US Media Hot News 米国に訪れる携帯電話・新時代(2.5ghz世代)~運転に適したイヤホン型やハイブリッド型etc.~

VRDigest編集部
VRDigest編集部
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!

本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 米国の携帯電話の世界で今、異変が起きています。ハイテク先進国でありながら同分野では日本に大きく遅れを取っていた米国ですが、ようやく携帯電話が飛躍的に普及する兆しが見えてきました。ビジネスマンの間で必要不可欠なのは勿論のこと、ハード幾器やサービス料金の値下げを背景に、これまでポケベル派だったユーザーの間にも利用者が増えています。新規加入者数は年率2桁台で成長し(現在普及率は4割強)、2005年までに全米人口の6割強が携帯電話を所有する見通しです。通話料金が比較的安く、回線を引くにしても日本のような債権料が要らないにもかかわらず、従来型の電話を解約して携帯電話だけ所有するユーザーも出てきており、来年には携帯電話を使った通話時間が全通話時間の約4分の1を占めると予測されます。

 そもそも、米国は携帯電話先進国のはずでした。車や飛行機での移動が多い上、都市部以外では公衆電話がなかなか見つからないため、商用あるいは緊急連絡用として約20年前から携帯電話が普及しました。公衆電話の見つかる都市部でさえ、電話機の故障の多さやコインをたくさん要するといった使い勝手の悪さから携帯電話が受け容れられ、ユーザー数は次第に増えていきました。ところが、用途がビジネスの生産性向上とセキュリティー上の緊急連絡用に限られたこと、電話機の値段や通話料金が割高だったこと、機器が重たく魅力のないデザインだったことなどから一定のユーザーを得た後は普及せず、日本のような一大ブームを巻き起こすことはできませんでした。

 それが、昨今の技術革新によって変わりつつあります。理由の1つは、携帯電話方式の進化です。これまでは第2世代(2G)と呼ばれるデジタル方式が主流でしたが、この方式は互換性に乏しく世界レベルでは通用しませんでした。そこで互換性を高め、性能もブロードバンド対応に改善した新方式が提案され、時代は第3世代(3G)に動いています。米国には、スピードとパワーの面で2Gと3Gとの中間に位置する2・5Gが存在し、"つなぎ"的役割を果たそうとしています。

 携帯電話機の小型軽量化、多様化もサービス普及に役立っているようです。これまで米国の携帯電話といえば、黒いレザーケースに入って大きく重たい、まるでトランシーバーのようなデザインが主流でした。それが今ではすっかり小型になり、色も赤、青、緑やメタリックなど様々です。ユーザーの好みが幅広い米国では、ハンドヘルド型の電話機だけでは飽き足らず、形も色々なものが登場しています。車社会のお国柄か、運転しながらでも安全に利用できるイヤホン式が人気で、最近はコードレスタイ

プも登場しました。米国では携帯電話からの電磁波が人体へ悪影響を及ぼすと懸念する声が多いため、電話機を直接耳にあてないタイプも人気です。

 携帯電話にプラスアルファしたハイブリッド型も多種出回っています。カメラの撮影機能を加えたスマートフォン、アドレス帳などが載ったPDA端末など、電話の域を越えた融合商品が開発されています。面白いところでは、リサイクル可能な使い捨てタイプや、まだアイデアの段階ですが、会話の語調でボディが変色する携帯電話が登場するかもしれません。

 しかし、携帯電話時代の前途は決して平坦とは言えません。世界に先駆けて3G社会の到来が予想され、2年前には携帯電話メーカーが株式市場でもてはやされた欧州では、去年後半から早くも勢いが失速しています。地味な電話会社から一躍IT界のスターになる日を夢見て過剰に投資したり、ソフト面が整わないうちに3G構想を強引に推し進めたのが主因で、各社は苦戦しているようです。米国にとって、欧州の現状は他人事ではありません。3G構想の中心的存在であるテレコム会社は同じく苦しい財務状況に立たされており、買収・合併のうわさは絶えません。

iモードの米上陸による携帯電話の需要喚起を期待する声もありますが、同サービスは米国で成功しないとの見方がもっぱらです。車社会の米国では、運転しながら携帯に着信したメールを読んだり、文字キーを操作するのが困難です。漢字と違ってアルファベットでは文字数が多くなり、画面にメッセージを表示しづらいという理由もあります。

 米国の携帯電話事情は今、日本とも欧州とも違う方向へ動き出そうとしています。まず、テレコム業界の壁を超えIT企業が一丸となって取り組もうとしているところです。携帯サービス最大手のベライゾンと米マイクロソフトがコンテンツ提供において提携したことは、その表れでしょう。

 携帯電話にとどまらず、パソコン、ファクスなど家庭やオフィス内の機器をネットワークでつないだサービスに注力していることも特徴です。代表的なのは「ブルートゥース」と「IEEE802・11b=ワ

イヤレス・フィデリテイ(Wi-Fi)」です。前者は小型で低消費電力、約10メートル離れた機器間のデータ送受信を可能にします。パーソナル機器や家電製品に利用されることが多く、ブルートゥースでネットワークされた冷蔵庫なら食材の在庫・賞味期限の管理や、インターネットから受信した料理レシピに従って必要な食材を調理前に解凍することができます。

 後者は前者に比べて通信距離とスピードにおいて約10倍の性能を備え、ビジネス利用に向いています。今やホテルや空港のほか、米コーヒーチェーンのスターバックスでもWi-Fiのネットワークにアクセスできるようになりました。

 携帯電話を始めとするワイヤレス機器は米国でも日常生活に溶け込み、生活をいっそう便利で楽しいものにしてくれそうです。

                                 Video Research USA, Inc.

この記事をシェアする
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!