低年齢化する「美容への関心」、10代は10年でメイク関与が2倍以上に。一方高年層は...?【24年調査】

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低年齢化する「美容への関心」、10代は10年でメイク関与が2倍以上に。一方高年層は...?【24年調査】

SNSの普及や、すらっと痩せた女性アイドルたちが人気を博していることなどから、若年層の美容への関心が高まっていると言われています。TikTokやYouTubeを開けばメイクのコツを紹介する動画やレビューが溢れ、比較的安価なクリニックも増えてきていることにより、若くして美容外科に通うという人もいるようです。

これらは「一部の若年層」の話なのでしょうか?
それとも、「若年層全体の傾向」と捉えてよいのでしょうか?

今回は、50年以上にわたり日本の生活者の意識動向を調査し続けているビデオリサーチ「ACR/ex」より、生活者の美容に関する意識変化を調査結果としてまとめてみました。

本記事で紹介しているサービス【ACR/ex】 

10代女性のメイク関与は10年で207%UP

若年になるほどメイク・美容関連の上昇幅が大きい

2024年現在、10年前(2014年)と比べると美容意識はどのように変化しているのでしょうか。
【図1】は、関東在住の女性10代(※12~19歳)~30代における「メイクアップに気を配っている」「美容には気を使うほう」という質問に「はい」と答えた人の割合をグラフ化したものです。

いずれの意識項目においても、特に10代における上昇幅がすさまじく、「メイクアップに気を配っている」人は10年前の2倍以上に膨れ上がっています。
20代、30代においても同様にスコアアップしていますが、年代が上がるほど上昇幅は狭くなっているように見えますね。

年齢を追うごとに関与は急上昇、ピークは20代前半

年齢を追うごとに急激にメイク関与増、20代前半でピークへ

そこで、「メイクアップに気を配っている」という意識項目について1歳単位で細かく意識変化を確認したのが【図2】です。

10代前半時点(折れ線グラフの一番端)で、14年と24年では大きな意識の差がついており、そこから1歳ずつ年齢があがるごとに、どんどん意識が高くなっていき20代前半でピークを迎えていることが分かります。

学校に行くにもメイクをしたり、百貨店で売られているようなハイブランド(いわゆる「デパコス」)も中高生の間で定期的に流行していると聞きます。また、ダイソーや3COINS(スリコ)のような超低価格帯かつ多店舗展開しているチェーン店でもバリエーション豊富なコスメが多数展開されており、学生でもメイクを始めやすい環境も整ってきていることが、この急激な上昇にも影響しているのかもしれません。

分岐点は50代:高年層は美容<自分らしさ?

高年層は、10年前よりメイク関与が薄れてきている

ここまで10代~30代でのメイク関与への意識変化を見てきましたが、40代以上も追加して年代別の変化をまとめたのが【図3】です。右側の折れ線グラフが分かりやすいのですが、黄色の縦線、「49歳」以上になると10年前(14年)のほうがメイク意識が高くなる逆転現象が起きています。

コロナ禍を機に在宅勤務が増えたり、人の意見に左右されずに自分らしく生きるライフスタイルを実践する方も増えてきていると聞きます。
メイクは人によっては「他人からの目を気にして行うもの」と捉える人もいますので、自分らしさを求めた結果、メイクではないところに意識が向いている人も増えているのかもしれません。

同じ美容でも「体型」意識は異なる傾向

体型に気を配る人は、10年前よりむしろ減っている

意外な変化が見られた意識項目もあったのでご紹介します。

【図4】は、「体型に気を配っている」人の割合を示したものです。日本肥満学会が25年4月に発表したステートメント(※1)によると、特に若年層女性において低体重/低栄養状態に陥っている人が2割ほどいると警鐘も鳴らされており「(過度になるほどに)体型に気を配る人が年々増えているのでは?」と感じている方も多かったのではないでしょうか。

このように年代ごとの"総数"で見てみると、男女ともに全体的に「体型に気を配る」人は減少傾向であり、特に上の年代に上がるほどその傾向は顕著です。

コロナ禍を機に、ゆったりしたカジュアルな服装が広がり、ぴったりした体のラインが出やすいデザインの服装から乗り換える人も増えています。最近では「♯健康体型界隈」といった"痩せへのアンチテーゼ"ともとれるムーブメントも起きており、今後自身の体型へのこだわりは「とてもこだわる人」と「全然こだわらない人」と二極化していく...といったことも考えられそうです。引き続き注目していきたいですね。

若年層は男性も美容関与が高まっている

男性も~40代まで美容・メイク意識が上昇

最後に男性の美容・メイク意識についても見てみました【図5】。
男性も同様に10代からメイク・美容ともに意識している人が増えており、その傾向は女性と同じく40代まで続いています。男性の場合は、10代だけでなく30代でも大きくスコアアップしている波があるのが特徴的です。

「メンズメイク」というフレーズも一般化し、男性も身だしなみの一環でファンデーションなどのメイクを行ったり、スキンケアにこだわっている人も増えています。芸能人で言えば、Snow Man渡辺翔太さん(30代)、麒麟川島明さん(40代)なども美容好きで知られていますが、いわゆる「化粧品」領域だけでなく、日傘(日焼け防止)やサプリメント等の美容に関する他の商材ジャンルでも同じように男性ニーズが増えていくのではないでしょうか。

時系列での年代意識変化を調べるには

いかがでしたか。
今回は美容意識の中でも「メイクアップ」に特にフォーカスを当て、10年間での急激な変化についてまとめてみました。
ACR/ex」では、サプリメントなど他のジャンルでの変化など20万項目にもおよぶ膨大なデータベースから生活者の時系列での年代意識変化を自由に調べることができます。

「ACR/ex」のサービス内容詳細は、以下より案内資料をダウンロードいただくか、毎週月曜13時~/金曜11時~に実施しているサービス定期説明会でデモ画面等を通して使い方を把握いただくことができます。

ご興味お持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお申込みください。

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※1:日本肥満学会「女性の低体重/低栄養症候群(Female Underweight/Undernutrition Syndrome)(FUS)ステートメント(2025年4月17日公開)」より抜粋
https://www.jasso.or.jp/contents/Introduction/academic-information.html

【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2024年10~12月/2014年10~12月(秋調査回)
・対象地区:関東
・ターゲット:12~69歳男女
・サンプル数:2014年(n=4,515), 2024年(n=5,022)

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