全国新聞総合調査「J-READ」調査結果データのご紹介(2)地方紙における分析事例

VRDigest編集部
VRDigest編集部
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!

本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

新聞のメディアパワーを科学的に示す...

1.はじめに

先月号よりスタートした当社『全国新聞総合調査』(データ名は『J-READ』)の結果紹介ですが、今回は特定県(九州の1県)の地方紙を例に、分析事例をご紹介致します。

2.その前に...(『J-READ』データと販売部数の関係)

スタートしたばかりの調査ですので、データにどの程度の精度が確保されているのかという部分についてまず触れておきます。

図表1は、横軸に「全国ベースのABC公査による各紙の販売部数(2001年)」を、縦軸に「J-READ』による各紙の週平均閲読者率(全国べ-ス・個人全体)」を設定し、ABC・J-READ両者のデータがそろう76ビークルをポジショニングしてみたグラフです。

【図表1】ABC部数と『J-READ』閲読者率

vol407_01.jpg

地方紙も含め、全ての新聞の部数と閲読者率を全国ベース同士で比較しているため多少おおまかではありますが、各紙ともほぼ直線上に分布しており、闇碧β数の多い新聞では閲読率もほぼ比例して高くなる」関係にあることが分かります。これを単回帰分析にかけてみたところ、相関係数も0.992365と非常に高い値となりました。

閲読者率の精度が安定している一例と言えるのではないでしょうか。

3.生活者と新聞

さて、今回の本題に入ります。

前回、「生活者と新聞」というテーマで、いくつかのデータを全国平均値でご祐介しましたが、特定紙の具体論に進む前に、その特定系氏が発行されている九州のK県における同様の結果をまず確認しておきます。

(1)新聞を読む時間帯

最初に、生活者の起床在宅(家にいて起きている)と朝・夕刊それぞれを読む時間帯を見てみます。(図表2参照)

【図表2】K県の起床在宅と朝・夕刊閲読時間帯(平日)

vol407_02.jpg

九州のK県でも、前回の全国平均同様に、起床在宅率に合わせるように新聞を読む割合も推移しており、特に「朝起きたら朝刊」という習慣性は顕著に現れています。また夕方から夜にかけては夕刊だけでなく朝刊も読まれており、朝刊が一日の様々な場面で生活者と関わっていることが分かります。

(2)新聞を読む時間量

続いて、インターネットを含めた各マス媒体ごとの「ふだんの接触時間量」を見てみます。(図表3参照)

個人全体で35.6分となっている新聞の閲読時間量ですが、年代が上がるにつれて増えているのが分かります。これと対照的なのがインターネットで、こちらは若年層ほど時間を割いています。

各媒体にかける時間量が各年代ごとに異なっているという傾向は全国同様、K県でも見受けられるようです。

【図表3】K県の媒体別接触時間畳(週平均)

vol407_03.jpg

4.K県の新聞接触状況

以上、新聞接触の時間帯・時間量をふまえた上で、ここからは具体的にK県における各紙の接触実態を観察していきます。

(1)新聞の宅配(購読)状況

まず、朝刊各紙の宅配購読者率です。(図表4・5参照)

【図表4】各紙の購読者率(K県全体)  【図表5】K県 エリア別各紙の購読者率(%)

vol407_04.jpg

K県全体では、地方紙である「K新聞」の購読者率が70%と圧倒的なスコアを示しており、次いで全国紙のC紙・A紙が約9%という状況になっています。

これをエリア別に見てみると図表5のようになりますム「K新聞」は県庁所在地や郡部で特に高い購読者率を誇っており、一方K市以外の市部ではブロック紙のE紙が健闘しています。

『全国新聞総合調査』は各都道府県の全域で実施されているため、このように県内のエリア別普及状況を確許することも可能となりました。

続いて、購読理由を比較してみます。(図表6参照)

【図表6】購読理由・きっかけ上位3項目

vol407_05.jpg

 K新聞では、「以前からずっととっている」に次いで「地元の広告がのっている」が上位に来るのに対し、全国紙のC紙では「販売店やセールスマンに勧められて」が約4割と高くなっているなど、地方紙と全国紙の購読理由やきっかけには大きな違いがあります。地元の広告が載っている新聞を、長年とり続けている。それがK新聞の購読者のようです。

(2)新聞の閲覧状況

では、日々の閲読状況はどうなっているでしょうか。(図表7)

【図表7】地方紙K紙ターゲット別朝刊閲読者率(週平均)

vol407_06.jpg

さきほどの宅配購読者率同様、個人全体でK新聞が7割弱という高い閲読者率を獲得してますも。

また、各商品種類ごとの広告関心者別でも閲読者率の違いが現れています。例えば「住宅設備傲軌広告や「求人広告」の関心層ではK新聞の閲読者率は個人全体を上回ります。

広告のターゲットによっては、個人全体のスコア以上の到達を期待することができる結果の一例と言えるでしょう。

5.K県の新聞読者プロフィール

続いて、新聞読者像(=プロフィール)を見てみます。

(1)デモグラフィック特性

基本的な性・年代による読者構成比を比較したのが図表8です。

【図表8】各紙朝刊の性・年代別構成比(週平均)

vol407_07.jpg

県民(15~69歳)の約7割が読んでいるK新聞は、県全体と極めて似通った性・年齢構成となっており、各年齢層をバランスよく含んでいる新聞であると言えますも一方、全国紙のA紙は、男性30代以上の占める割合が高く、働き盛りの男性を中心に読者が形成されていることが分かります。

このことは読者の平均年齢にも反映されており、A紙はK紙よりもやや高めとなっています。

(2)商品関与度

 K新聞読者の、各種耐久商品の所有状況を見てみます。(図表9)

【図表9】K新聞読者 耐久財所有率

vol407_08.jpg

K新聞読者の所有率が高いものの中から、県全体との差が比較的大きいものをピックアップしてみたところ、大型テレビや温水洗浄機能付便座をはじめとした「世帯型・ファミリー向け」と呼ばれるような商品が目立ちます。

また平均世帯年収を見てもK新聞読者は県全体を約40万円上回っており、活発な消費活動を行い、経済的にも余裕のある生活者を多く有している様子が分かります。

さらに、過去1年間に利用したことのあるサービス・施設を見てみると、日頃の買い物にまつわる項目から旅行・レジャー関連まで、利用経験が多岐にわたっていることが分かります。(図表10)

【国表10】K新聞読者1年間でのサービス・施設利用経験

vol407_09.jpg

(3)新聞に対する評価

 最後に、K新聞読者の新聞妓体金投に対する評価を整理してみました。(図表11)

【図表11】K新聞読者・非読者の新聞媒体評価

vol407_10.jpg

県全体では、「地或・地元の出来事がよくわかる」媒体として「新聞」を挙げた人の割合が87.4%と最も高く、次いで新聞の「信頼性」「知識・教養性」などが上位にあげられました。

しかし、これをK新聞という地方紙を実際に読んでいる人と全く読まない人で比較すると、読者においては新聞媒体への評価はさらに高まり、非読者では低くなることが分かります。

K新聞の読者は、新聞の良さ・強みをより明確に認識している好例と言えるのではないでしょうか。

6.最後に

今回は、J-READデータの中から実際の特定県とその地方紙読者のデータを用いた分析事例をご覧いただきました。

同様の、もしくはさらに多様な角度からの分析が、全ての都道府県で可能となったこと、それこそが当データの大きな特徴と言えるでしょう。

次回は、十旺皿データの「エリアマーケティング」的活用の一例など、新たなテーマで引き続きご紹介していく予定です。

※全国新聞総合調査データ『J-READ』ならびにWeb版集計システム『@J-READ』に関するお問い合わせは、弊社営業担当者までお気軽にお問い合わせ下さい。

                       

(第一マーケティング局メディアマーケティング部 布川(ぬのかわ)英二)

この記事をシェアする
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!