クラスター分析によるライフスタイルからみた夫婦の類型化―新聞六社報告書より(下)―

VRDigest編集部
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本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 新聞六社調査研究会では、'84年の調査において、消費者としての新聞読者を個人としてみるだけでなく、むしろある性向を持った夫婦単位として把握するため、「生活スタイルなどからみた夫婦の類型化」を行ないました。

 そこで今回も、84年調査と同様、クラスター分析を用い夫婦の生活スタイルから五つの類型を折出し分類した夫婦タイプごとに、その生活意識、及び消費動向を探ってみました。ここではその結果の一部をご紹介します。

 なお、分輯のために用いたのは以下の42の生活スタイル項目です。

・朝食は  主にパン ・夕食は   和食が多い

      主にごはん    洋食が多い

・食事は  イスで ・就寝時間は 夜12時以前が多い

座って    夜12時以降が多い

・居間は  和室 ・親と    同居している

  洋室 同居していない

・寝具は  ベッド ・結婚は   見合い

ふとん    恋愛

・電話機は 黒電話

カラー電話

・結婚年齢 主婦 23歳以下

         24~27歳

         28歳以上

      主人 25歳以下

         26~29歳

         30歳以上

・夫婦の会話時間 30分以下

1時間~2時間

3時間以上

●食事の献立は夫の好みに合わせて作っている

●ときどき夫といっしょに晩酌をする

●たまに夫が料理をしたり、料理の手伝いをしてくれる

●ときには夫が食事の後片付をしてくれる

●夕食の買いものに夫がつきあってくれることがよくある

●夫婦だけでお酒を飲みに行くことがある

●夫婦で同じ趣味を持っている

●洋服のスタイルや流行について夫婦で話し合うことがある

●夫婦や家族で外出するとき夫の服装が気になる

●自分の洋服を選ぶときでも夫の意見をきく

●夫の衣類の購入はすべて自分がする

●夫の衣類の着がえの手伝いはしない

●自分の家族の洋服を自分で作ることがある

●知人の家族を呼んでパーティをすることがある

●夫婦でよく買いものに出かける

分類した5つのタイプの夫婦像は......

(ほのぼのフルムーン型夫婦)~典型的な日本の夫婦~

<平均像>

夫 50歳前後

自営業

高校卒

年収約590万円

妻 40代後半

高校卒

朝食はごはん、夕食は和食と食生活は「和風」であり、座卓で食事をする世帯が多く、居間は和室、寝具もふとんであるなど生活スタイルも「純和風」である。見合い結婚が多く、夫婦の対話時間は平均的であるものの、夫婦での随伴行動は少なく、就寝時間が夜12時を過ぎる夫婦はほとんどいないなど、古くからある日本の典型的な夫婦のタイプといえる。全体に占めるこのタイプの割合は22%である。

(いきいきクリエイティブ型夫婦)~おしゃれな生活がしたい~

<平均像>

夫 40代前半

ホワイトカラー

大学卒

年収約610万円

妻 30代後半

大学卒

「食」「住」に洋風の傾向がみられ、恋愛結婚が圧倒的に多く、結婚年齢は比較的若い。夫婦の対話時間、随半行動の多さ、レジャー、余暇行動への積極性、AV機器の所有率の高さなど「生活エンジョイ」の傾向が鮮明であり、高付加価値商品への関心度が強い。ただ、意識面においては「家族の絆」を大切にしており、「私生活主義」的傾向も見え隠れしている。このタイプは全体の27%を占めている。

(ゆうゆうクラツシー型夫婦)~豊かさにリッチな弟分が宿る!?~

<平均像>

夫 40代後半

管理職

大学卒

年収約730万円

妻 40代前半

大学卒

生活スタイルは洋風、持ち家率が高く大型耐久財の所有率も高いこのタイプは、収入面においても恵まれた最も「リッチ」な夫婦である。海外旅行が多いこと、妻は余暇に美術館・画廓めぐりや趣味・けいこごとを楽しむなど「高級指向」が目立つ一方、夫婦の会話時間は短かく、随伴行動も少ない。この夫婦にとって、現在の心配は、子供の進学、就職問題であるようだ。このタイプは全体の20%を占めている。

(こつこつサステイナー型夫婦)~マイホーム夢みて、今は我慢~

<平均像>

夫 40代前半

ブルーカラー

高校卒

   年収約610万円

妻 40歳前後

有職

   高校卒

恋愛結婚が非常に多く、しかも早婚が圧倒的に多い。生活スタイルは和風が基調であるが、就寝時間の遅い世帯が多く、カラー電話の所有も多いなど新世代的特徴もみられる。しかし夫婦の対話時間や随伴行動は少なく、意識・行動における「遊び」の感覚は希薄である。育ち盛りの子供を持ち、有職主婦が多く、現在の生活に対して不満が強いこのタイプはまさに、「サステイナー」(耐える人)であるといえる。このタイプは全体の15%を占めている。

(そこそこマイペ-ス型夫婦)~かけがえのない平凡さ~

<平均像>

夫 40代後半

高校卒

年収約620万円

妻 40代前半

高校卒

生活スタイルでは和風が基本であるこのタイプは、見合い、恋愛結婚がほぼ半数ずつであるが、晩婚の人が非常に多い。夫婦の会話時間はやや短いものの、夫婦での随伴行動は平均的である。このタイプは「モノ」を消費することもさることながら、将来に備えての「貯蓄」にも強い関心を持ち、また余暇には活発に動き回るより、「休息・くつろぎ」を好んでいるところからみて、「平凡さ」が貴重な財産となっているようだ。このタイプは全体の15%を占めている。

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 (市場調査第一部 野原久男)

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