プロ野球チーム 地元での人気はいかに!?地元別人気ランキング!

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プロ野球チーム 地元での人気はいかに!?地元別人気ランキング!

あなたには、つい熱を入れて応援してしまうプロ野球チームはありますか? その推しになった理由は、地元だから、魅力的な選手がいるから、強いから、家族や友人の影響があったから...と、人の数だけ物語があります。

本記事では、NPB12球団それぞれの本拠地エリアに住む人々に着目し、地元チームがどれほど支持されているのか=地元ファンの厚みにフォーカスします。地元でどの程度の支持を集めているのかを、「ACR/ex」(※1)のデータにもとづいて読み解いていきます。

本記事で紹介しているサービス【ACR/ex】

(※1)「ACR/ex」の調査エリアは以下の7地区と、そこを本拠地としているチーム

・札幌地区:北海道日本ハムファイターズ(以下 日ハム
・仙台地区:東北楽天ゴールデンイーグルス(以下 楽天
・関東地区:読売ジャイアンツ(以下 巨人
      東京ヤクルトスワローズ(以下 ヤクルト
      横浜DeNAベイスターズ(以下 横浜ベイスターズ
      埼玉西武ライオンズ(以下 西武ライオンズ
      千葉ロッテマリーンズ(以下 ロッテ
・名古屋地区:中日ドラゴンズ(以下 中日
・関西地区:阪神タイガース(以下 阪神
       オリックス・バファローズ(以下 オリックス
・広島地区:広島東洋カープ(以下 広島カープ
・北部九州地区:福岡ソフトバンクホークス(以下 ソフトバンクホークス

(※1)「ACR/ex」の調査エリアは以下の7地区と、そこを本拠地としているチーム

・札幌地区
 北海道日本ハムファイターズ(以下 日ハム
・仙台地区
 東北楽天ゴールデンイーグルス(以下 楽天
・関東地区
 読売ジャイアンツ(以下 巨人
 東京ヤクルトスワローズ(以下 ヤクルト
 横浜DeNAベイスターズ(以下 横浜ベイスターズ
 埼玉西武ライオンズ(以下 西武ライオンズ
 千葉ロッテマリーンズ(以下 ロッテ
・名古屋地区
 中日ドラゴンズ(以下 中日
・関西地区
 阪神タイガース(以下 阪神
 オリックス・バファローズ(以下 オリックス
・広島地区
 広島東洋カープ(以下 広島カープ
・北部九州地区
 福岡ソフトバンクホークス(以下 ソフトバンクホークス

1.地元ファンが多いチームはどこ?ランキングTOP3

【図1】地元人気チームランキングTOP3
■データソース:ACR/ex
(調査時期:2025年4-6月調査回 調査対象:それぞれに居住する男女12~69歳の個人 )

(図1)では、各エリアの居住者に好きなプロ野球チームを挙げてもらい、そのスコアをランキング化しました。そのうち、最も値が高い=地元で最も支持を集めるチームを黄色くしています。ここからは、それぞれの球団がなぜ地元で愛されているのか、その背景を地元人気(支持)の高い順に見ていきます。

第1位 広島東洋カープ65.3%― 市民球団が生む圧倒的支持

12球団の中で地元支持が最も厚かったのは広島東洋カープ。地元の約7割がカープファンで、その突出ぶりが際立ちます。ここまでの集中は他地区には見られず、広島=カープと言えるほどの一体感がうかがえます。

カープは親会社を持たない全国でも珍しい市民球団。本拠地のMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島はズムスタの愛称で親しまれ、"カープ女子"のブームに象徴されるように、性別や世代を超えて球場に足を運ぶ文化が根づいています。こうした地域密着の積み重ねが、圧倒的な地元人気を生んでいると考えられます。

新井貴浩監督が2023年就任し同年2位。2024年は8月末まで首位争い→9月に失速して4位、2年連続でCSを逃しました。

第2位 北海道日本ハムファイターズ54.6%― 新風と発信力で支持拡大

地元支持が2番手となったのは北海道日本ハムファイターズ。地元で5割強の支持を得ているほか、仙台・関東・名古屋エリアでも上位に入り、東日本を中心に広くファンを獲得している様子がうかがえます。

2022年にはBIGBOSSこと新庄剛志氏が監督に就任。現役時代の「新庄劇場」で知られるエンタメ性も相まって、チームの再建と新しい魅力づくりへの期待感が地元でも高まっています。

2023年に新球場ES CON FIELDが本格稼働。2024年は2位でCSファイナル進出もソフトバンクに敗退しました。

第3位 福岡ソフトバンクホークス51.8%― 九州密着が生む一体感

3番目は福岡ソフトバンクホークス。地元では過半数の支持を集め、他地区では広島エリアで2位に入るなど、西日本を中心に存在感を示しています。

2016年の熊本・大分地震を機に立ち上げた復興支援プロジェクト「ファイト!九州」をはじめ、九州各地を元気にする取り組みを継続。来場者プレゼントとなる九州の魅力をモチーフにしたオリジナルユニフォーム配布や、選手による「ファイト!九州応援大使」活動、伝統工芸とのコラボ商品など、地域に根差した発信を続けています。こうした地道な活動が、地元での厚い支持につながっているといえるでしょう。

2024年パリーグ優勝(91勝)。小久保裕紀監督の1年目で快走し、CSファイナルで日本ハムをスイープ→日本シリーズ進出するもDeNAに2勝4敗で敗れました。

第4位 東北楽天ゴールデンイーグルス46.6%― 復興と共に築いた地元基盤

第4位の楽天は、地元で約5割近くの支持を得ています。大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併を経て2004年に誕生した、12球団で最も歴史の浅い球団ながら、短期間で地域に深く浸透してきました。

その背景には、東日本大震災以降に続けてきた復興支援の取り組みがあります。「がんばろう東北」を掲げ、選手や球団が地域に寄り添ってきたことが、東北の野球ファンの拡大を後押ししたと考えられます。

2024年4位。交流戦初優勝も終盤失速。今江敏晃監督が退任し、三木肇が新監督就任(2024年10月発表)しています。

総じて、どのエリアでも地元球団の人気は高く、とりわけ広島・日ハム・ソフトバンク・楽天の4球団は、熱烈な支持と地域密着の度合いが際立つ結果となりました。

本記事で紹介しているサービス【ACR/ex】

2.地元以外で支持を広げる球団

【図2】地区別人気チーム上位3
■データソース:ACR/ex
(調査時期:2025年4-6月調査回 調査対象:それぞれに居住する男女12~69歳の個人 )

続いて、各エリアの上位チームの中から地元以外でも支持を集めた3球団に注目し、その要因を探ります。

第1位 読売ジャイアンツ(巨人軍)(関東 セ・リーグ)本拠地以外の5地区でランクイン

読売ジャイアンツ(巨人軍)は本拠地の関東に限らず、札幌・仙台・名古屋・関西・北部九州の5地区でも上位にランクイン。ファンが特定の地域に偏らず、全国的に広がっている点が特徴です。

とりわけ関西地区での存在感は注目に値します。阪神の宿命のライバルである巨人が、関西でも一定の支持を得ているというのは興味深い結果と言えるでしょう。

長嶋茂雄氏や王貞治氏をはじめ、数々のレジェンドが紡いできた長い歴史と記録が、世代や地域を超えて支持される土台になっていると考えられます。

2024年は4年ぶりセ・リーグ優勝。新任の阿部慎之助監督(就任発表は2023年10月)が就任1年目でペナント奪回。CSファイナルはDeNAに第6戦で敗退し日本シリーズ進出はなりませんでした。

第2位 阪神タイガース(関西 セ・リーグ)4地区ランクイン

「阪神=関西」のイメージが強い一方で、札幌や広島といった地元外の4地区でも人気を集めています。

阪神ファンの結束力を支えているのが独特の応援文化。NPB(日本野球機構)から特別応援許可を受ける「阪神タイガース応援団」が全国で11団体にのぼるなど、組織的な応援活動が各地で根づいています。こうした濃密なファンコミュニティの存在が、他地域でも支持を広げる要因になっているのでしょう。

2023年日本一(38年ぶり)。2024年はCSファーストでDeNAに連敗で敗退。岡田彰布監督は2024年限りで退任と報道。2025年からは藤川球児監督が就任しています。

第3位 北海道日本ハムファイターズ(北海道 パ・リーグ)2地区ランクイン

「2地区でランクインしたのが北海道日本ハムファイターズ。元々が東京の球団で東日本を中心に、また北部九州でも一定のファン層が確認できます。

阪神ファンといえば、伝統的に球団に対する愛着やファン同士の連帯感が強いといわれてきましたが、この連帯感を作り出しているのはなんといっても"応援"ではないでしょうか。

人気拡大の一因として挙げられるのが、応援ダンサーによるきつねダンス。SNSを通じて広まり、球場外でも話題化しました。さらに「2022ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10に選出されるなどのトピックも、地元外でのファン獲得を後押ししたと考えられます。

3.【関東エリア】一都三県の人気チームランキングTOP3

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■データソース:ACR/ex
(調査時期:2025年4-6月調査回 調査対象:それぞれに居住する男女12~69歳の個人 )

最後に関東エリアを詳しく見ていきます。東京には読売ジャイアンツ(巨人軍)と東京ヤクルトスワローズ、神奈川に横浜DeNAベイスターズ、千葉に千葉ロッテマリーンズ、埼玉に埼玉西武ライオンズと、仕事帰りでも足を運べる距離に5球団が集積しています。

(図3)は、一都三県に居住する人を対象に好きなチームを聞いた結果です。

まず目を引くのは読売ジャイアンツ(巨人軍)の強さ。本拠地の東京に加え、埼玉でも最も高い支持を獲得し、本拠地を持つ西武を上回りました。長い伝統と数々の記録が、一都三県での揺るぎない人気につながっているといえます。東京ヤクルトスワローズも三県すべてで3位以内に入り、広く浸透していることがわかります。

一方、神奈川県では地元の横浜DeNAベイスターズが首位に。背景には、球場の再定義があります。従来の「試合を観る場所」から、野球に詳しくない人でも一日楽しめるエンターテインメント拠点――通称ハマスタへと進化させました。

加えて、球場内外でファン参加型の企画を展開。たとえば試合の合間にグラウンドで行うオフィシャルパフォーマンスチームVS観客のリレー競走では、観客が勝利するとドリンク割引やグッズ抽選などの特典が用意されています。オフシーズンには、まちづくりの一環として『BALLPARK FANTASIA』(2020年~)を開催し、ハマスタを起点に街に賑わいを生み出しています。

今回は「ACR/ex」のデータをもとに、プロ野球の地元人気を可視化しました。「ACR/ex」なら、野球に限らず各スポーツの市場動向やターゲット特性もデータで把握できます。

他に詳しいデータや分析等の事例もございますので、ご要望の方はお気軽にお問合せください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2025年4~6月
・対象地区:全7地区(※1)
・ターゲット:男女12~69歳の個人

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