ブラックフライデーCM、年々増加中~出稿タイミングから読み解く企業戦略【テレビCMトレンド動向】
- この記事はこんな方にオススメ!
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- 流通・小売業界の広告出稿動向に興味がある方
- テレビCM業界のトレンドが知りたい方
- テレビCMなどの広告が同業他社間でどのような違いがみられるのか知りたい方
2025年のブラックフライデーは11月28日(金)です。
今年も、この日に向けて各社が楽しいイベントや大規模なセールを企画し、そして、告知のための広告プロモーション施策を打っていることでしょう。
本記事では、だんだんと定着してきたブラックフライデーがテレビCMとしてどのような盛り上がりを見せているか?そして盛り上げるために各社どのような広告出稿戦略をとっているか、ビデオリサーチのテレビCMデータベース「テレビ広告統計」をもとにトレンドを読み解いてみます。
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ブラックフライデーCM出稿企業は増加傾向
2020年、新型コロナウイルスの影響で、外出を伴うイベントごとはプロモーション施策の自粛が余儀なくされました。その後徐々に外出制限が解除され、2022年3月には通称「まん防(まん延防止等重点措置)」が終了しています。そこで【図1】では、制限のなくなった2022年以降のブラックフライデー関連テレビCM出稿企業数をグラフ化しました。
*CM内容またはコメントで「ブラックフライデー」もしくは「BLACK FRIDAY」のテロップ表示があるものを機械的に抽出
グラフを見ると、2022年は6社だったのが2024年には16社まで増加。リアルイベントも活況となっており、2025年にはさらにCM出稿が増えそうですね。
2024年の出稿CMを見てみると
ここからは、さらにブレイクダウンしてテレビCMを出稿した広告主企業についてみていきます。
【図2】は、2024年にブラックフライデー関連のテレビCMを出稿した企業の一部について、期間中のCM出稿秒数をまとめたものです。
出稿秒数の多寡から、その動向は大きく4つに分類できそうです。
1.出稿量かなり少なめ(オンデーズ、ビッグウッド)
2.出稿量やや少なめ(青山商事、ビックカメラ)
3.出稿量やや多め(TUISS DÉCOR、イオン)
4.出稿量多め(三井不動産ららぽーと)
この出稿の違いは、どのような背景から変わってきているのでしょうか。ブラックフライデーに絡めて訴求したいセール期間も踏まえてさらに深堀りしてみましょう。
ブラックフライデーの"何日前"からCMを流す?
【図3】では、【図2】で出稿総量が分かった広告主企業がいつからいつまでCMを出稿していたか、日別にグラフ化しました。
いずれの企業も10月以前/12月以降の出稿は見られず、11月の中でのCM投下となっています。
例えば通販専門のオーダーメイドカーテンを取り扱う「TUISS DÉCOR」は、11月8日~30日まで長期間にわたりうすく、長く出稿しています。特徴的なのは、9日、16日、23日と土曜日の出稿が多い点です。購入時の金額的メリットのあるキャンペーンが行われていたか、もしくは週末にかけて購入する人が多いと見込んでいたか、といった可能性があげられそうです。
また、「青山商事」は、11月15日より段階的にブラックフライデーセールが始まり、終了したのが12月6日だったようです(CMクリエイティブ内に「12月6日まで」とテロップ記載あり)。比較的セール期間が長かったといえますが、CMの出稿は11月14日~24日と短く、ブラックフライデー本番である11月29日よりも早く終了しています。
スーツという比較的高価格帯の商材を扱っていることから、CMによる集客を早めて顧客を囲い込むといった考えがあったのかもしれません。
そのほかの企業も、特徴的な出稿が多く見られました。
このような広告分析を行うことで、各社がどのような意図をもってCMを流していたか、企図するものが浮かんでくるのではないでしょうか。
他社のCM出稿動向を調べるには
いかがでしたか。
本記事ではブラックフライデーに関するテレビCMを出稿している企業を取り上げましたが、ビデオリサーチでは任意の企業や銘柄の広告出稿量を調べるサービス「広告出稿量レポート」もご提供しております。
今回は2022~2024年までの過去のブラックフライデーの広告出稿についてまとめましたが、2025年の最新動向を分析することももちろん可能です。各社の動向や競合他社の出稿トレンドをおさえることで、貴社の効果的なメディアプランニングにお役立ていただけましたら幸いです。
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【本記事で紹介したサービス】
データソース:ビデオリサーチ「テレビ広告統計」(関東地区)
対象期間:2022年~24年の各8月~12月
広告種類:番組CM+スポットCM