10年前と違う?データで読み解く「自分に自信がある人」の特徴
- この記事はこんな方にオススメ!
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- 自己肯定感や自信がある人の意識や行動に関心がある方
- 生活者意識や、その変化に関心がある方
「自己肯定感」「自信」への注目の高まり
近年、「自己肯定感」や「自信」というキーワードが注目を集めています。SNSや書籍など、さまざまなメディアで「自分を肯定する力」が重要であるといった話題を目にする機会が増えました。
では、実際に「自分に自信がある」と答えた人たちは、どのような特徴を持っているのでしょうか?
今回は、50年以上にわたり日本の生活者の意識動向を調査し続けているビデオリサーチ「ACR/ex」より、「自分に自信がある」と答えた人の2014年と2024年の調査結果を比較してみました。
10年前と比べて若年層女性で「自分に自信がある人」が増加
図1は、2014年と2024年の「自分に自信がある」と答えた人を、性年代別にみたグラフです。
まず2014年をみると、男性60代が50.0%で最も高く、2人に1人は自分に自信を持っていることが分かります。最も低いのは女性10代の18.2%で、2割に満たない結果となっていました。また、全年代において女性より男性のほうが自分に自信がある割合が高く、男女ともに年代が上がるにつれて自信をもっている人の割合が高くなる傾向があると言えます。
続いて2024年をみると、男性では60代が40.7%、10代が32.5%と高く、女性では10代の29.4%が最も高い割合となっています。女性を詳しくみると10代が最も高く、それに比べて20代から40代では5pt程度低く、50代、60代でまた少し上昇するというU字を描くような傾向が表れているのも特徴です。
さらに、2014年と2024年を経年で比較すると、男性50代で38.1%→27.2%(-10.9pt)、男性60代で50.0%→40.7%(-9.3pt)と大幅に減少している一方、女性10代では18.2%→29.4%(+11.2pt)と大きく上昇しています。
また、2014年では高齢層が最も自信がある傾向でしたが、2024年ではその傾向が弱まり、年代による差が縮小していることも特徴です。
「自信がある人」は一貫して自分らしさを大切にする価値観をもっている
では、自分に自信があると回答した人は、どのような生活意識をもっているのでしょうか。2014年と2024年を比較してみましょう。
図2は、2014年と2024年において「自分に自信がある」と回答した人の意識項目結果の中から、調査年ごとに割合の高かった上位5項目を示しています。
どちらの年も最も高かったのは「自分らしくいられるものを身に着けたい」(2014年93.6%、2024年90.9%)でした。また、「お金はかけなくても、センスのいいものを身に着けたい」(2014年91.0%、2024年87.4%)、「『ワーク・ライフ・バランス』のとれた生活をしたい」(2014年89.6%、2024年89.4%)といった項目もどちらの年でも上位に入っていました。このことから、自分に自信がある人は10年前も現在も、自分の身に着けるものや生活に意識が向いており、"自分らしさ"を大切にしている傾向があると読み取れます。
また、「家族とのコミュニケーションを大切にしている」が2014年で4番目に高い結果でありながら、「自分の生活が他人に踏み込まれるのはいやだ」(2014年87.7%、2024年86.9%)がどちらの年でもランクインしています。「家族とのコミュニケーションを大切にしている」は、2024年では上位5項目には入りませんでしたが82.3%と高い水準の割合であり、自分に自信がある人は家族など近しい人とのコミュニケーションには好意的だが、関係性の薄い他者とは一定の距離感を保ちたいと考えていると読み取れます。
上位5項目がほぼ同様の傾向であることから、「自分に自信がある人」は10年前も現在も自分らしさを大切にし、人との適度な距離感を重視している人、と言えるかもしれません。
10年前と比べて、柔軟に考えを変えつつ理想の姿に向けて努力する傾向
では反対に、10年間で"変化した意識"はどのようなものなのでしょうか。
図3・図4は、2014年から2024年で「自分に自信がある」と答えた人の意識に特に大きな変化があった項目を抜粋したものです。以下( )内は2014年との差分です。
図3では、お金や仕事などライフスタイルに関連する項目で特に変化があったものについて、2024年の割合が高い順に示しています。
「資産運用に関心がある」60.5%(+24.5pt)、「転職・転業はいとわない」53.8%(+8.6pt)、「結婚という形式にとらわれない生き方に共感する」51.5%(+15.7pt)などは、近年、社会的にも変化してきている意識と言えます。自分に自信がある人は時代や価値観の変化を積極的に受け入れていると言えるのではないでしょうか。
また、図4は美容・勉強に関する項目で10年前と比べて変化が大きかったものを、2024年の割合が高い順に示しています。
図4からは、「肌の手入れに気を配っている」54.4%(+8.3pt)、「ボディケアに気を配っている」46.7%(+10.8pt)、「美容には気を使うほう」39.1%(+9.8pt)など、自分に自信がある人は見た目に気を配る割合が高まっていることが分かります。さらに、「資格取得の勉強をしている」も31.1%と2014年から8.8pt上昇していることから、見た目に限らず"自分はこうありたい"という姿があり、それに向かって努力しているという特徴もあると言えるかもしれません。
これらの結果から、現代の自分に自信がある人は時代の変化に対応した価値観を持っており、自分自身に気を配っているという特徴があると考えられます。
「自分に自信がある人」ってどんな人?
本記事では、「自分に自信がある」と答えた人の特徴を、10年前のデータと比較することで明らかにしました。
10年前と比べると、「自分に自信がある」と答えた人が男性50代、男性60代で減少する一方で、女性10代で大きく増加していることがわかりました。また、意識面では、一貫して自分らしさを大切にしつつも時代の変化に対応した価値観をもち、他人との距離感の取り方を含め"自分自身に気を配っている傾向"が確認できました。
SNSの普及などにより人と比べてしまうことが多い時代です。そんな時代だからこそ、自分に気を配り、自分を磨くことで自分への自信をもつことができるのかもしれません。
「ACR/ex」では、20万項目にもおよぶ膨大なデータベースから生活者の時系列での年代意識変化を自由に調べることができます。
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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex」
・調査時期:2014年4~6月、2024年4~6月
・対象地区:東京50km圏
・ターゲット:12~69歳男女のうち「自分に自信がある」に「はい」と回答した人(2014年:n=1386、2024年:n=1410)