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2023年08月21日

タイムCMとスポットCMの効果差を可視化する

吉田正寛
企画推進ユニット DXマーケティング推進グループ
吉田正寛

タイムCMとスポットCMの効果差を可視化する

【もくじ】

1. はじめに
2. 本分析における「タイムCM」の定義
3. CM接触別のブランドリフト調査について
4. タイムCMとスポットCMの効果差
5. タイムCMは「ミッドファネル」で高い効果

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅タイムCM、スポットCMの効果の違いについて知りたい方
✅テレビCMの出稿によるブランドリフトについて知りたい方
✅テレビCM出稿業務に携わっている方

本記事でご紹介「Resolving LAB 視聴ログデータ」
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1.はじめに

テレビCMには、番組に継続的に出稿する「タイムCM」と、出稿先の番組を指定しない「スポットCM」があります。タイムCMとスポットCMでは、広告の効果に違いがあるのでしょうか。今回は広告出稿データとアンケート調査のデータを用いて検証してみました。

2.本分析における「タイムCM」の定義

今回の分析においては、継続して番組にCM出稿した場合を想定し、タイムCMの定義を「当該の番組にクール(3カ月間)で9回以上OAされたもの」としました。分析は23年4-6月クールを対象とし、この期間にタイムCMとスポットCMの両方で出稿がある企業・ブランドをそれぞれ選定しました。
今回の分析で対象にした企業・ブランドと、条件に合致する提供番組、その番組でのCM接触者数は図表1の通りです。
また、タイムCM接触者は「当該番組のCM放送回数のうち1/3以上に接触した人」と定義しました。

対象企業・ブランドと各提供番組

3.CM接触別のブランドリフト調査について

テレビCMへの接触状況の違いによる態度変容を生活者意識から可視化するために、CM接触者のブランド認知や購入意向などの広告効果を確認するブランドリフトサーベイを実施しました。 今回のブランドリフトサーベイでは、インターネット調査を実施し、その結果をビデオリサーチ子会社のResolving LABの視聴ログからCM接触条件別の回答を集計・分析しました。
Resolving LAB視聴ログは、個人分離された約2,600万IDの推計個人でテレビ視聴実態を捉えています。一部のIDはデジタル広告識別子(ADID)等で外部データとの接続が可能です。これによりインターネット調査パネルと連携し、テレビCM接触の詳細別にブランドリフトサーベイの結果を確認しました。
ブランドリフト指標は「認知」「詳細認知」「好意」「興味関心」「詳細認知意向」「詳細理解」「購入意向」「購入経験」「次回購入意向」「推奨意向」で、それぞれ図表1の企業・ブランドA~Eについて調査しました。調査は23年7月14日~7月16日で実施、1,000サンプルの回答を得ました。

4.タイムCMとスポットCMの効果差

調査結果からタイムCMとスポットCMの効果差を確認しました。番組ごとにタイムCMのブランドリフトIndex(各タイムCM接触者のスコア÷スポットCMのみ接触者のスコア×100)を各対象番組A~Yで算出し、各企業・ブランド内で平均を作成しました(図表2)。タイムCM接触者とスポットCMのみ接触者のスコアが同じであればIndexの値は100となり、100よりも数値が大きい場合、タイムCM接触者の方がブランドリフト効果が高かったことを意味しています。

ブランドリフト指標は購買プロセスごとに「認知」「詳細認知」「好意」「興味関心」「詳細認知意向」「詳細理解」「購入意向」「購入経験」「次回購入意向」「推奨意向」の10項目について調査を行いました。これをみると、各企業・ブランドにおけるタイムCMのブランドリフト指標は、各指標のIndexの平均値はスポットCMのみ接触に対し135%であることがわかりました。
ブランドリフトを細かくみると、特に「意向」の指標でタイムCMがより高くなる傾向があり、ロイヤルティを意味する「次回購入意向」では全番組平均でもタイムCMは対スポット比で161%と目立ちます。

企業・ブランド別では、企業広告や保険のような直接的な購買に結び付きづらい商材カテゴリでより高いIndex値を示しました。企業・ブランドごとにIndexを細かくみると、商材カテゴリによってIndexがより高くなるブランドリフト指標が異なる点が興味深いです。

番組CM接触による効果

※企業Dの「次回購入意向」はIndexが高いためグラフ上で表現していません

5.タイムCMは「ミッドファネル」で高い効果

今回の調査結果から、以下のようなことが明らかになりました。

① タイムCMはスポットCMに比べて平均して135%高い効果が期待できる
② 特に「意向」をはじめとするミッドファネルで高い効果がみられる
③ 消費材・耐久材だけでなく、企業広告やサービス材では特に高い効果が出現する

テレビCMでも高いミッドファネル効果が得られる点は、テレビCMの活用用途がリーチに留まらないことを示しています。現在関心が高まっているファン化促進のコミュニケーション施策としても、番組提供は高い効果が期待できるといえるでしょう。

また昨今は番組提供だけでなく、放送局が展開するSmart AD Sales(スマートアドセールス)を用いることで、特定の放送局・時間帯で提供されるテレビCM枠を選定し、1本単位で購入することができるようになっています。これを用いて手軽に番組提供のような出稿プランを組むことができます。番組提供と同様の高い効果を狙うアプローチとして有用でしょう。

同じテレビCMでも、出稿の仕方によって効果が異なることは興味深い結果です。今後もこうした研究を継続してまいります。ぜひみなさまのコミュニケーションプランの参考にご活用ください。

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