BS視聴調査拡充 より詳細な視聴実態把握へ【第2回】

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BS視聴調査拡充 より詳細な視聴実態把握へ【第2回】

「拡く、深く、遍く視聴データを捉え、テレビの価値を正しく示す」を掲げて2020年4月、全国27地区において52週調査化、PM化、タイムシフト化を実現しました。それと同時に、山梨、福井、徳島、佐賀、宮崎の5地区も統一調査仕様、小規模サンプルでの調査を開始し、全国32地区の視聴状況、つまりBSの視聴状況が把握できるようになりました。

今回の第2回は、BS放送の価値を示す「指標」への考え方を示しながら、実際の「全国BS」のデータを交えて視聴実態に迫ります。

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【全国BS視聴率】

BS放送はどのように視聴されているのか

ーBS放送の平日日中の視聴時間帯は、ピークが異なる

まず、BS放送がどのような時間帯で見られているか、無料BS民放局(BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレ東、BSフジ、BS11イレブン、BS12トゥエルビ)とNHKBS1、BSプレミアムの9局を「BS9局計」として、時間帯による視聴状況をみていきましょう(図1)。

BS9局計の視聴は、平日では7時台・13時台に視聴が高まり、その後20時台で最も高い時間帯となっています。朝と夜における視聴の傾向はテレビ全体の視聴を表す全局(BS放送、地上波などを含む調査対象全体)と近くなっていますが、お昼に視聴が高まる時間帯が、BS9局計では13時台、全局は12時台と1時間ずれており、お昼時の視聴のピークに違いがあることがわかります。このことから13時台はBS9局計の貢献度が高い時間帯といえます。

一方、BS9局計の土日の視聴は、12時台から22時台にかけ幅広く、「6−24時平均」の視聴を上回ることが特徴です。更に、最高値が16時台であることも全局とは異なる傾向で、土日の夕方のテレビ視聴はBS9局計が占める割合が多いことがわかります。

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BS放送の価値を「視聴人数・到達人数」で表す

--平均推計視聴数は約230万人で宮城県人口に匹敵
1日当たりの平均推計到達者数は約2600万人

前号でレポートしたように、BS放送の視聴可能世帯数が増えていく中でBS放送の価値を示す指標として【視聴世帯数】という視聴規模を示すデータを採用してきました。(1)
「全国BS」では、その取り組みをさらに発展させ、視聴世帯数だけでなく、視聴ボリュームを個人全体(4才以上)をもとに【視聴人数】や【到達人数】で表すことが可能です。

その観点からみると、BS9局計の視聴ボリュームは、6−24時の時間帯で平均すると常に約230万人が視聴しているメディアとなっています(図2)。これは、宮城県の総人口とほぼ同じ規模となります。また、1日当たりの平均推計到達者数は約2,600万人(4−6月平均)と、東京都(約1383万人)+神奈川県(約921万人)=約2,304万人よりも多い人数です。(ともに2020年住民基本台帳より)

このことからも全国放送であるBS放送は、各放送エリア単位で放送されている地上波よりも、一度に多くの人々に届けることが可能といえるでしょう。同じ視聴率1%を獲得した場合の視聴者数は、地上波(放送エリア内)での1%よりBSの方が多くなります。
全国BSのデータを取り扱う際は、地上波のデータと単純に率だけを比較するのではなく、BSの価値ともいえる視聴量(視聴数・到達数)に目をむけ、併せて活用することをおすすめします。(2)

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番組ジャンル別、視聴されている番組

--安定して視聴されている報道番組と人気のプロ野球中継

次に、どのような番組が視聴されているのか、報道・スポーツジャンルにおける無料BS民放局の平均推計視聴数ランキングを紹介します(図3)。

まず、報道番組ですが、無料BS民放局のほとんどが編成しています。地上波民放局では平日のゴールデンタイムではあまり放送されていませんが、無料BS民放局では、平日19:30〜23:00にかけて6局で編成しているため、局をまたいで続けざまに報道番組を視聴することも可能です。
中には平均推計視聴数が80万人を超える番組もあり、安定して視聴者を獲得しています。また、日曜日の夜にも報道番組が編成されており、ランキングの上位に入る人気番組となっています。

続いて、スポーツをみてみます。BS 放送と聞いて 、「プロ野球中継」を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。実際、無料BS民放局の4−6月期では、「プロ野球」を104試合、時間にして約317時間も放送しています。BS放送では巨人戦が上位を占めており、全国的な人気の高さがここでもうかがえます。特に伝統の一戦ともいわれる阪神との対戦の視聴数が多いこともわかります。

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今回は、報道・スポーツジャンルに絞ってランキングを紹介しましたが、平均推計到達者数が900万人以上となる番組もあり、これは、1番組推計で神奈川県の総人口(約921万人)と同じ規模の人数に視聴されていることになります。

このように無料BS民放には非常に人気の高いコンテンツがあることがわかります。また、今回紹介していない番組ジャンルの中には、2時間のサスペンスドラマや時代劇など、地上波では最近あまり見かけなくなった番組が人気コンテンツとなっています。

ーTOPICSー(NHK)BSならではの【MLB】

NHKBS1では、この4−6月に83試合、MLB(メジャーリーグベースボール)の試合を放送しています。大谷翔平選手の活躍については、連日報道されていますが、その活躍を多くの人がBS放送で視聴していることがわかります。

平均推計到達数が530.2万人と最も多い6月20日の番組は、大谷選手が2戦連続でホームランを放ち、自己最多タイ記録のホームラン数22本に並んだ試合です。

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今回は、BS放送特集の第2弾として、BSの視聴状況について紹介しました。
次回、第3弾では、BS視聴者の特徴に迫ります。


全国32放送エリアでテレビ視聴データサービス開始拡大 〜新たに山梨/福井/徳島/佐賀/宮崎 地区で〜

昨年4月に開始した全国27地区の52週化、PM化、タイムシフト化に続き、2021年10月より山梨/福井/徳島/佐賀/宮崎の5地区においても統一の調査仕様で、各地区視聴データの提供が開始されます。これにより、全放送エリアにあたる32地区で、365日、個人単位で、タイムシフト視聴を含めたデータのサービスとなります。

全国32地区の調査数は10,000世帯から10,700世帯に拡大され、それに伴い、全国BS、ペイテレビの視聴状況もこれをベースに利活用できるようになります。

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【BS関連コンテンツ】
2021年7月5日プレスリリース:「全放送エリア・365日・個人単位」でテレビ視聴データの提供を実現〜新たに山梨/福井/徳島/佐賀/宮崎 地区で新視聴率調査開始〜

■新視聴率調査から1年、広がる浸透、進む活用 BS視聴調査拡充 より詳細な視聴実態把握へ【第1回】
■BS視聴調査拡充【第3回】-- BS視聴者層の特長を探る --

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