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生成AIプログラミングとは?
おすすめのツール5選と活用例を解説

公開日:2025年08月06日

生成AIプログラミングとは?おすすめのツール5選と活用例を解説

「生成AIはプログラミングでも使えるのか?」
「生成AIを使うことで開発業務を効率化できるのか?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

生成AIの進化により、自然言語で指示するだけで非エンジニアでもコードを生成できるツールが登場し、業務効率化の可能性は大きく広がりました。

しかし、生成AIの利便性が注目される一方、誤ったコードを生成するリスクや、著作権・セキュリティ上の懸念もあります。

本記事では、生成AIプログラミングの概要や代表的なツール、活用のメリット・デメリット、業務で使う際の注意点までをわかりやすく解説します。自社に合った生成AI活用のヒントにしてください。

目次

1.生成AIプログラミングとは?

生成AIプログラミングとは、ユーザーが自然言語で指示を与えるだけで、AIがコードの提案・補完・修正などを自動で行い、プログラムを構築する技術です。この技術を用いたAIは「コード生成AI」とも呼ばれ、プログラミング構文の知識がなくても、自然言語で対話する感覚で使える点が特長です。

たとえば、「ExcelのA列を週ごとに集計するVBA※1コードを出して」と入力すると、AIが即座にコードを生成します。
※1 Excelなどで使えるマクロ言語で、繰り返し作業の自動化に使われる

生成AIプログラミングは、プロンプト(指示文)を入力するだけで操作できるため、ローコード・ノーコードの代替手段としても注目の技術です。今後は、多くの業務での活用が期待されるでしょう。

2.プログラミングにおすすめの生成AIツール5選

生成AIによるプログラミング支援ツールは、多様化が進んでいます。用途や作成したいシステムの難易度に応じて適したツールを選ぶことが重要です。

5つの代表的なツールを、表にて整理します。

ツール名 特徴 主な活用例 使用感
ChatGPT 自然言語での指示から複数言語のコードを生成・修正できる SQL作成、バッチ処理、コードレビュー(対話型で試行錯誤しやすい) 自然言語ベースで「やりたいこと」をそのまま伝えられるため、構想段階のアイデアを素早く形にしたいときに便利
GitHub Copilot IDE※2上でコードを補完。関数単位での提案や文脈理解に優れる Web開発、関数の補完・拡張、構文補完(既存コードとの親和性が高い) 既存コードの文脈を踏まえて関数単位で提案してくれる点が強み
Replit ブラウザで完結する統合開発環境。AIアシストつきで試作向き 簡易ツール開発、チーム共有、技術検証(軽量な実験に向いている) 1ファイル完結のユーティリティやスクリプトをその場で試して、動作確認・共有、という一連の流れがスムーズにできる
Google Gemini Googleサービスと連携しやすく、表計算やスクリプト処理が得意 Googleスプレッドシートの自動処理や帳票生成(バックオフィス系の自動化に便利) Googleスプレッドシートの定型作業に組み込むことで、作業時間を削減できる
Claude 長文の読解力や文脈保持が高く、構造化された出力が得意 複雑な仕様の読み取りや、手順の整理、複数ファイルにまたがるロジック理解 文脈を踏まえた分かりやすい応答が得られ、要件整理や手順設計の補助に適している

※2 統合開発環境

3.生成AIプログラミングのメリット・デメリット

生成AIを活用したプログラミングは、開発効率の向上や業務の省力化に寄与する一方で、精度やライセンスに関する注意が必要です。

以下に代表的なメリットとデメリットを整理します。

メリット

メリット①作業時間の短縮

自然言語で指示を与えるだけでコードを補完したり生成したりできるため、従来よりも短時間でプログラムを構築できます。

メリット②属人化の防止

複雑な処理もテンプレート化できるため、特定の人材スキルへの依存度を低下させ、属人化が発生しにくくなります。

メリット③初心者の学習を支援

エラーの説明や具体的な修正方法も提示されるため、プログラミング初学者にとって理解しやすく、習得がスムーズになります。

デメリット

デメリット①出力の精度や信頼性のばらつき

生成AIが出力するコードには、文脈の取り違えや前提条件の誤解による不備が含まれる場合があります。また、「AIが作ったから正しい」と思い込んでレビューを怠ると、バグの見落としや品質低下につながるリスクがあります。

デメリット②著作権リスク

生成されたコードに、他者のライセンス付きコードが混入する可能性があります。そのため、商用利用の際は、ライセンス違反に関連するトラブルに注意が必要です。

デメリット③メンテナンス性の低下

生成AIが出力したコードは、意図やロジックがブラックボックス化しやすい傾向があります。後から読み解きや修正をすることが難しく、属人化や運用の負担につながる恐れがあります。

4.生成AIプログラミングを業務で「安全に」使用するためのポイント

生成AIプログラミングを業務で活用する際は、安全性にも十分な配慮が必要です。以下に、主なデメリットに対する具体的な対策を紹介します。

デメリット①出力の精度や信頼性への対策

対策①検証とレビューの徹底

生成AIが出力するコードは、前提条件が明記されていない、特定の実行環境(OSやライブラリのバージョン)に依存して動作しないケースがあります。また、冗長な処理を含む可能性もあるでしょう。

そのため、生成されたコードは、検証とレビューが必須です。経験のあるエンジニアによるレビューやCIツール※3による自動テストなどを組み合わせると、より効果的です。
※3 コードの変更を自動でビルド・テストする仕組み(例:GitHub Actions、CircleCI、Jenkinsなど)

対策②意図の理解と確認

AIは文脈やプロンプトに基づいて推測的にコードを生成するため、意図とは異なる処理を含むことがあります。そのため、コード全体の入出力や変数の扱い、例外処理を確認し、コメント出力の活用やプロンプトの調整によって意図とのずれを把握することが重要です。

デメリット②著作権リスクへの対策

対策①ライセンスの確認

生成されたコードには、オープンソース由来のものが含まれる可能性があります。出典やライセンス形態を確認し、使用条件に従ってクレジット表記を追加する、あるいは該当部分を自作コードに置き換えるなどの対応が必要です。

対策②商用利用や外部公開の前に精査

商用利用や外部公開前には、不明なコードやあいまいなコメントの公開を控えるなども検討することが必要です。

デメリット③メンテナンスの難しさへの対策

対策:レビューとリファクタリングの実施

AIが生成したコードはブラックボックス化しやすいため、定期的なリファクタリング※4やドキュメントを整備し、メンテナンス性を高めることが重要です。
※4 コードの構造を改善して可読性や保守性を向上させる作業

また、セキュリティ面への配慮として、以下のような対応も必要です。

  • プロンプトに機密情報を含めない
  • クラウド連携や学習設定を確認し、意図しない情報漏えいを防ぐ

5.生成AIを使ったプログラミングの活用例

生成AIを使ったプログラミングは、エンジニアに限らず幅広い業務部門で実務に役立てられています。

非エンジニア部門での活用

活用例

①ExcelマクロやVBAコードの自動作成

「この表を週ごとに集計したい」といった指示から、実行可能なVBAコードを自動で生成できるため、日常業務の自動化に貢献します。

②社内向けWebページの作成

申請フォームやアンケートページなどを、HTMLやCSSなどWebページ用のコードで手軽に作成可能です。ノーコード感覚で扱える点が魅力です。

エンジニア・技術職での活用

活用例

③フロントエンドUIのテンプレート生成

ReactやVueなど画面の部品(コンポーネント)のコードを自然言語から自動生成できます。類似したUIをテンプレート化することで、開発速度を向上させます

④API連携やバッチ処理の自動化

Node.jsやPythonなどのプログラミング言語を用いたデータ取得やバッチ処理のコードを即時に出力でき、サーバーサイド処理の実装スピードを向上できます。

6.まとめ

生成AIプログラミングは、エンジニアだけでなく非エンジニアも業務で活用できる新たな手段として注目を集めています。適切なツール選定と安全な運用体制を整えることで、日常的な業務の自動化や効率化、属人化の解消に大きく貢献します。一方で、精度や著作権といったリスクへの対策も欠かせません。

当社では、顧客の業務課題と向き合い、高度な実効性のあるソリューションを提供するため、「生成AI技術の研究開発」を実施しています。

また、これまでのシステム開発・運用経験、また業務フローの可視化と課題抽出などで本質的な改善点を導き出し、生成AIを含めたソリューションの導入支援を行うBPRコンサルティングも提供しています。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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