新潟でテレビCMを500GRP出稿したらリーチは何%?~地方CM提案に役立つリーチ・フリークエンシー・GRPの試算事例~

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広告・マーケティング
#CM #CM出稿状況 #R&F Plus #ローカル局
新潟でテレビCMを500GRP出稿したらリーチは何%?~地方CM提案に役立つリーチ・フリークエンシー・GRPの試算事例~
この記事はこんな方にオススメ!
  • テレビCMを流すとどのくらいリーチ・フリークエンシーが取れるか試算したい方
  • 全国もしくは特定のローカル地区でテレビCMを出稿したい方
  • 客観的データに基づいた根拠ある提案を社内外に行いたい方

ローカルでCMを打つ際のリーチはどう設定する?

「ローカル地区でデータに基づいたプランニングを行ったことがないから、参考にできる情報がない・・・
「関東で500GRP投下したときのリーチを、ローカルでのプランニングにも流用して大丈夫かな?」
こんな疑問をお持ちになったことはないでしょうか。

関東地区での知見はネットや生成AIで検索すればすぐに見つかるほど豊富にありますが、地方では"数字で語る"ための知見やデータが相対的に少ないのが実情です。
とはいえ、広告を出すにあたりROI(投資対効果)など数字で語る提案が求められる場面は、地方でも増えつつあるとお聞きします。

そこで今回は、ビデオリサーチが提供するテレビCMプランニングシミュレータ「R&F Plus」を使い、ローカルエリアとして新潟地区を例に500GRPを投下した場合の「GRP・リーチ・フリークエンシー」をシミュレーションした結果をご紹介。

「ローカル地区での」「地上波民放局が4局以下での」CM提案・プランニングに直接役立つ情報をお届けします。

本記事で紹介しているサービス【R&F Plus】

リーチ・フリークエンシー・GRPとは

まず初めに、CMプランニングの際に必ず押さえておきたい専門用語について簡単にご紹介します。

■リーチ(%)...一定の期間内で、テレビCMに一度でも接触したことのある人の割合のこと。「到達」とも呼ぶ。
■フリークエンシー(回)...一定の期間内で、同一の人がテレビCMに接触した回数のこと。

たとえば、あなたが25年9月の1カ月間にビデオリサーチのテレビCMに3回接触した場合は、あなたは「リーチした」人であり、「フリークエンシーは3回」とカウントされます。

リーチを英語にすると「Reach」、フリークエンシーは「Frequency」です。この2つの指標は同時に利用されることが多いので、略して「R&F(アールアンドエフ)」と呼ばれることもあります。

そして、もう1つ重要な用語がGRPです。これは指標というより%や回と同じ"単位"の一種になります。

■GRP(Gross Rating Point)...ある特定の期間において、放送したテレビCMの「視聴率の合計」。

たとえば、視聴率が10%の「テレビ番組A」に1本、視聴率5%の「テレビ番組B」に1本、合計2本テレビCMを放送した場合、10+5=15GRP・・・という計算方法です。つまり、テレビCMを出稿する際、GRPがどのくらいあるか(持ちGRPがいくらか)によってどのテレビ番組内(近辺)にどのくらいの本数でテレビCMが放送できるかが変わってくる、ということです。

より詳しいカウント方法や、なぜリーチ・フリークエンシー・GRPの3つすべてが重要なのか?その理由は以下の記事解説がとても分かりやすいので、ぜひご参考にしてください。

テレビCMのリーチとフリークエンシーとは?視聴率やデジタル広告との違いについても解説
テレビCMのリーチとフリークエンシーとは?視聴率やデジタル広告との違いについても解説

テレビCM出稿で非常に重要な要素であるリーチとフリークエンシーについて、テレビ視聴率やデジタル広告との違い、基本的な知識から出稿プランに落とし込んだ場合の考え方を紹介しています。正しく理解できれば、広告効果を最大化できるので是非ご覧ください。

テレビCMのリーチとフリークエンシーとは?視聴率やデジタル広告との違いについても解説

【事例】新潟でのリーチを試算してみる

関東地区と新潟地区の違い

さて、ここから本題です。事例として、関東地区と新潟地区、2地区でテレビCMを出稿することになったと仮定します。

新潟地区のリーチ試算:関東地区と新潟地区の違い

図1は、2地区において同条件でCM出稿した際のR&F(リーチ&フリークエンシー)の違いをまとめたものです。出稿量は両地区ともに500GRP、他ターゲット(個人全体)や出稿パターン(コの字型)なども同一の場合、地上波CMの推定リーチは関東では71.8%に対し、新潟では77.0%新潟地区の方が推定5.2pt高い結果となりました。

他方、推定平均フリークエンシーは関東が7.0回に対し新潟は6.5回推定0.5回減っています。リーチが増えてフリークエンシーが減っている・・・つまり、端的に言えばこの事例では関東よりも新潟の方が「広く、浅くテレビCMが届く」ということです。

では、「広く、浅くテレビCMが届く」のはいいことなのでしょうか?これは、テレビCMの出稿目的や狙いによって変わってきます。

たとえばインパクトのある「1度見たら忘れられないだろう」と感じさせるようなCMクリエイティブを放送するのであれば、リーチを重視し、「広くテレビCMが届く」戦略をとるほうが効率的と考えられます。
逆に、「大事なことなので何度もCMにあたってもらい、強く記憶に残したい」といった場合は、フリークエンシーを重視し「深くテレビCMが届く」戦略をとる方が効果的でしょう。

このように、リーチとフリークエンシーは両方のバランスを見ながら出稿プランを立てていくことが大切です。

出稿パターンを変えると?

では、さらに具体的に、「どの枠でテレビCMを放送したいか」出稿パターンを変えて推定リーチ・フリークエンシーの違いをみてみます。図2は、「コの字型」と「全日型」の2パターンで比較しました。

新潟地区のリーチ試算:出稿パターンを変えると

「コの字型」というのは、縦に時間帯×横に曜日を並べた表を用意したとき、
・時間帯は「朝と夜が多め」
・曜日は「土日多め」
にCMを流すパターンのことです。狙いたい視聴者層が平日の昼間働いている人たちのときによく使われます。一方「全日型」は文字通り「全部の日(時)」に広くCMを流すパターンです。

新潟地区のこの事例における推定リーチ・フリークエンシーは「コの字型」→「全日型」に変えた場合、リーチは少し減るもののフリークエンシーは少し増えています。全日型の場合、放送時間帯の戦略としては主婦・主夫層に多くリーチしやすくなる方向性を目指す場合が多いです。
投下したいCMが訴求したいターゲットにあわせてさらに細かくリーチ・フリークエンシーを推定/比較してみることでより効果的な出稿パターンを見つけ、最適化をはかることもできそうです。

★出稿パターンは「コの字型」「全日型」以外に「ヨの字型」や「逆L型」もあります。詳しくはこちらで解説していますのでご参考ください。

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リーチの定義を変えると?

新潟地区のリーチ試算:リーチの定義を変えると

前述の通り、リーチを算出するうえでフリークエンシー=同一の人に何回CMをリーチさせたいかもあわせて考慮することは非常に大切です。そこで図3では、「3回以上リーチする割合」についても算出してみました。

結果は新潟地区・個人全体で500GRPをコの字型で出稿の場合、推定52.9%となりました。1回以上リーチする割合は77%だったので、言い換えるとこの77%のうち、24.1%(77.0-52.9)はリーチが1回または2回だということを意味します。

なお、推定に用いたビデオリサーチ「R&F Plus」では、1回リーチ者は〇%/2回リーチ者は〇%・・・と細かい推定リーチの算出も可能です。

他エリアでCM出稿する際の試算方法

本記事では新潟地区を例に、テレビCMの出稿パターンやリーチ回数別でのリーチ・フリークエンシーシミュレーション事例をご紹介しました。

プランニングシミュレータ「R&F Plus」を用いれば、他エリアや「F1層」「MF3層」といったターゲット別など多様なパターンでのシミュレーションが皆さまのお手元から簡単にできます。
経験や勘だけに頼らない、客観的なデータを用いたCMプランニングを行いたい方にご好評いただいております。ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にサービス案内資料をダウンロードください。
また、シミュレータツールのデモも行っております。実際にご自身の目で見て使い方のイメージなどを確認いただくこともできますので、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「R&F Plus
・対象エリア:新潟地区/関東地区
・集計条件:個人全体(4歳以上)における、500GRP/100本(平均視聴率5%)投下時における推計リーチ・フリークエンシー

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