ニュースリリース
2020年4月に新型コロナウイルス感染症の拡大によって発令された緊急事態宣言以降、生活者のライフスタイル・意識・メディアの利用行動は大きく転換することになりました。
生活者の今と未来のインサイトを探求するビデオリサーチのシンクタンク「ひと研究所」では、『コロナ禍で映像視聴行動はどう変化したのか?』『映像視聴行動の変化の裏側にはどのような生活・意識変化があるのか?』をテーマに調査を実施し、研究成果をまとめたレポートを発刊しました。
ここでは、研究成果の一部をご紹介します。
withコロナで映像視聴ニーズが「退屈しのぎ」から「楽しい気持ちになりたい」へシフト。
「楽しみ」の空白を埋めるため、ネット動画視聴が拡大。
コロナ禍当初、在宅時間の急激な増加で生活者の心理は「退屈をしのぎたい」という気持ちが強くなり、顕在化した行動としてテレビ視聴とネット動画視聴が増加しました。その後、継続する生活制限によって生活者の心理は「楽しい気持ちになりたい」にシフトします。コロナ禍でレジャーや人との交流が失われたことによってできた"「楽しみ」の空白"を埋めるべく、生活者はそれぞれの趣味趣向に細かくフィットした多種多様なコンテンツを視聴しようと、ネット動画サービスを大いに活用しました。
生活者の「目利き力」は上がり、映像コンテンツづくりのハードルは、より一層高くなる。
多種多様かつ大量の映像コンテンツを楽しむようになった結果、ますます生活者の映像コンテンツへの目は「肥えてきている」状況にあります。
コロナ禍を経て、世の中には自分の好みやニーズにあった映像コンテンツが数多く存在し、しかもそれらを手軽に見られることが広く生活者に認知されました。
テレビモニターでのネット動画視聴(コネクテッドTV)に象徴されるように、今後はテレビ放送とネット動画は並列に比較される時代になっていくことが考えられますが、テレビ番組をはじめ映像コンテンツは、「目利き力」が高まった生活者に、今まで以上に多彩な"楽しさ"を満たすものを提供できるかが視聴者獲得のポイントとなります。
さらに、コンテンツごとに生活者への印象付けを推し進めていく、つまりコンテンツの「想起力」(見たいコンテンツとしての思い浮かびやすさ)を高めていくことも、映像コンテンツを選んでもらうための大きなポイントになっていくと考えています。コンテンツづくりのハードルは、今後ますます高くなっていく時代になるといえそうです。
◆分析結果のポイント◆
① 映像視聴の変化の要因
1)コロナ禍当初におけるテレビのリアルタイム視聴増加の最大要因は「退屈しのぎ」。
2)コロナ禍継続期におけるテレビのリアルタイム視聴減少には、大きく4つの要因が複合的に影響。
●テレビ視聴環境の変化
●コロナ禍の気分とテレビ番組の内容とのミスマッチ
●コロナ禍のソーシャルディスタンス等に伴う番組制作の制限
3)ネット動画視聴増加の背景に「楽しいものを見たい」心理。
4)ネット動画視聴においてテレビモニターは「画面の大きさ」と、「さみしさ軽減」効果に価値。
② 動画時代における重要な映像視聴者像
※詳細は「コロナ禍における映像視聴行動レポート」に掲載しております。「コロナ禍における映像視聴行動レポート」をご希望の場合は、【資料ダウンロード】よりダウンロードできます。
なお、レポート内容についてのお問い合わせは、ビデオリサーチ コーポレートコミュニケーション部(info@videor.co.jp)までお願い致します。
ひと研究所「コロナ禍映像視聴調査」調査概要
調査方法: | インターネット調査 |
調査対象: | 日本全国の15~69歳(中学生は除く) |
サンプル数: | 5,071名(住民基本台帳の構成比に応じてウェイトバック集計を実施) |
調査期間: | 2021年7月9日(金)~7月10日(土) |
<ひと研究所について>
ひと研究所は、株式会社ビデオリサーチの生活者に関するシンクタンクで、ビデオリサーチが保有する多様なデータを活用しながら生活者の今と未来のインサイトを探求しています。