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メディア
2022年01月18日

音声メディア市場におけるラジオの現状 ~音楽配信サービスとの比較を通じてみてみました~

伊藤 優喜
メディア・コミュニケーション事業局 メディア企画部 メディア企画グループ
伊藤 優喜

音声メディア市場におけるラジオの現状 ~音楽配信サービスとの比較を通じてみてみました~

【はじめに】

「音声メディア」と聞くと、まず初めに「ラジオ」が思い浮かぶ方も多いと思います。長らくマスメディアとして活躍しているラジオですが、近年はオールドメディアなどと呼ばれ、利用も年々減少傾向にありました。しかし、最近は若者を筆頭に盛り上がりをみせていて、聴取者の増加もみられます。(参考:注目の音声メディア市場!今、ラジオが若者に熱い理由とは?

そんな復調の兆しをみせているラジオですが、音声メディアの中で市場全体をみると、構図は変わってきているように思います。Apple MusicやSpotifyをはじめとした音楽配信サービスやポッドキャスト、Voicyなど個人でもコンテンツを配信することができる音声プラットフォームなど、これまでのラジオにとどまらないコンテンツの広がりをみせています。

発展する音声メディア市場の中で、ラジオはどのような位置づけなのか。今回は音声メディアの中でも、ラジオと音楽配信サービスにフォーカスして、ラジオ利用者や音楽配信サービス利用者の特性、利用状況を通じて、ラジオを中心とした音声メディアの現状を確認していきたいと思います。

音楽をストリーミング再生して聴くことができる音楽配信サービスは幅広く展開されているため、今回は主要ないくつかのサービス(※1)を1週間以内に利用した方を「音楽配信サービス利用者」として、またラジオを1週間以内に利用した方を「ラジオ利用者」として、それぞれのプロフィールをみていきたいと思います。
※1:Apple Music, YouTube Music, AWA(アワ), LINE MUSIC, Amazon Music Prime, Amazon Music Unlimited, Spotify(スポティファイ), dヒッツ, dミュージック, レコチョク, mora(モーラ), music.jp, Amazon Music, その他音楽配信サービス

もくじ

1.ラジオと音楽配信サービスは、誰が利用している?
2.ラジオと音楽配信サービスは、どこで利用されている?
3.ラジオ・音楽配信サービスどちらも使っている人は、どれくらいいる?どんな人?
4.まとめ

記事の中でご紹介しているサービスはこちら 
【ACR/ex】   

1.ラジオと音楽配信サービスは、誰が利用している?

 図表1はラジオ・音楽配信サービスともに1週間以内に利用した方の性年代別の構成比です。ラジオ・音楽配信サービスともに女性より男性の方が利用者は多く、年代別にみても30代以上はどの年代でも男性の利用が多い実態が分かります。
 ラジオと音楽配信サービス利用者の年代構成についても比較してみていきたいと思います。ラジオ利用者のボリュームゾーンは40代~60代、音楽配信サービス利用者は20代~40代と、ラジオ利用者の方が年代は高めの傾向にあります。

図表1 ラジオ・音楽配信サービス利用者 性年代別構成

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 ビデオリサーチ「ACR/ex」2021年4-6月調査 東京50㎞圏 男女12-69才

 さらに細かく音楽配信サービス利用者を各サービス別にわけてみていきます。図表2は、ラジオ利用者・各音楽配信サービス利用者を平均年齢と男性比率で位置づけたものです。先のデータではラジオ利用者・音楽配信サービス利用者ともに男性の利用が多くなっていましたが、サービスによって平均年齢や男性比率は違っています。年齢でみてみると、ラジオ利用者は音楽配信サービス利用者より平均年齢が10歳程度高くなっています。

 音楽配信サービス内でも利用年齢層、男性比率は違う傾向にあり、「LINE MUSIC」の利用者層は比較的若い方が多く、一方で「Amazon Music」の利用者は年齢層が高い傾向にあります。ラジオや各音楽配信サービスにおいても、利用している方々の属性は同じというわけではなさそうです。


図表2 ラジオ・各音楽配信サービス利用者の男性比率/平均年齢 分布図

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ビデオリサーチ「ACR/ex」2021年4-6月調査 東京50㎞圏 男女12-69才

2.ラジオと音楽配信サービスは、どこで利用されている?

 ラジオ、各音楽配信サービスそれぞれの利用者がどのような場所で利用しているのか、図表3、4をみてみます。利用場所として大きくは自宅内・自宅外での利用に分けられますが、自宅内外の割合はラジオ、音楽配信サービスどちらも同程度となっています。細かい利用場所でみていくと、ラジオ利用者は「車の中」の利用が最も多く、3割を超えています。

 一方、音楽配信サービスは、自宅の共有スペースや個室での利用が多いものの、自宅外だと「電車の中」(16.2%)を中心に「車の中」「その他の屋外」と多様な場所で利用されていることが分かります。同じ音声メディアではありますが、利用シーン、特に自宅外での利用場所に違いがあるようです。

図表:ラジオ利用者がふだんラジオを聞く場所、音楽配信サービス利用者がサービスを利用する場所.png

ビデオリサーチ「ACR/ex」2021年4-6月調査 東京50㎞圏 男女12-69才

3.ラジオ・音楽配信サービスどちらも使っている人は、どれくらいいる?どんな人?

 ラジオ、音楽配信サービスそれぞれの利用者構成や利用場所に違いがあることが分かりました。ここまでのデータをみると、ラジオ、音楽配信サービスを使っている人はまったく別の人のように感じてしまうかもしれませんが、果たしてそうなのでしょうか。

 どちらのサービスも使っている人がどの程度いるのか、ラジオ利用者の中で音楽配信サービスを使っている人の割合をみてみました(図表5)。このグラフをみるとラジオ利用者の28.4%、約3割の方が音楽配信サービスを利用しており、一定数の方がラジオ、音楽配信サービスどちらも利用しているということが分かります。2つのサービス利用者はまったく別の人というわけではなく、音声メディア市場の中でも複数のサービスを利用し、多岐にわたる音声コンテンツを楽しんでいるようです。

図表5 ラジオ利用者の音楽配信サービス利用有無

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ビデオリサーチ「ACR/ex」2021年4-6月調査 東京50㎞圏 男女12-69才


 ラジオも音楽配信サービスも両方楽しんでいる、音声メディアのファンと思しきこの人たちはいったいどんな人たちなのでしょうか。ラジオ利用者を、"ラジオ・音楽配信サービスをどちらも利用する人"、"ラジオのみ利用する人"にわけて、それぞれの属性の方がラジオに対してどのような意識を持っているかをみてみました(図表6)。

 グラフをみてわかる通り、"ラジオ・音楽配信サービスどちらも利用する人"は「今のラジオは十分楽しめる」や「ラジオで得た情報を話題にする」という項目で"ラジオのみ利用する人"より高くなっています。音楽配信サービスを併用している人は、よりラジオを楽しんでいて、ラジオが生活に根付いているのではないかと感じられます。

 また、「ラジオCMをよく聴くほうだ」「ラジオパーソナリティの推せんする商品は魅力的である」などの項目も"ラジオのみ利用する人"以上に、"ラジオ・音楽配信サービスどちらも利用する人"の方が高く、この人たちはラジオCMやパーソナリティとの距離が近く、広告が効きやすい層だともいえそうです。

図表6 ラジオ・音楽配信サービス利用者のラジオに関する意識

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ビデオリサーチ「ACR/ex」2021年4-6月調査 東京50㎞圏 男女12-69才

まとめ

ラジオ・音楽配信サービス利用者の傾向

・どちらのサービスも男性の利用が多め。ボリュームゾーンは、ラジオ利用者だと40代~60代、音楽配信サービス利用者だと20代~40代。
・利用場所は、自宅外での利用に差があり、自学外だとラジオ利用者は「車の中」、音楽配信サービス利用者は「電車の中」「その他の屋外」が多い。
・ラジオ・音楽配信サービスどちらも利用している人は約3割程度。両方利用している人はラジオをより楽しんでおり、ラジオCMやパーソナリティとの距離も近いため、広告効果も期待できる。

 

ラジオ、音楽配信サービスの利用についてデータをみてきましたが、利用者層に若干の違いはあるものの、ラジオ、音楽配信サービスどちらも利用している人も一定数いることが分かりました。さらに、ラジオ・音楽配信サービスを併用している方は、よりラジオを楽しまれていて、距離が近く、音声メディアがかなり好きな人たちのようです。

 音声メディア市場の中でメディアが競合してしまうというより、生活者が様々な音声メディアのコンテンツや広告に慣れ親しんでいくことで市場が広がっているように感じます。復調の兆しを見せているラジオですが、音楽配信サービスがさらに浸透することで、ラジオに接触する方が増えていくということも考えられます。ラジオ・音楽配信サービスのみに限らず、音声メディア市場の盛り上がりは今後も注目です。

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