携帯メール/ブラウザ機能の利用と買物行動の実態~リーセンシ―効果による購買などetc.

VRDigest編集部
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本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

社団法人電気通信事業者協会が10月未に発表した数字によると、日本国内におけるインターネット対応携帯電話の契約数は5777万(ちなみに携帯電話/PHSの契約数は7244万)とのことで、単純計算するとすでに国民の約5割弱がネット対応の携帯電話を所有していることになります。

 こうした普及の状況を受け、単純なバナー広告やメール広告の"場"としてのみ携帯電話を捉えるのではなく、購買直前に利用する有効な"リーセンシーメディア"として広告展開を行おうとする動きが出てきています。

 つまり、自分の生活行動を振り返ってみると、帰宅途中の電車の待ち時間にメールや天気予報をチェックした後、近所のコンビニエンスストアでお弁当を購入...あくまでもメールや閲覧するWebサイトの内容は私的なものであり、今のところバナー広告を含むウェブの情報やメーリレ広告に刺激されて買い物をしているという訳ではありませんが、そうした時間帯を狙い、有効な"リーセンシーメディア"として広告展開をすることは可能のようにも感じられます。

 弊社では今年7月、携帯電話の利用状況に関して調査を行うとともに、同一対象者に日記式でメール/ブラウザ機能と利用時間と買物行動時間を調査しました。

 今回は、その結果からメール/ブラウザ機能の利用と買物行動の実態データからどんなことがいえるのかを検証してみることにしました。

■メールとブラウザ機能の利用状況

 まず本題に入る前に、実際にメールとブラウザ機能はどれだけ使われているのかをみておきます。

 メールを利用している人は携帯電話/PHS所有者の75%となっており、すでに4人に3人はメーリレを利用している結果となっています。特に男女20代以下の利用率が9割以上なのは特筆すべき点でしょう。

 ちなみにメーリレがどんな目的で使われているかというと、おもな目的は「友人・知人に連絡を取る」「家族に連絡を取る」といった、近しい間でのコミュニケーション手段としてメールが使われているようです。

 一方、ブラウザ機能の利用率はすでに携帯電話/PHS所有者の約半数となっており、男女でほとんど差がみられないのが特徴です。年代別では他の年代にくらべて男女20代以下で多く利用されており、男性で8割前後、女性で7割前後の利用となっています。

 ブラウザ機能の利用目的としてどんなサイトを利用しているかみてみると、最も利用しているのはいわゆる着メロサイトで、ブラウザ機能利用者の半数以上が利用しています。誌面の都合でここには掲載できませんが、着メロサイトは男女とも幅広い年代層で利用されている点は注目されます。2位以下は天気予報、待ち受け画面ダウンロード、交通情報、一般ニュース、スポーツ情報、ゲームダウンロードと続き、上位はダウンロード系のサイトと日々の情報をチェックするデイリーニュース系のサイトで占められています。

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■メールとブラウザ機能の利用時間帯

 次に、日記式調査の結果から、1時間ごとにメール/ブラウザ機能のいずれかを使った人の割合を木曜日と日曜日でみてみます。

 木曜日のメール/ブラウザ機能の利用割合は1日の中では朝、昼、夕方、夜といった時間帯によく利用される傾向がうかがえます。利用される時間帯を一般的な生活行動と照らし合わせてみると、朝であれば起床や通勤・通学時、昼は昼食時や休み時間、夕方は帰宅中、夜はくつろいでいる時間が考えられ、メール/ブラウザ機能は生活行動に連動した形で利用されているといえます。

 日曜日については木曜日のように特に山となる利用時間帯はなく、夜になるほど利用割合が高くなる傾向がうかがえます。これは起床在宅率の関係や移動時間・食事など、生活行動がパターン化されにくい休日ゆえの結果だといえます。

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■メール/ブラウザの利用と買物行動との関連性

 さて、今回の本題であるメール/ブラウザ機能と買物行動との間にどんな関連性があるのか見ていきたいと思います。

※買物行動は買物を始めた時刻のみを聞いていますので、ここでは「当該時間における買物開始行動者の割合」としてご理解願います。

 まず、お互いの1時間ごとの行動割合がどれだけ似ているかについてみてみたいと思います。

 木曜日の買物開始行動は、朝、昼、夕方にされる傾向があり、5時~19時についてはメール/ブラウザ機能の利用のされ方と非常に似ていることがわかります。念のため、木曜日の5時~19時におけるお互いの利用割合(%)の単純相関をとってみると、相関係数は0.92という非常に高い結果となり、数字の上でもお互いの行動には相関関係があることがわかります。

 日曜日の買物開始行動は生活行動がパターン化されにくいためか、木曜日ほどメール/ブラウザ機能と買物開始行動との間に連動感は感じられませんが、5時~19時の相関係数は0.81となり、日曜日においても両者は高い相関関係にあることがわかります。

 今回のデータからはメール/ブラウザ機能からの情報刺激によって買物行動が引き起こされたかどうかまではわかりませんが、買物行動が行われる裏側でメール/ブラウザ機能も使われているということがわかります。

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 では、次に実際にどれだけの人が買物の直前にメール/ブラウザ機能を利用しているかということを調べてみます。ここでは便宜上、買物直前の定義を「1時間以内」とし、買物をした人が買物開始直前にどれだけメール/ブラウザ機能を利用していたのかを見てみたいと思います。

 次頁のグラフは木曜日と日曜日の2日間、いずれかの買物をした人のうち、買物開始直前にメール/ブラウザ機能を利用した人のシェアをあらわしたグラフです。

 この結果、携帯電話/PHS所有者全体でみると、木曜日と日曜日の2日間でなんらかの買物をした人の約3割がなんらかの買物開始直前にメール/ブラウザ機能を利用しています。これを年代別にみると、男女20代以下ではメール/ブラウザ機能の利用頻度が多い層だけあって、すでに半数がなんらかの買物直前にメール/ブラウザ機能を利用していることがわかります(この結果は2日間だけのデータですので、1週間単位でみた場合はのシェアはもう少し高くなると思います)。

 曜日別にみてみると、携帯電話/PHS所有者全体では日曜日よりも木曜日の方がややシェアは高くなる傾向がうかがえます。性・年代別では、女性は日曜日よりも木曜日の方がシェアは高く、特に女性20代以下ではその傾向が顕著にあらわれています。

 女性20代以下の層は、もともとメールやブラウザ機能の利用頻度が多いだけに、買物行動直前に利用している確率が高くなっているといえます。

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 今回の調査はメールまたはブラウザ機能の利用と買物行動の実態をおさえることを主目的としていたため、メールでみた情鞭やブラウザ機能でみたサイトの広告、あるいはキャンペーン広告といった情報に刺激されて実際にお店に足を運んで買物行動に結びついたかどうかまでは検証することはできません。しかし、この2つの結果が示すように、買物行動の裏側でメールやブラウザ機能が使われ、すでに若い方の多くは実際に買物行動に近いところでメールやブラウザ機能を利用しているということは、携帯電話を広告メディアとしてとらえた場合、そこに購買を喚起させるようなメッセージや広告に接触する機会があるということだと思います。

 そうした意味では、携帯電話は購買直前に接触するリーセンシーメディアといえるのかも知れません。

 今後携帯電話は第三世代機に代表されるように、多機能・高速化により、メッセージの表現力が豊かになるといわれています。メディアとしての下地がこうして出来上がっている現状を考えると、使い方によっては今後携帯電話は購買に直結するリーセンシーメディアとして、今後その役割を果たしていくことと思います。

 今後は携帯電話の普及動向に加え、携帯電話がどんな使い方がなされ、広告メディアとしてどんな役割を担っていくのか。また、今回検証しきれなかったメール/ブラウザ機能と買物行動との因果関係のテーマなど、調査データを交えながら色々とウォッチングしていきたいと思います。

 なお、本調査に関する詳細データは弊社ウェブサイト「データコーナー」にPDFにて掲載しておりますので、こちらもあわせてご覧いただければ幸いです。

※閲覧には会員登録が必要です(無料)

                         

調査概要

調査目的 (1)携帯電話/PHSの利用実態を把握する

(2)携帯電話/PHSの利用と買い物行動との関連性を考察する

調査対象エリア 東京35㎞圏

調査方法 郵送調査法にて以下の2つの調査票記入を依頬

・「携帯電話の利用に関する調査」

   →対象者プロフィール及び携帯電話/PHSの所有等に関する調査票

・「携帯電話の利用と買い物についての記録票」

   →携帯電話の利用及び買い物行動時間に関する日記式調査票

調査期間 2002年7月15日(月)-7月21日(日)

*日記式調査票記入日:7月18日(木)・7月21日(日)

調査対象者 12-69歳男女(小学生は除く)

調査サンプル数 1,039サンプル/回収率86.6%(指令1,200サンプル)

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営業局 インターネット&モバイル事業推進部 塩幡健-

(e-mail:v006551@videor.co.jp)

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