ACRでみた消費市場の動き~ドライ戦争後のビール業界シェア、財テクブームetc.~

VRDigest編集部
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本記事は1989年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

1988年度のACR(Audience and Consumer Report)の結果が出そろった。

 ACR調査対象(満12歳~69歳の男女)を①媒体接触のレベル②商品の使用・購入レベル③生活意識lifestyleのレベルから同時に測定した、いわゆるsingle source dataである。

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 この小リポートでは、商品の使用・購入のレベルを中心に、最近の消費動向、消費者気質の特徴などについて概観してみることにする。

1.成長商品群

 まずミ どんな商品が伸びているか、トレンドでみてみよう。

 伸率からみるとVTRを筆頭にホットカーペット、スポーツドリンクなどが目立つ。羽毛ふとんや廃油処理剤などは一般的にはちょっと思いっきにくい、隠れたヒット商品であるといえないこともない。

 新シャンプームで話題を呼んだ洗髪洗面化粧台は9.1%、手づくり志向+αを反映した自動パン焼き機は8.0%、いずれも今年(1989年)が正念場になりそうだ。

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2.国際化あれこれ

 a.海外旅行

 年々着実に伸びてはいるものの、全体でならすと、まだ、1割合である。但し、部分的にはある層が突出して増えていることは事実で、男性の25~34歳、女性の20~24歳などがその代表である。ちなみに女性の20~24歳の海外旅行経験者のうち1/3近くがリピーターである。

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b.あなたは国際電話がかけられますか

 この一年間に国際電話をかけたことがあるかという問いに対し、最も利用率の高い若い女性(20~24歳)で15%、次いで男性25~34歳の10%と、全体的にはさ程高い比率であるとは思われない。(もっともこの数字は、業務、公用は除いているので、実際にはもう少し上がるかもしれない.........)

 Language barrierを乗り越えて日本人が外国(人)と自由にコミュニケート出来る時代がはたして本当に来るのだろうか。

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c.国産品VS輸入品~ウィスキー、たばこの場合~

 "国際化"現象が一般の人々の生活の中に、実際にどのような形で浸透しているのだろうか。図4はウィスキーとたばこを例に、輸入品の占めるシェアの変動をみたものである。

 ウィスキー、たばこ共、3年前にくらべ.全体の中で輸入品のシェアは約1割伸びている。これらの商品に限らず、円高メリット感、関税枠の緩和などが進むにつれ、外国商品が日常生活の中に定着して行くことが容易に推測される。

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注)ウィスキーについては、この3カ月間に飲んだことのあるブランドを、たばこは喫ったことのあるブランドを、それぞれ国産、輸入(外国)に仕訳して集計。

3."ドライ"戦争の結果

ビール業界は、いわゆるドライ戦争によって、ここ数年大きく揺れ動いている。図5はビール4社のシェア変動をみたものである。ACRはどちらかといえば自宅内消費が前提になる為、業界全体の実勢を把えているとは限らないが、いずれにしてもかなりの規模でシェア構成に変化があったことは事実のようだ。

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注)この3カ月間に飲んだことのあるすべてのブランドをメーカ別に仕訳をしてシェアを算出した。

4.喫煙率は減ったか

 喫煙率の変化を7年間のトレンドでみると、男性全体(20歳以上の成人)では明らかに10%以上低下しているのに対し、女性の場合はほぼ横ばいで、全体的には漸減現象を示し、やや生活実感にそぐわない印象も受ける。但し、男・女共20~24歳のヤング層や、男性の50歳以上の年代(煩雑さを避ける為、グラフ表示は省略)では、それぞれ10%以上喫煙率が低下しており、将来的には今以上にこの傾向が強くなることもうかがえる。

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5.お金持ちが増えた?

a.財テクブームに乗って

 財テクブーム、金余り現象を反映して、株式所有者(投資家)、中国ファンド所有者の比率は年々増加しており、この傾向ほしばらく続きそうだ。

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b.投資家のプロフィール

 全体の2割近い投資家のプロフィールを措いたものが図8である。

 <年収><階層帰属意識><年齢>等では、非投資家との間にかなり格差がみられる。投資家は感覚的に一特に第六感-かなりすぐれたものを持っているのではないかという仮説を立ててみたが、図でみる限りは有意な差はみられない。

                                

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ACRの概要

・歴史...1972年第1回調査実施、'88年は第17回目

・対象...満12歳~69歳の男女

・規模...全国(東京30㎞圏.関西地区、名古屋地区、北部九州地区、札幌地区、仙台地区、広島地区)合計12,000人

・調査期間...毎年5月の一週間

(調査開発部 樋口政弘)

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