性と専業主婦では、普段の行動は異なります。

図2: 日の起床在宅状況

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平日で比較してみると(図2)、専業主婦の起床在宅率は日中の少ないときでも6割を越え、18時を過ぎると9割以上、ほとんどが家にいます。それに対して働き盛りと言われる30代、40代の男性しかも勤めに出ている人(ここでは経営・管理職も含めた勤め人で比較してみました。)の起床在宅率は朝8時台になると2割を切り、その後18時まで9割以上が自宅外(外出)にいます。そして、19時以降に徐々に家に帰ってくる様子がわかりますが、起床在宅率が5割を越えるのは21時台、ピークに達するのは全体の平均よりも1時間遅い22時台です。ちなみに、この起床在宅を時間量にすると1日平均4時間15分で、専業主婦が13時間38分ですから彼女たちの1/3の時間しかありません。こうなると、どう見ても働き盛りのミドルエイジ男性は平日の起床在宅時間が少ないということになるでしょう。

また、平日にほとんど家にいない彼らも、土曜や日曜であれば、日中の在宅も多く、日曜の夜は20、21時台で8割近くの起床在宅率となっています(図3)。

図3:30代・40代の勤め人男性の土曜・日曜

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こうした「自宅にいるかいないか」を見ただけでも、その特性により(この場合、勤め人30代、40代の男性と専業主婦)一日で、あるいは一週間で接触するメディアやその時間にも違いが生じてくることが想像できます。そこで、30代、40代の勤め人男性のメディア接触時間(ここではMCRで調査されている4媒体と交通媒体として「バスまたは電車に乗っている時間」、それとインターネット利用時間の6つの利用時間)を、専業主婦と比較してみてみました。表1は自宅内、外それぞれにおける1人当たりの接触時間(消費時間)です。

表1:6メディアの-日当たりの接触量(消費時間)

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30代、40代の男性の平日は、自宅でのテレビ接触が2時間余りで、5時間を越える専業主婦の半分以下です。しかし、自宅外ではラジオやインターネット、またバス・電車などを利用している時間が長くなっています。特に、インターネット(Eメール含む)の利用時間が1時間を越えている点に注目されます。それに比べて専業主婦の接触するメディアはほとんど自宅内のテレビに集中しており、自宅外ではほとんど接触がありません。自宅内・外のこの6メディアトータルの接触量は、30代、40代男性が約5時間27分、専業主婦が6時間16分と、やはり専業主婦が上回っているものの意外と男性も多いように思われます。そして30代、40代男性のほうが、接するメディアは多岐に渡っているようです。(消費時間の合計は各メディア間での同時行動があるので、単純に足した分数にはなっていません)土曜、日曜をみると、外出が減るためか、接触メディアは自宅内のテレビが多くなり、特に日曜は4時間を越えています。しかし、曜日によって、接触時間量トータルでそれほど大きく変わらないところが興味深い結果となっています。一方、専業主婦は平日に比べて土曜、土曜に比べて日曜のメディア接触量が少なくなっています。

次に、1週間のうち5日を占める平日の30代、40代男性の自宅外でのメディア接触状況を1日の時間で追って見てみます。(図4)

図4:30代・40代勤め人男性の平日自宅外でのメディア接触状況

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ここでは自宅外で時間量の多い順に4つのメディアをグラフにしてみました。交通媒体(バス・電車)は朝の時間は7時台8時台、夜は17時台から増え19時台でピークとなり、深夜に向け徐々に下降しますが、21時台まではかなり多くの人が利用しています。

また、インターネット(Eメール含む)は就業時間と思われる9時台から増え、日中、夕方まで続き、夜になって徐々に減少しますが、増減が少なく、早朝と深夜を除けば時間を選ばないメディアのようです。

ラジオは朝7、8時台、12時台、17、18時台に山があり、昼休みや通勤時間に聞く人がやや多いようです。新聞は7、8時台で山がありますが、あとはほとんど変わらず低いようです。

こうしてみると、自宅外メディアには就業中に利用するものと、通勤、休み時間に利用するものとで分かれる傾向があるのかもしれません。

ここまでをまとめると、働き盛りの30代40代男性のメディア接触状況は、「平日は自宅外で接することのできる幅広いメディア、休日はテレビ」というパターンで、意外と充実していると捉えることができるのかもしれません。

注)今回の集計では、

・「30代、40代男性(勤め人)」=年齢が30才~49才の男性で、給料事務、給料労務、経営・管理職のいずれかの職業の人

・「メディア」=テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット・Eメール、バスまたは電車に乗っている時間の6項目としてみましたので、必ずしも全てのメディアの接触状況というわけではありません。

■インターネットの浸透状況と利用時間

次に、あれだけ騒がれたインターネットですが、今や日常的に当たり前のように使い、もはや特別な人が利用する特別なものという存在ではなくなったように感じられるのですが、はたして、どのくらい浸透しているのでしょうか?MCRの結果からいくつかのデータをピックアップしてご紹介します。

※MCRでは、「Eメールを含めたインターネッ挿U用」としており、ここで取り上げたものはパソコンでの利用、携帯電話での利用など全てを含めた行動内容となっております。

図5は'99年から今年にかけてのインターネット利用の割合を頻度別に表したものです。グラフの[ ]内の数字は「現在インターネットを利用している人」全体の割合です。

図5:インターネット利用者の割合

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'99年のインターネット利用率は全体の約3割でしたが、2000年、2001年と一年ごとに10ポイントほど伸び、今年は約5割の人が利用するまでに至っています。しかも、2001年は「週に4日以上(半分以上)利用する」人が、約27%と、利用者の半数を超えています。また、週に一回は利用する人(一日以上の利用)まで含めるとそれは8割に上ります。

 では、利用者はどのような人なのでしょうか。

図6:性年齢別インターネット利用者の割合

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図6をみると、Ml、M2、F1と呼ばれる年齢層が6割を越えています。特にMl、M2は45%の人が週4日以上利用しており、ヘビーユーザーが多いことがわかります。新しいものへ抵抗感の強い高齢層(50才~69才)は他のターゲットに比べ低いものの、男性では3割を越え、3人に1人までに広がってきました。しかし、現状ではインターネット利用の中心は成人男性の20代から40代といった様子です。

インターネット利用時間をみてみると、全体で一日約46分、そのうち約30分は自宅外での利用となっています(図7)。週4日以上のヘビーユーザーは自宅外では1時間近く、自宅内で約30分利用しているようで、生活の中で非常に長い時間を占めていることに驚きます。いずれにしても、インターネットの利用時間は自宅外が多いようです。

図7:インターネット利用時間

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 自宅でのテレビ視聴と自宅でのインターネット利用の時間では違いがあるのでしょうか。「インターネットを自宅で利用する」と答えている人に絞って夜の利用状況をみたものが図8です。テレビ視聴は19時台から上昇し、22時台でピークを迎えます。そして23時、24時と急激に減少しますが、インターネット利用は20時台から緩やかに上昇します。そして24時台からゆっくりと下降しますが、そのピークはテレビ視聴より1時間遅い、23時台となっています。

早い時間にテレビを見ていて、22時から徐々にインターネット利用へと移っていく、そんな様子がうかがわれる結果となっていました。

図8:夜・自宅でのインターネット利用とテレビ視聴(自宅内利用者)

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N=普段のインターネット利用場所で「自宅」と答えた人。(MA)

以上、今回は「30代・40代の男性」のメディア接触と、インターネットの浸透状況の2点についてご紹介しました。事例ということでごく簡単な集計分析でしたが、利用シーンに併せてより実用的な切り口で分析し、実態を確認していくことが可能かと思います。

「行動」は、時間と空間(場所)とお金といった物理的な条件を人がどのように配分するかで決まります。そして、行動にはメディアの接触の仕方も含まれるのだと思います。MCRではその中で主に、「時間」と「空間(場所)」からのアプローチをしたものです。「いつ」、「どこで」(MCRの場合現状は「自宅内」か「自宅外か」)をこれから、さらに研究していきたいと思います。

消費者マーケティング局 調査三部  兼巻 綾子

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