【成功CM】独自性が直球で伝わる訴求でノンタレでも高評価~動画広告クリエイティブ評価事例集~
【この記事はこんな方にオススメ!】
✅広告効果が高いテレビCMの事例が知りたい方
✅タレントを起用しない広告の制作を検討している方
✅動画広告やコンテンツにかかわる業務を担当されている方
事例:アース製薬「マモルーム」寝る前に篇
広告は一般的に「タレントを起用したほうが効果が高まる」と言われています。
例えば、CM認知においては有名タレントを起用している場合、起用していない場合と比べ大きく認知があがることがデータでもわかっています。
一方、タレント起用のないいわゆる「ノンタレ」CMでも商品の良さを的確に伝え、生活者から好評を博した事例も多数あります。
本記事では、ビデオリサーチが保有する5000素材以上の動画広告クリエイティブ評価データベース「クリエイティブカルテ」より、ノンタレCMでの成功事例としてアース製薬の虫ケア商品「マモルーム:寝る前に篇」をご紹介します。
【メッセージ】独自性の高さを分かりやすく伝達
まず、CMを見て視聴者が「印象に残った」と感じた要素を見ていきます。
【図1】は、「マモルーム」CM(赤棒グラフ)と、他CMの平均値(グレー棒グラフ)を比較したものです。各要素の下に書かれている「S・A・B・C・D」の表記は、「マモルーム」CMと平均値を比較した"偏差値"となります。「S評価」は最も偏差値が高いことを意味し、「D評価」が最も低いことを示します。学校の成績表と同じように考えていただけるとわかりやすいでしょう。
一番左の「出演者やキャラクター」は当然ながらノンタレなので平均値の8分の1ほど、D評価と偏差値もかなり低いですが、特筆すべきは「セリフ・ナレーション」、そして「商品・サービスの機能や特性」の2要素です。
特に「商品・サービスの機能や特性」は最高ランクのS評価を獲得。スコアも28.3%と平均値の倍以上で、タレントの力が一切ない状態にもかかわらず、非常に高い結果となりました。
そして【図2】ではCM内で表現されたメッセージに対する受容性もまとめていますが、「独自性を感じる」が偏差値A評価、そして「わかりやすい」もB評価で平均を大きく上回るスコアを獲得しています。
「マモルーム」のCM素材は終始落ち着いたトーンで、就寝前のリビングや寝室に害虫の"予防空間"が作られていく映像に商品説明のナレーション、そしてテキストベースでの補足が1行だけ加えられています。 15秒しかない動画において、商品の魅力が多数ある中なるべくシンプルに情報を伝えることは意外と難しいものですが、このCMにおいては
- 部屋全体をゴキブリ予防してくれる
- 簡単にできる
ことを端的に表現できていることが、このような評価につながったものと推察されます。
【購買影響】口コミ意欲大で、効果的に利用喚起
SNSをはじめとする「拡散」も、広告効果としては重要な指標の1つです。 【図3】左、「人に話したい(SNSで拡散したい)」と回答した人の割合を示す「話題拡散」度を見ると22.2%とおよそ5人に1人が拡散意向を示していることがわかります。
【図3】右の「興味・関心喚起」度や「購入・利用喚起」度もA評価とハイスコアであり、自分で使ってみたいという気持ちだけでなく周囲と話題にしたい意欲も高まっており、商品USP(Unique Selling Proposition/Point)が的確に伝わった効果ともいえるでしょう。
なお、「マモルーム」ブランドの認識は少々弱かったようです(「ブランド識別」度はC評価)。本CMでは機能を丁寧に説明することに時間を割いており、商品名の表示/発言が少なかったことも影響していると考えられます。
【ターゲット比較】落ち着いたトンマナで女性支持◎
最後に、ターゲット別にCMの評価を見てみます。
【図4】は、「マモルーム」のCMにおける主要指標のスコアを男女で比較したものです。
「広告認知」率はほぼ同じですが、それ以外の指標はいずれも女性の方がスコアが高く、特にCMの「内容理解」度は15pt近く差がついています。
CM内に出演しているのも就寝している女性であり、「女性でも簡単に/安心して扱える」という印象が商品理解を深め、使ってみたい気持ち等を喚起させたのかもしれませんね。
動画広告のクリエイティブ評価を行いたいなら
今回はタレントを起用しない「ノンタレCM」の成功事例を具体的なクリエイティブ評価調査結果を用いてご紹介いたしました。
ビデオリサーチでは、このようなクリエイティブ評価をワンストップパッケージでご提供する「クリエイティブカルテ」をご用意しております。
調査後最短4営業日でレポーティング結果をお届けできる本サービスでは、これからはじまるテレビCM等の動画広告の効果検証だけでなく、過去に放送されたCMのストックレポートを取り寄せて「過去のよかった事例」もしくは「よくなかった事例」から今後への示唆を見つけ出すこともできますので、アイディア探しにもご活用いただけます。
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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「 クリエイティブカルテ」
・調査時期:2024年6月
・対象地区:関東
・ターゲット:15~69歳男女 540s
※各項目の判定基準:S=当該CMの偏差値が70以上,A=60以上70未満,B=50以上60未満,C=40以上50未満,D=40未満を示す