コンテキストのマッチングを可視化する「TVCMマッチメーカーズ」はじめました

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広告・マーケティング
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コンテキストのマッチングを可視化する「TVCMマッチメーカーズ」はじめました

この度、テレビコンテンツのコンテキストマッチングが行えるオリジナルサービス「TVCMマッチメーカーズ」をローンチしました。本サービスでは、番組とCM、番組と番組など、コンテンツとコンテンツの相性=コンテキスト(文脈)のマッチ度合いを、AIや自然言語処理技術を用いて 「マッチスコア」として定量的に表現することを可能にしました。放送局・ 広告会社・広告主の皆さまのメディアプランニングやマーケティングアクションの精度を高めることにお役立ていただけます。

「TVCM マッチメーカーズ」とは

「TVCMマッチメーカーズ」は、テレビ番組やCMが持つ「コンテキスト(文脈)」に着目したサービスです。デジタル広告では、古くからコンテキストターゲティングという手法が使われていました。昨今、3rdPartyCookie の問題等から、Cookie に依存しない広告配信手法として再び注目を集めています。これはWEBページ上のテキストを解析し、コンテンツに合った広告を配信できる技術です。
この考え方をテレビにも応用したものが、このサービスとなります。

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テレビ番組やCMなどの「コンテンツ」の「コンテキスト」に着目する意味

ビデオリサーチは視聴率を始めとして様ざまなメディア、特にテレビメディアの価値を示し、クライアントのマーケティング活動や、ビジネスの成長をお手伝いしてきました。
しかし、昨今では、あらゆる業界のデジタライゼーションが進み、テレビを中心とするマスメディアにおいても、様ざまなデータと、それを用いた価値の描き方が生まれています。視聴率は、すごく単純化すると、テレビを誰がどれくらい見たかという量的な指標です。

一方で、コンテンツの質的評価指標のニーズも常にあります。当社には「番組カルテ」というデータがあり、番組好意度などを指標化していますが、これも質的指標の一つです。質的指標や評価は、数多く研究・提供されているものもありますし、当社でも引き続き注力すべき領域と考えています。なぜなら、デジタル化の進んだ環境下では、コンテンツ視聴チャネルのフラグメンテーションが進んでおり、コンテンツそのものの価値をどう示すかがとても重要になるからです。

一般的な質的指標は、誰がどのように感じたか、「人」が起点になっています。例えば、F1層が高く評価する番組と、M3層が高く評価する番組の傾向は、確かに異なります。もちろん今後もこの視点はなくなりませんが、生活者が多様になり、1人が何色もの顔を持つようになった時代に、「人」を起点としたターゲティングの限界や弊害が生まれてきているのではないか。ターゲットだけでない、「コンテンツ」そのものに着目した軸も必要と考えました。

今回、サービス開発を始めるにあたり、当社ではひとつの仮説を立てました。

[ 仮説 ] このコンテンツのファンは、同じようなコンテキストであれば、この広告も好きになるのでは?

コンテンツを分解するといくつかの要素に分けることができます。出演者、内容、使われている音楽、文字情報など、そしてそれらを複合的に繋ぎ合わせたものがコンテンツです。この繋ぎ合わせたものは、コンテンツのストーリーとも言えるし、文脈=コンテキストとも言えます。

それぞれのコンテンツが持つコンテキストがマッチしていれば、お互いの情報を受け入れやすくなる、つまりマーケティング効果も高まると考え、テレビコンテンツに応用できるようにしたものが、ビデオリサーチのコンテキストマッチングサービス「TVCMマッチメーカーズ」です。

ビデオリサーチの新指標「マッチスコア」

「TVCMマッチメーカーズ」では、テレビ番組やCMにおける「コンテキスト」をコンテンツの構成要素、例えば出演者や内容などといったいくつかの要素による関係性と定義しています。そしてコンテキストがマッチしている状態とは、それらの構成要素の共通性が高い状態と定義し、その度合いを定量化・指標化しました。それがこのサービスで提供する新指標「マッチスコア」です。

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コンテキストがマッチしている具体例として、例えばテレビ番組に A というタレントが出ていて、その後に流れるCMに同じAさんが出演しているといった例は誰が見ても分かりやすいですが、出演者だけでなく、カフェで飲み物を飲んでいるシーンといった、テレビ番組やCMのシーン・場面設定やそこに登場しているものなど、様ざまな構成要素も加味して共通性を算出します。スコア算出に用いるデータには、それぞれのコンテンツの詳細かつ大量のメタデータに加え、当社で長年蓄積してきた調査データによるコンテンツ評価指標、視聴した際の印象である視聴感などの項目も含めています。

これらの複雑で膨大なデータからスコアを算出するために、当社では、AIや自然言語処理の技術を用いた「TVCMマッチメーカーズエンジン」(特許取得済)を開発しました。これにより、「マッチスコア」を算出することが可能となりました。

「TVCM マッチメーカーズ」の使い方

本サービスは、お手元で集計が可能なサービスアプリの提供、個別課題での分析やレポーティング、また、お使いのシステムに連携するなどでもご利用いただくことが可能です。主なユースケースとしては、テレビCMを流したい、広告枠を売りたいといった放送局・広告会社・広告主の、以下のようなシーンでの活用を想定しています。

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「マッチスコア」が高いほどマーケティング効果は高まる

そもそもコンテキストがマッチしているとどのような意味があるのか、本当にマーケティング効果が高まるのか、当社が独自でブランドリフトサーベイを実施した結果、コンテキストがマッチしているTVCMに接触した生活者の方が、興味関心・購入意向といったブランド関与指標がより高まることが確認できています。

テレビメディアは、多くの生活者に圧倒的に早く同時にメッセージを届けることができるメディアです。さらに、コンテキストを加味したプランニングを行うことで、マーケティングファネルにおけるミドルファネル部分の効果を高めることができるのではないかと考えます。

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テレビメディアの新しい価値証明の切り口を目指して

現在、当サービスや「マッチスコア」を広く使っていただくための各種スキームを用意しています。また同時に、品質の向上を継続的に行っています。放送局のご協力もいただきながら、コンテンツのマッチスコアを算出する材料となるメタデータをさらに拡充し、計算ロジックの改良を行っています。AIで出した計算結果は肌感に合わない、説明がしづらいといった声があがることもありますが、皆さまのフィードバックを得ながら、改良を続けています。

ただ最も大事なのは、このサービスが、テレビメディアの新しい価値を示すひとつの切り口となって、これまで気づいていなかった新しい価値の発見や、生活者に適切に情報が届けられる一助になり、その結果、テレビビジネスに関わるメディア、企業の皆さまのビジネス拡大にも繋がることだと考えています。
そのためには、このサービスを広く使っていただくことが必要です。サービスアプリのご利用はもちろん、このサービスのコアとなる「TVCM マッチメーカーズエンジン」は、外部のサービサーとのAPI連携も可能です。

当サービスのご利用、また当APIを活用したサービスやアプリ開発に興味がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

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