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2022年07月27日

重大事件発生時の「ACジャパン」CM出稿を検証~事件後のCM差替えは?~

野木美穂
首都圏ユニット リサーチアナリシスグループ
野木美穂

重大事件発生時の「ACジャパン」CM出稿を検証~事件後のCM差替えは?~

【もくじ】

1. CM出稿に大きな影響を与えた安倍元首相銃撃事件
2. 事件後の「ACジャパン」のテレビCM出稿状況
3. 1日あたりのCM総量(秒数)のうち、「ACジャパン」のCMが占めた割合は?
4. 事件発生の前週に比べて、出稿本数を増やした/減らした"商品種類"は?
5. 最後に

【1】 CM出稿に大きな影響を与えた安倍元首相銃撃事件

皆さんは、「ACジャパン」のCMを見かけたことはありますか?
「ACジャパン」は、広告を通して公共マナーや環境問題といった様々なテーマで社会にメッセージを発信している公益社団法人です。2011年の東日本大震災発生後しばらくの間は、多数の企業がCMを自粛しており、「ACジャパン」のCMに切り替わりました。当時を記憶されている方も多いのではないでしょうか。
このように、「ACジャパン」のCMは、「企業のCM自粛」「スポンサーを確保できない」などの理由から、CM枠に空きが生じた場合に放送されます。

2022年7月8日(金)午前11時31分頃、参院選の応援演説中の安倍元首相が銃撃されるというショッキングな事件が起きました。事件直後から番組内容が変更され、衝撃的な映像、ニュースが繰り返し放送される状況にあったため、国民の心情を鑑み「ACジャパン」のCMに差し替える企業が多くみられたのではと考えます。

本記事では今回の事件を事例として、事件前後の「ACジャパン」のテレビCM出稿状況を、関東地区と事件が発生した関西地区それぞれで確認していきます。

【2】事件後の「ACジャパン」のテレビCM出稿状況

事件発生前後の「ACジャパン」のテレビCM出稿状況をみていきます。

【図1】は、事件前後の2022年7月1日(金)~7月14日(木)までの関東・関西地区の「ACジャパン」テレビCM出稿本数です。

【図1】「ACジャパン」テレビCM出稿本数 

「ACジャパン」テレビCM出稿本数

関東・関西いずれも事件発生の前週に比べて、事件発生後の7月8日(金)~11日(月)にかけて「ACジャパン」の出稿本数が急増しており、事件翌日の7月9日(土)は、関西地区での出稿本数が関東地区を上回っていました。

また、出稿本数が急増していた7月8日(金)~11日(月)において、「ACジャパン」のCM出稿本数を時間帯別でみてみると、7月8日(金)の18時あたりから増加していたことがわかりました。(【図2】)

【図2】「ACジャパン」時間帯別テレビCM出稿本数 

「ACジャパン」時間帯別テレビCM出稿本数

【3】1日あたりのCM総量(秒数)のうち、「ACジャパン」のCMが占めた割合は?

【図3】のとおり、関東・関西地区いずれも事件後数日の間は、
テレビCM出稿総量(秒数)のうち「ACジャパン」が約1割を占めていたことがわかりました。

【図3】テレビCM出稿総量(秒数)

テレビCM出稿総量(秒数)

事件翌日の79日(土)は、
関東地区では、1日に流れたCM総量73,795秒のうち、「ACジャパン」のCMが占めた割合は12.1%8,940秒、
関西地区では、1日に流れたCM総量75,350秒のうち、「ACジャパン」のCMが占めた割合は12.5%9,390秒 放送されていました。

【4】事件発生の前週に比べて、出稿本数を増やした/減らした"商品種類"は?

「ACジャパン」のCM出稿が増加していた「7月8日(金)~11日(月)」と、前週の「7月1日(金)~4日(月)」の出稿本数と比較すると、関東・関西地区いずれもACジャパンを含む「他の諸団体」の出稿本数が大きく増加していました。
一方、「通信・web系サービス」や「政治団体」などが出稿本数を減らしています。(【図4】)

【図4】商品種類別 出稿本数比較(7月1日(金)~4日(月)、7月8日(金)~11日(月))
※上位/下位それぞれ5項目抜粋


商品種類別 出稿本数比較

大手のインターネット関連会社や、人材派遣会社、ファッション通販サイトや電子コミック配信サービスの会社等が出稿を控えていたとみられます。

また、「政治団体」は関東・関西地区いずれも7月8日(金)16時以降は出稿がなく、出稿を中止していたもしくは出稿期間が終了したと考えられます。

【5】最後に

今回の事件について報道番組で流れる映像や写真は衝撃的で、見ている人の心理的負担は非常に大きく、その気持ちに配慮し、多くの企業が「ACジャパン」のCMに差し替えたのも納得です。

今回のような衝撃的な事件の報道の際は、ハイテンションな企業CMよりも、現代社会が必要とするようなメッセージを届けてくれる「ACジャパン」のCMへ差し替わる方が、我々視聴者も受け入れやすいのではないかと考えます。

ですがその一方で、「ACジャパン」のCMが何度も目にふれると、どうしても2011年の東日本大震災を思い出してしまうという声もSNS上などで多くみられました。

「ACジャパン」CMの急激な増加は、ネガティブな気持ちを誘発してしまう可能性があるということを少し気に留めておく必要があるかもしれません。

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