平成から令和 「改元」から見るテレビCM

宮﨑 拓志
テレビ事業局テレビ事業計画部
宮﨑 拓志
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先日、平成30年間のCM出演タレントランキングを発表し、上戸彩がトップに輝いたことを紹介しました(プレスリリースはコチラ)。

併せて、広告主や商品ジャンルごとにまとめた平成のテレビCMの記事もコチラで紹介しています。
このように、当社では広告データを用いて平成を振り返り、いくつかのデータを紹介してまいりましたが、いよいよ5月1日令和元年がスタートしました。「改元」は、CM出稿にどのような変化を及ぼしたのか、改元のタイミングに出稿されたCMにフォーカスしながら、動向をみていきます。

その前に、30年前の1989年、昭和から平成への改元時のCM出稿状況をおさらいします。

昭和→平成 CMは丸2日の自粛を経て再開
昭和64年1月1日~平成元年1月14日までの2週間のCM出稿状況を表したのが【図表1】です。昭和から平成へ、月の途中で元号が切り替わることになった1989年、昭和天皇が崩御された1月7日の早朝以降各局でCMの出稿が止まり、そのままCMが1本も流れない中で新元号(1月8日)がスタートしました。徐々に出稿量を戻していくのはその翌日の1月9日からとなります。昭和と平成をまたぐその2週間において、自粛を経ての再開の中で目立ったのが『ACジャパン』の出稿量の多さでした。他に、『学生援護会』『二光』『三貴』など当時ならではの広告主の出稿が確認できました。

ちなみに昭和最後のCMとなったのは『ホテルニュー岡部』(1月7日6時44分 テレビ東京)で、その後丸2日空いた後、平成になって最初のCMは『シード コンタクトレンズ』(1月9日6時00分 フジテレビ)と記録されています。
では、今回平成最後の日となった2019年4月30日最後に流れたCM、及び新元号最初の日である5月1日に初めて流れたCMは何だったのでしょう?

【図表1】 昭和→平成 切り替わり前後1週間ずつにおける日別CM出稿量
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平成→令和 平成最後のCM、令和最初のCMは?
当社のCM速報では、OA翌営業日には前日のCM出稿状況をクイックに確認することが可能です。CM速報で確認できた平成最後のCMは、『アパグループ』(4月30日23時55分 フジテレビ)でした。アパホテルグループのアイデアコンテストを訴求する内容で、偶然にも昭和最後と同じホテル業のCMが平成最後となっています。
令和最初のCMは『明治 プロビオヨーグルトR1』(5月1日0時12分 テレビ東京)でした。「令和元年・R1の幕開け」をキャッチコピーに、令和時代の幕開けを祝うCM内容です。

4月1日の新元号発表から、SNSを中心に令和元年を表す「R1」に文字って同商品に対する注目が集まりました。明治もSNSでの盛り上がりを受け、平成最後となる4月30日夜には、「もうすぐR1」をキャッチコピーにしたCMも放送。それにつなげる形で平成→令和またぎで放送したCMが、令和最初のCMとなりました。このCMは局別に見た場合でも、日本テレビ、テレビ東京、フジテレビの3局でそれぞれ各局の「令和最初のCM」となっています。

昭和から平成への切り替わりでは、CMの自粛が発生しましたが、平成から令和においてはCM出稿量に変化はあったのでしょうか。10連休となったGWを含む2週間(平成31年4月24日~令和元年5月7日)の出稿状況を表したのが【図表2】です。今回は改元時においてCM出稿量に大きな変動は発生していません。

【図表2】 平成→令和 切り替わり前後1週間ずつにおける日別CM出稿量
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広告主別にみると平成と令和をまたぐ2週間においては、『グーグル』『アマゾンジャパン』など30年前には見られなかったインターネット系企業の出稿が多く確認されています。

この1ヶ月で出稿した『令和』というキーワードを含むCM
30年ぶりとなる元号の切り替わりは、CMクリエイティブに与える影響はあったのでしょうか。当社広告統計データでは、出稿された全てのテレビCMの内容について、表示された文字テロップと、流れたナレーション音声をテキスト化したメタデータを保持しています。

【図表3】では、2018年1月~2019年3月において、ナレーションに「平成」ワードを含むCMの出稿量を月別に集計しました。平成最後の年末(18年12月)には「バンダイ」が"平成最後のクリスマス"、『JRA』が"平成最後の有馬記念"という表現を使って出稿量を増加させています。また、新元号発表直前となった3月でも『Yahoo』の全国統一防災模試CMでの"平成は災害の時代"という表現や、『高島屋』『楽天ICHIBA』の"平成最後のセール告知"により出稿量が大きく増加しています。

【図表3】 平成最後の1年間においてナレーションで「平成」を含むCM月別出稿量
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そして、2019年4月1日11時40分ごろの新元号「令和」発表以降、最も早く「令和」というワードを使ったCMを出稿したのは『カルビー じゃがりこ』でした。4月8日から出稿開始し、カルビーの70周年を訴求する内容でCMのラストに「令和」と文字テロップが出ます。

【図表4】では平成31年4月1日~令和元年5月6日において「令和」及び「平成」というキーワードを含むCMの出稿量推移を表しました。10連休初日となる4月27日(土)以降、『ビックカメラ』、『イオン』などのGW商戦CMにおいて「令和」を含むCMの出稿が急増。ちょうど、令和元年初日となる5月1日には、令和CMが平成CMの出稿量を逆転しました。このように、世の中の動きや変化がCMの出稿に、ビビットに影響することがわかります。

【図表4】 平成最後の1か月→10連休中におけるキーワード「平成」「令和」を含むCM出稿量
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いよいよ始まった令和時代においても、広告統計データを皆さまにご利用いただき、データの蓄積を通じて、時代のトレンドや変化について分析、確認の結果を発信していければと考えています。

※集計結果は全て関東地区民放5局・スポンサードCM
 2019年4月1日以降のデータについては、確定前の速報データを使用して集計

※『テレビCM速報』について
今回の集計ではテレビ広告統計の日報サービスである『テレビCM速報』を利用しています。 この『テレビCM速報』は最速で放送翌営業日10:00のタイミングでご提供します(2019年5月現在)。
また、データはより手軽にご利用いただけるよう、指定銘柄(商品・サービス等) 単位でのご提供としております。
オンエア翌日に出稿状況が確認できるという特長により、キャンペーン開始直後の出稿時点レベルでのGRP管理、さらには競合社・競合ブランドの動きを出稿量(到達量)含めて、いち早く把握することが可能となります。
サービスの紹介ページはこちら


※CM速報の全国拡大について
当社の「テレビCM速報」は、従来関東・関西・名古屋・北部九州・札幌の5地区において、CMがオンエアされた翌日に各種情報(放送局・放送日時・CM秒数・GRP)を広告主・銘柄・素材別でご提供してまいりました。

2018年4月から、これまでの5地区から全国規模(ビデオリサーチ視聴率サービスエリアの27地区対応)に拡大し、日本で初めて全国27地区でのテレビCM出稿状況を分析することが可能となります。

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