朝ドラ「まんぷく」好調なスタートを切る。その要因は?

門脇 紀子
ソリューション事業推進局 テレビ・メディアソリューション部
門脇 紀子
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今年10月にスタートした「まんぷく」ですが、初回世帯視聴率は23.8%、2000年以降放送の同シリーズ38作品中2位にあたる高視聴率でスタートしました。
2話目以降も20%を超え好調ですが、今回はその要因を視聴率から探ります。

ドラマに安定感をもたらした同枠初のママさんヒロイン
「まんぷく」は、「インスタントラーメン」を生み出した実在の夫婦がモデルで、発明に至るまでの度重なる挑戦と失敗、それらを共に戦い抜いた夫婦の愛の物語です。  ヒロインは今年で32歳の安藤サクラ。オーディションなしでヒロインに決定したことや、初の"ママさんヒロイン"であることも話題となりました。その他、夫役の長谷川博巳をはじめ、松坂慶子、松下奈緒、内田有紀、片岡愛之助、瀬戸康史といった豪華なキャストが華を添えています。

「一度見ないと」が、見たら次も見たくなってファンになる
2016年10月以降、同枠で放送された4作品「半分、青い。」「わろてんか」「ひよっこ」「べっぴんさん」と、「まんぷく」は、見られ方にどのような違いがあるのでしょうか。それを明らかにするために、各作品の放送開始から4週分(24話分)について比較してみました。
まず、各作品の開始から4週の平均視聴率をみると、「まんぷく」が21.9%で最も高いのがわかります(図表1)。

(図表1)朝ドラ直近5番組 4週平均視聴率(関東地区)

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1回でも番組を見た世帯の割合を示すリーチは、「まんぷく」(47.4%)が他作品を上回っています。1回でも見た世帯が多いということは、それだけ世間に注目されているともいえます。
さらに、視聴回数の分布をみると、24話中ほとんど視聴した割合(「19~24話」視聴)が16.3%と他の作品に比べて最も多くなっています(図表2)。
つまり1回以上視聴した世帯が多く、しかも、その中の3分の1の世帯が放送回数の8割を視聴していることになるわけで、しっかり、固定ファンがついていることがうかがわれます。

(図表2) 朝ドラ直近5番組 リーチ・視聴回数分布比較(関東地区)

manpuku-2.png

                                       ※継続5分以上見た場合を【視聴した】とみなす

次に、1回あたりの視聴分数を確認してみると、「3分の2以上視聴」の割合が多く、他作品よりしっかりと視聴されていることがわかります(図表3)。

(図表3)朝ドラ 直近5番組 視聴分数比較(関東地区)

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 これらのことから、「まんぷく」は「1度は見なければ」と思わせる作品になっており、しかも1度見たら習慣化され、徐々に「まんぷく」ファンとして定着してしまう、そんな力を持った作品だと思われます。

朝のドラマとしてふさわしいストーリー展開とヒロイン
脚本が「大河ドラマ・龍馬伝」や「HERO」など、人気作を手掛けた福田靖氏であり、内容に期待して初回から視聴した人も多かったのではないでしょうか。舞台は戦前から戦後の日本であり、時には悲しいストーリーも含まれますが、毎回所々にささやかな笑いが散りばめられているため、暗くなり過ぎることはなく、朝に見るドラマとしてふさわしく感じられます。  

また、「まんぷく」はインスタントラーメンを開発するまでの物語ということは先述の通りですが、今の時代、即席めんがどの程度、浸透しているのか、当社のACR/exで確認してみましょう。即席めん類を3ヶ月以内に食べた割合は56.9%、後に主人公夫婦が開発する「日清チキンラーメン」の認知は88.8%にのぼり、生活者にとって非常に身近な食品となっています。この「チキンラーメン」をテーマにしたことも好調さを支える要因といえるでしょう。

キャストの豪華さに加えて、登場人物それぞれのキャラクターも非常に魅力的で、ヒロインの程よいおっとり感やまっすぐさを応援したくなったり、苦しい状況でも前向きに生きる姿に元気をもらったりします。
このような様ざまな要因が、高視聴率に結びついていると考えられます。今後のヒロインの成長やインスタントラーメン開発の過程とともに、視聴率動向も楽しみな番組です。

※図表はすべて、関東PM視聴率データ (集計期間:各ドラマ放送開始から4週間)
※ACR/exのデータは2018年4-6月 東京50Km圏 12-69才

この記事はオリコン「コンフィデンス」(11月12日号)で掲載された内容を当社で編集したものです。

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