ニューメディア事情(9)―レンタルビデオ―家庭用VTR普及と映像ソフトの流通

VRDigest編集部
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本記事は1987年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 家庭用VTRが普及してきている。いまさらVTRがニューメディアということではないが、映像ソフトの流通ということでは、大いに関係がある。そこで映像ソフトに関連して現状をみてみたい。

 まず家庭用のVTRの普及率は、各地区で40%を越え50%になろうとしている。その利用法は、やはり番組録画が中心で、中でも映画番組が多い。ヒアリング調査では、教育番組とか、ドキュメンタリーを録画してライブラリーにしているという話が中心になっていたが、実態はやはり映画番組であった。'84年からの2年間のデータ分析で、ベスト30を作ってみたが、そのうち27番組が映画、ドラマが2本と歌番組(NHKの紅白)であった。視聴率の低い映画番組の中には録画率のほうが高いというものもあった。これらは今後問題になるだろうと考えられる。

 最近、レンタルビデオショップもいままでの店とは変わって、大型の店舗が登場してきている。大手企業の参入である。

 これまでの店舗はレンタルレコードショップが中心で、在庫ソフト本数も300本から1,000本程度という店が多かった。ところが、最近ではコンビニエンスストアほどの大きな店舗面積になり在庫ソフトも3,000本から多い店は10,000本以上というショップも出現している。新作ビデオは予約をしていないと利用できないとか、もっとバラエティのあるソフトがほしい、趣味や教育ソフトがはしいというニーズの多様化にマッチしたものになりつつある。今後、大手企業も何社か進出するものと考えられるし、これから衛星を利用してCATVに番組を供給しようとしている企業の中にもこのレンタルビデオショップを系列化しようとするところが出現しそうである。

 利用料金も1日1,000円程度だったものが、急速に値下りし、300円以下というソフト料金もあるとのこと、今後さらに値下りするのではないかと考えられている。また利用法も電話予約や宅配といったサービスシステムも拡充している。

 利用者の方はまだ30代のヤングファミリーが中心だというが、小学生が友達の家に集まり、小使いを出しあってアニメや映画をレンタルし視聴しているという動きもある。こうしたレンタルショップがスーパーやコンビニエンスストアにも出店するということになってくると事情も変わってこよう。

 これらのレンタルビデオの動向は、これから動きだそうという都市型CATVの加入者にとって大きく影響しそうだ。都市型CATVは多チャンネル専門放送で映画番組がメインになると考えられている。それがレンタル映画が簡単に手に入るようになると、都市型CATVのメインになるメニューも新しいものを考える必要がでてきそうである。一般の人に受け入れられるソフトメニューはどんなものになるのだろうか。

 これから著作権問題と関連し大きな課題になるだろう。 (新規事業開発部 森一美)

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