シニアにむけた新たなアプローチ ひと研究所『リビングラボ』スタート(後編)

對馬 友美子
ソリューション事業局ひと研究所エイジング・ラボリーダー
對馬 友美子
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前編の「これまでの取り組み」「ひと研型リビングラボとは」「ひと研型リビングラボの特徴」に引き続き、後編は実例を紹介しつつ、今後の展望についてお知らせします。

シニアにむけた新たなアプローチ ひと研究所「リビングラボ」スタート(前編)はこちら↓

https://www.videor.co.jp/digestplus/market/2016/11/10542.html

『ひと研型リビングラボ』実例の紹介と今後の展望

p016_fig07.jpg先般、第一回目の『ひと研型リビングラボ』を開催しました。今回はダイエー港南台店にお声をかけ、『男性の我が街プロジェクト』と題し、横浜市港南区在住のシニア男性を対象に実施しました。ダイエー港南台店もシニア男性をこれからの優良ターゲットとして注目しており、男性にとっての商業施設の存在価値や、男性にとって居心地のいい「場」となるヒントを知りたいと考えていました。

このリビングラボ以前にも、セカンドライフ大学校とタイアップして、男の料理教室を実施するなど顧客の育成を行っていた実績もあり、企業のメリットだけを追求したマーケティングではなく、活動を支援することで企業価値が高まるという『ひと研型リビングラボ』の主旨を受け入れていただきました。

ディスカッションのテーマは「男性が行きたくなる商業施設とは?」

今回が初めての実施であり、活発な意見交換ができるか心配もありましたが、先述した堀内 裕子先生のファシリテーションによりシニア男性から率直な意見がどんどん発信され、彼らが求めているものがかなり詳細に把握できたと思います。具体的にはシニア男性目線の「商業施設での買い物の仕方やこだわり」「欲しいサービスや居心地のいい空間」「地域男性の孤立を防ぐ居場所となり得る可能性」などについて自由なアイデアや意見が飛び交っていました。

ダイエー港南台店の地下1階イートインスペースで実施できたことも臨場感があり、良い刺激となりました。実際にシニア男性と売り場まで足を運び、商品のラインナップや陳列の仕方、POPの出し方などにもご意見いただけたのは本当にありがたく、具体的なヒントを得ることができました。

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港南区社協側としては、企業の課題解決に参加するリビングラボの存在は定年後の男性にとって社会との繋がりを持てる場、自分たちの経験や知識を生かせる場として重要な役割を果たし、それが地域の活性化に結びつくであろうと非常に期待されています。

また、企業の立場で参加されたダイエーさんも生活者視点の生きた意見がじかに聞けて非常に参考になったと評価されています。そして、何より集まったシニア男性の方たちが、自分たちの意見が役に立ったと喜ばれていたことに手応えを感じました。彼らからは、自分たちの住む街の課題がテーマだったこともあって、こうした社会貢献の方法があることを知り、今後も参加したいという意向が届いています。

私たちもモラトリアムおじさんに注目したことで、企業も生活者もこうした機会を求めていることがあらためて分かり、意を強くしました。 この『男性の我が街プロジェクト』は今後も2ヵ月に1度のペースで開催し、高齢者と港南区の課題解決に向けたミーティングを行っていく予定です。定期的に実施することで、さらに議論が深まるとともに、新しい参加者が増え、またその人達が地域活動を先導するシニアのオピニオンリーダー的存在になることを願っています。

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また、まずはシニア男性に特化して始めた『ひと研型リビングラボ』の仕組みを、将来的には女性シニアや子育てファミリー層など他の世代にも応用することを考えています。企業のみなさまには地域の課題に寄り添うことによって、今後の事業活動のヒントを得るリビングラボのポテンシャルにご期待いただきたいと思っています。

企業(お客さま)の声

ディスカッションで課題を共有できたことが有意義でした。

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通常のグループインタビューでは私のような企業側の人間が同じテーブルにつくことはありませんが、ディスカッションに同席して貴重な意見を直接聞くことができました。気づかされたのは、「売り場」ではなく「買い場」として機能するように、生活者の方が何を感じているのかを、生活者視点で探らなければならないということでした。港南台をもっと良い街にしたいと願う方たちとつながりを持てたことを喜びつつ、いただいた意見を売り場やサービスに反映する方法を考えたいと思います。また今後は、各メーカー企業様にも声をかけて、ともにリビングラボに参加できればと思っています。

前編の「これまでの取り組み」「ひと研型リビングラボとは」「ひと研型リビングラボの特徴」はこちら↓

https://www.videor.co.jp/digestplus/market/2016/11/10542.html

ビデオリサーチ「ひと研究所 VRエイジング・ラボ」について

ひと研究所は、株式会社ビデオリサーチの生活者に関する研究を行っているシンクタンク。研究領域ごとにチームを構成しており、今回このシニア男性のリビングラボを企画したのはシニア研究チーム「VR エイジング・ラボ」です。「VR エイジング・ラボ」では「シニア市場の活性化」を目指し、老年学の専門家と共にリアルなシニアを捉えた研究、発信をし、研究で得た知見と豊富な生活者データをベースに、シニアマーケティングの支援・コンサルティングを行っています。

問い合わせ先: hitoken@videor.co.jp

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