視聴率実践講座 〜 その17 〜視聴率分析方法の基本体系及びテーマ別分析メニュー

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テレビ
#テレビ #用語解説 #視聴率

※本記事は1998年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

視聴率実践講座の(1)でおおまかにはご紹介しましたが、今回は全てではありませんが、分析手法を加えた、番組分析の基本体系図をご紹介したいと思います。

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次に、テーマインデックスをご紹介します。このインデックスに関しましても、前ページ 同様全てを網羅しておりませんので、あくまでも代表例としてご覧下さい。

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最後にテーマ別の分析メニューインデックスをご紹介します。

テーマ別分析メニューインデックス

テーマ1
A番組は放送開始から1クール経過した。どの程度視聴世帯に広がりがあるのか?また、どの程度の固定フアンがいるのか検証したい。

・Reach&Frequency
ある−定期間の任意の視聴判定レベルによる、番組のReach(累積到達率)とFrequency(平均視聴回数)の分布。
番組視聴世帯の広がりと、固定層(固定度)をチェックする時に利用します。

テーマ2
B番組は全枠視聴が多いのか、コマ切れ視聴が多いのか、番組の見られ方を検証したい。

・番組の接触程度(視聴分数の分布)
番組放送ごとの番組の接触程度を、いくつかの条件で区切った視聴分数の分布により分析します。
視聴率が同じでも、見られ方(視聴分数)には違いがあります。番組放送ごとにチェックすることで、番組内容による変化を把握することもできます。

テーマ3
C番組は、前番組が変更してから視聴率が低下している。前番組から継続、他局への流出などの状況を知りたい。

・番組の流入流出
任意の視聴判定レベルによる前番組からの流入・後番組への流出状況や、番組視聴世帯の翌週(異週)への継続状況を把握します。また、ある時点(毎分)から別の時点への流入流出分析も可能。

テーマ4
D番組は、どの様なプロフィールの世帯に見られているのかを知りたい。

・世帯特性別視聴率
世帯プロフィール別に視聴率を分析します。個人視聴率とは異なりますが、視聴世帯の特徴を把握する事ができます。
尚、世帯特性別区分については、主婦年齢別、家族人数別、世帯主職業別、家族構成別などいくつかの区分を用意しております。

テーマ5
複数の番組の中で、どの番組の組み合わせが重複視聴の傾向が強いかを調べたい。

・重複視聴分析(コンビネーション)
任意の視聴判定レベルによる、いくつかの番組間での重複視聴状況を調べる分析です。
効率のよい提供、編成のプランニングのデータとしても利用できます。

テーマ6
あるスポンサーの提供番組の中で、リーチ拡大に貢献している番組、また貢献度の低い番組を把握したい。

・Reach Max・Frequency Max
いくつかの番組の組み合わせで、到達(Reach)の効果を番組のランキングによって把握する分析です。また、同様に重複(Frequency)効果の分析もできます。
現状の提供番組の見直し、今後の提供番組の検討などに利用可能です。

テーマ7
E番組は、家族の中で、どのような視聴者の組み合わせで見られているのかを知りたい。

・個人視聴パターン分析
番組視聴者を組み合わせ(パターン)別に整理する分析です。視聴パンターンにより、ファミリー視聴か、パーソナル視聴か、誰と誰が一緒に見ているかなどの分析に利用します。

テーマ8
F番組をよくみる世帯とあまり見ない世帯の間に、どの様な視聴傾向の違いがあるのか調べたい。

・視聴分数別ターゲット分析(HML分析)
番組、時間帯(局別)での視聴分数を、例えばヘビー視聴世帯、ライト視聴世帯のように、幾つかの区分にセグメントし、それぞれのターゲットにおける、番組、時間区分の視聴率を算出することが出来ます。

以上あくまでも代表的なもののご紹介です。実際には分析者の課題に対する視点の持ち方次第で、手法はいか様にも生かす事が出来るのです。
また、費用、納期との関係も分析者は充分に意識しなければなりません。

(本社 テレビマーケティング部 加納永一)

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