「ハイビジョン国際規格」~日本方式かEC方式か?~

VRDigest編集部
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本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

1990年打ち上げ予定のBS-3でハイビジョン放送が本格的に実用化する。すでに衛星の仕様は決定していなければならないのに今だにまとまらずにいる。ハイビジョンの規格には、走査線数などを規定するスタジオ規格と伝送方式を規定する伝送規格があり、そのスタジオ規格に日本、米国、カナダがハイビジョンを提案し、ヨーロッパ諸国がEC仕様を提案しているからだ。今回はこの国際規格について考えてみる。

 まず、日本とECの規格のちがいについて基本的に異なる点は1秒間の画面数である。現在のテレビでも走査線の数と1秒間に送出される画面数が異なりヨーロッパの番組を日本に持って来てもそのまま視ることはできない。日本、米国などはNTSC方式といい画面数は1秒間に60コマである。ヨーロッパはPAL方式といい1秒間に50コマである。このコマ数が画面のチラつきを生む。ちなみに映画は部屋を暗くしなければチラつきが気になって視聴できないし、日本でテレビを見なれてヨーロッパへ行くと、初めはチラつきが気になるのもこのコマ数の関係である。

 ハイビジョンでもEC方式は50コマ、日本方式は60コマを主張しどちらも譲らない。しかしハイビジョンはすでに実用化の段階に達しており、今後は画面の高輝度化、1/2VTRの画質改善、カメラの高感度化などの性能向上への研究がメインになってきている。

 これらの技術的なものを評価してすでにヨーロッパでも、映像プロダクションなどはこの日本方式ハイビジョンを使用して、劇場用映画やCM、ドラマを制作しているところもある。

 このスタジオ方式が規格化されると、もう一つの伝送方式は、あまり問題にはならないと考えられている。つまり映像や音声がすべてデジタルで伝送されるため、コンピュータを使えば簡単に変換できるためである。しかし、このコンピュータを家庭用に組込むとなると現状では難しい。テレビとして視聴する分にはあまり関係がないが、VTRで利用しょう、視聴しようということになると現状では大きなシステムが必要となり家庭用でという話にはならない。しかし、現在のテレビを大きく変えるハイビジョン、世界中が高度な情報を必要としている時代、やはり規格は国際的に統一されてるほうが良い。

                                  (調査開発部 森 一美)

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