2000年大晦日「紅白歌合戦」など年末年始のテレビ視聴 -関東地区テレビ視聴率データから-

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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 みなさんはこの年末年始をどのように過ごされましたか?

 前回の年末、つまり1999年の年末は、20世紀最後の年にあたる2000年を迎えるにあたり、「ミレニアム」ブームが起こりました。また、「2000年間題」も大きく取り上げられ、旅行を控えたり仕事のために出社したりする人もみられました。それに比べ、今回の年末年始は新世紀を迎えるにしてはあまり騒がれず、穏やかに過ぎた気がします。

 さて、テレビの世界も年末年始は特別な編成になりますム通常放送されているレギュラー番組は、ほとんど休止となり、越年・新年の特別番組が多くみられます。この時期に毎年決まって放送される年末年始のレギュラー番組もいくつかみられます。

 では、今回の年末年始、テレビはどのように視聴されたのでしょうれ関東地区のテレビ視聴率データからご紹介します。

●大晦日・正月三が日のテレビ視聴●

 過去5回の年末年始のテレビ視聴状況を、大晦日と正月三が日の総世帯視聴率でみてみましょう。(図1参照)

 全日(6~24時)の総世帯視聴率をみると、この4日間平均では、最も高いのは1998年から1999年にかけての年末年始で50.5%でした。それ以降、前回、今回とやや低下傾向がみられます。日別の傾向をみると、日によって異なりますが、今回の年末年始は、大晦日は前年より約1ポイント増、元日は横ばい、1月2日・3日は2~3ポイント低下しています。前述のとおり、1999年の年末は「2000年間題」があったため、旅行や帰省を控えて自宅で過ごす人が増えテレビ視聴も多かったのではないかと思われましたが、このデータからみると、テレビの視聴量は他の年とあまり変わらなかったようです。

 また、視聴率の高低に天候や気温が影響するのかと思われましたが、いずれの年も天候はあまり悪くはありませんでした。気温についてみると、1995年から1996年にかけての年末年始は暖かい日が続きましたが、元旦・1月2日と総世帯視聴率は50%を上回りました。暖かくても家で過ごすお正月もあるようです。

 では、夜のテレビ視聴をみてみましょう。18~24時の平均総世帯視聴率も4日間平均の傾向は全日平均同様、1998年から1999年にかけての年末年始が高く、それ以降やや低下しています。 日別にみると、年によって増減はあるものの、全体的に低下傾向がみられます。特に、今回の大晦日は、全日平均では前年を1ポイント上回ったにもかかわらず、夜(18~24時)平均では2ポイント下回っており、前年よりテレビ視聴が少なくなっていました。

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●大晦日のテレビ視聴●

 では、夜の視聴が前年を下回った2000年の大晦日について、もう少し詳しくみてみましょう。2000年大晦日一日の総世帯視聴率の動きを前年と比較してみてみましょう。

 図2をみると、2000年の大晦日は、特に夜20時~22時台が前年より低くなっています。 しかし、前年では祝暗率がやや低下した午後の15時~16時台にはあまり低下しませんでした。

 では、夜のテレビ視聴はなぜ低下したのでしょうか。視聴率が下がるということは、見た世帯の数が減っている、またはテレビをつけても見る時間が減っている、あるいは世帯数も減り視聴時間も減っている、という3つのパターンが考えられます。

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 図3は、1999年と2000年大晦日の夜18時~24時のテレビ視聴分数を1時間毎の分布にしたものです。1999年の大晦日は、テレビを全くみなかった世帯が17.1%でしたが、2000年は16.9%と前年よりやや少なくなっています。つまり、テレビを少しでも視聴した世帯は前年よりやや多かったということです。

 次に、テレビを視聴した世帯の視聴分数をみると、1999年は夜の6時間のうち5時間以上テレビをみた世帯が58.7%ありましたが、2000年は57.3%とやや減っています。1分以上視聴した世帯における平均視聴分数をみても、前年が305分だったのに対し、2000年は298分と減少しています。

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つまり、2000年の大晦日の夜は前年に比べ、テレビをつけた世帯はやや多かったものの、視聴時間は短かったということになります。

 視聴減少の理由として、外出した、テレビ以外の他のことをしていた、見たい番組がなかった等が考えられますが、残念ながらテレビの視聴データからはその理由を解明することはできません。

●「紅白歌合戦」の視聴状況●

 さて、大晦日の夜といえば代表番組は「紅白歌合戦」です。「紅白」は2000年で51回目を迎えた長寿番組で、1963年の第14回では81.4%という高視聴率を記録し、以後も1985年までは65%以上を記録し続けています。かつて、「紅白」の裏番組はどんな番組を放送してもなかなか視聴率が高くなりませんでしたが、1985年に年末時代劇「忠臣蔵」(日本テレビ)が放送され20%近い碩聴率を獲得し話題となりました。その後、視聴者の噂好、殊に、年代による音楽の噂好が変化したためか、「紅白」の見られ方も変化してきているようです。番組としても、より多くの視聴者に見てもらいたいと、1989年からは放送時間を拡大し2部構成としていますが、かつてのような70%、80%という視聴率には届いていない状態です。

 図4では、「紅白」の番組平均視聴率の推移とともに、参考として当日の夜19~22時の平均総世帯視聴率を掲載しています。1988年まで「紅白」の放送時間は21時から23時45分迄で、19時~22時では番組放送の時間帯をカバーできませんが、古いデータでは放送時間帯と同時間帯の総世帯視聴率を集計することができなかったため、19時~22時のデータを載せました。その夜のテレビ視聴が多かったのかどうかという参考としてご覧ください。ちなみに、ビデオリサーチが視聴率調査を開始してから初めての大晦日(1962年)の19時~22時の総世帯視聴率はなんと91.3%ありました。現在と違い、ほとんどの世帯が大晦日はテレビを見ていたようです。

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 さて、「紅白」の番組平均視聴率は以前のように70%、80%を越えることはなくなってきたとご紹介しました。しかし、最近は「紅白」以外の番組でも30%を上回るような高視聴率番組が減少してきています。これは、所有テレビ台数の増加、生活形態の変化、噂好の多様化など様々な要因により、テレビの見られ方そのものが変化してきていることも影響しているでしょう。ですが、「紅白」の視聴率が以前ほど高くないとはいうものの、昨年放送された番組の中で最高視聴率を記録しています。

 図5は2000年の高世帯視聴率番組の上位10番組をあげたものです。「紅白」以外の番組についてみると、2000年は9月15日から10月1日までシドニーオリンピックが開催され、その中継番組も高視聴率となったものが多く、「サッカー準々決勝・日本×アメリカ戦・後半」が42.3%、「女子マラソン」が40.6%を記録しています。また、昨年のちょうど今頃放送されたドラマ「ビューティフルライフ」も最終回は41.3%と高視聴率でした。

 これらの番組は、40%を上回る高視聴率を記録していますが、同レベルの世帯視聴率を獲得しても、その見られ方が同じとは限りません。「紅白」「シドニーオリンピック・サッカー準々決勝」「ビューティフルライフ・最終回」3番組の見られ方を視聴世帯(視聴者)数の多さと視聴時間の長さで比較してみましょう。

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 図6は、この3番組について、世帯と個人特性別に、横軸に1分以上視聴世帯(または視聴者)の割合を、縦軸に放送分数に対する視聴世帯(視聴者)の平均視聴分数の割合=平均視聴時間割合を表したものです。グラフで右に位置していれば晩晴世帯(視聴者)が多かったことになりますムまた、グラフで上に位置していれを弱卿除世帯(視聴者)における視聴分数が長かったことになります。

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「紅白」は1分以上視聴世帯が72.4%、平均視聴時間割合は66.9%でした。「シドニーオリンピック・サッカー準々決勝」は同67.6%、62.7%、「ビューティフルライフ・最終回」は同56.6%、72.8%でした。この3番組の中では、「紅白」がより多くの世帯に少しでも見られ、「ビューティフルライフ」がもっとも長く見られたということになります。

「サッカー」と「ビューティフルライフ」は番組平均視聴率はほぼ同レベルでしたが、視聴者数は「サッカー」の方が多く、視聴分数では「ビューティフルライフ」の方が長いというように、視聴のされ方がやや異なっています。

 同様に、個人特性別でみてみましょう。個人全体で3番組を比較すると、世帯と同様の傾向がみられます。性年齢別にみると、「紅白」は男性50歳以上、女性35歳以上が視聴者も多く、長く視聴していました。「ビューティフルライフ」は女性20~49歳が視聴者も多く、視聴分数も長かったようです。「オリンピック・サッカー」は成人男性、女性35歳以上でよく視聴されていたようです。

 なお、2000年の「紅白」は、NHK-BSでも放送されましたが、今回の分析は地上波の放送を対象としています。

 2001年もまだ幕を開けたばかりです。今年は、どのような番組が視聴者に支持されるのでしょうか,

                     

媒体調査局 調査分析部 中奥 美紀

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