シリーズCMでCM認知率は〇倍に!単発CMとの効果差を確認
- この記事はこんな方にオススメ!
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- テレビCMや動画広告のクリエイティブ制作業務に携わっている方
- これからテレビCMの出稿を検討されている方
テレビCMのクリエイティブにおいて、「シリーズ性」はCMの印象を強め、ブランドの世界観を伝える方法として多くの企業で採用されています。
シリーズCMは継続的に展開されることから、単発CMよりも視聴者の記憶に残りやすくなると言われています。
では、シリーズCMは単発CMと比べて、どの程度CM認知率を押し上げる効果があるのでしょうか。
本記事では、2,500素材以上のテレビCMを統一フレームで調査し、蓄積した知見を1冊の"辞書"としてまとめたビデオリサーチ「クリエイティブカルテスペシャルレポート」より、シリーズCMによるCM認知率の押し上げ効果について探っていきます。
シリーズCM VS 単発CM、認知率はどのくらい違う?
シリーズCMの効果を確認するために、CMにおける「同一タレントの起用有無」と「シリーズ性の有無」の2つの要素を組み合わせ、以下4パターンに分類しました。
1.同一タレント・シリーズ性あり
過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと同じタレントが出演し、同じような雰囲気・トーンのCM
2.同一タレント・シリーズ性なし
過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと同じタレントが出演しているが、雰囲気・トーンが異なるCM
3.非同一タレント・シリーズ性あり
過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと違うタレントが出演しているが、同じような雰囲気・トーンのCM
4.非同一タレント・シリーズ性なし
過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと違うタレントが出演し、雰囲気・トーンも異なるCM
【図1】は4分類の出稿量(個人GRP)とCMの認知率の関係性を比較したグラフです。
例えば、1000GRPを出稿した場合、「同一タレント・シリーズ性あり」のCM認知率は平均43%、「非同一タレント・シリーズ性なし」は平均28%で、シリーズCMは単発CMに比べて約1.5倍のCM認知率を獲得しています。
また、同一タレントを起用していても、シリーズ性のあるCMとないCMでは平均6ポイントほどシリーズ性のあるCMのほうがCM認知率が高くなっています。
シリーズCMの成功事例
【図2】は、同時期に同程度の出稿量で放送された、シリーズCM(同一タレント・シリーズ性あり)「A」と単発CM(非同一タレント・シリーズ性なし)「B」のCM認知率を比較したグラフです。
出稿量はどちらも約700GRPですが、シリーズCM「A」のCM認知率は単発CM「B」の約2倍となっています。さらに、シリーズCM「A」は、「同一タレント・シリーズ性あり」の平均値(43%)を上回っており、シリーズCMの中でも特に高い認知率を獲得しています。
単発CM「B」は、過去にもCM出稿しているブランドですが、このCMには初起用のタレントが出演し、メッセージの伝え方や演出、音楽なども過去CMとは異なります。一方、シリーズCM「A」は、毎回同じ場所で同じタレントが登場し、様々なシチュエーションが描かれるCMとなっています。このシリーズは、統一されたストーリー展開、世界観で構成されており、継続的にCMが出稿されています。こうした一貫性のあるシリーズ展開によって累積効果が生まれ、視聴者は「このブランドのCMだ」と認識しやすくなっていると考えられます。
CMの認知を高めるには、タレントや音楽、世界観、メッセージなどを統一し、継続的に展開することが重要だと考えられます。
シリーズCMによる認知以外のKPI指標の効果を調べるには
今回はシリーズCMのCM認知率への効果を確認しました。
「クリエイティブカルテ スペシャルレポート」では、今後のCM制作やキャンペーンプランニングにお役立ていただけるような様々な情報をまとめています。
また、「クリエイティブカルテ」では、実際に貴社のCMの認知率やクリエイティブ評価をご確認いただくことが可能です。
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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「 クリエイティブカルテ スペシャルレポート」
・対象地区:関東
・調査対象者:関東在住15~69歳男女(中学生除く)
・対象素材:2021年~2024年に実施した約2,500本分のテレビCMクリエイティブ調査対象となったCM素材