【推し活とは?】中高年も4人に1人は「推し」がいる時代!「推し活」の実態を調査データから紐解く
- この記事はこんな方にオススメ!
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- 「推し活」について興味がある方
- 「推し活」の実態について知りたい方
「ひと研究所」では、昨今話題の「推し活」について調査・研究を進めています。現在、どのくらいの人に「推し」がいて、どんな「推し活」行動をしているのか?本記事では「推し活」の実態をデータから紐解いていきます。
1. 「推し活」とは?
昨今よく耳にする「推し」や「推し活」。定義には幅がありますが、一般的には好き、お気に入りの人物やモノで、応援したい対象を「推し」、それらを応援する活動のことを「推し活」と呼びます。
「推し」を応援することで普段の生活に楽しみが増えることや、「推し活」を通じて同じ趣味を持つ仲間ができるなどさまざまな魅力があることも人気の秘訣です。
魅力の多い「推し活」ですが、具体的にはどのような人たちが、どのように「推し」を応援しているのでしょうか。
本記事では世代ごとの「推し」の有無やジャンル、さらには「推し活」の実態をデータから紐解いていきます。
2. Z世代の6割、X世代(43歳)以上も4人に1人は「推し」がいる時代
※X/Y/Z世代の定義には諸説ありますが、本記事で用いる調査は15歳以上を対象としているため、Z世代を「男女15-26歳」、Y世代を「男女27-42歳」、X世代を「男女43-58歳」と定義して分析をしています。
まず世代別に推しの有無を見てみると【図1】、
最も「推し」がいる割合が高かったのはZ世代(15-26歳)で62.1%。次いでY世代(27-42歳)、X世代(43-58歳)と続きます。
若い世代ほど「推し」がいる人が多いようですが、X世代以上(中高年)でも4人に1人は「推し」がいることがわかります。
3. X世代(43歳)以上は、推し歴「10年以上」が4割弱
次に「推し」のジャンルを見てみると【図2】、
- Z世代、Y世代の1位は「日本のアイドル」。
- X世代、59~69歳では「歌手・バンド・音楽家」が1位。
若い世代(Z,Y世代)と上の世代(X世代、59~69歳)で1位が異なるという結果となっています。
現在最も推している対象への推し活の継続期間(推し歴)を見ると【図3】、
上の世代になるほど「10年以上」との回答が多くなっており、平均を見ても、上の世代の方が「推し歴」が長いということがわかります。
【図3】推し歴(世代比較)/現在最も推している「推し」に対して推し活をしている期間![]()
ジャンルごとの平均推し歴は、
- 最長が「歌手・バンド・音楽家」で平均6年11カ月。
- 「日本のアイドル」は平均5年。
具体的な「推し」の顔ぶれを見ると、若い世代では「Snow Man」「SixTONES」「乃木坂46」「NiziU」など比較的活動期間が短いグループが中心。対して上の世代は「Mr.Children」「B'z」「さだまさし」「浜田省吾」など長いキャリアのアーティストが多く並びます。これらのことから、上の世代は活動歴が長い「歌手・バンド・音楽家」の長年のファンであり、それを今風に「推し活」として認識しているということが言えるのではないでしょうか。また、推し期間が長いことで、かつてはアイドルだった「推し」たちが十数年経ち歌手と呼ばれるようになった、という場合もあるかもしれません。
【図4】推し歴平均(推しジャンル別)/現在最も推している「推し」に対して推し活をしている期間![]()
4. 「推し活」の活動軸は、『映像メディアの利用』『購買行動』『SNSの利用』
「推し活」の具体的な行動をみると【図5】、「無料動画サービスで動画を見る」(54.8%)が最多。次いで「推しに関連する作品を見る/聴く」(47.8%)、「推し関連のテレビ番組を見る」(42.7%)と続き、映像メディアの利用が「推し活」の上位を占める結果となりました。
さらに、「作品や、公式グッズなどを購入する」、「推しのSNSをフォローする」といった項目も高順位。これらから、推し活は
- 『映像メディアの利用』(無料・有料動画サービス/作品/テレビ番組など)
- 『購買行動』(作品・公式グッズ/コラボや広告起用された商品/推しの勧める商品など)
- 『SNSの利用』(フォロー/交流/発信など)
の3つが基本的な活動となっていることがうかがえます。
5. 「推し」がいると、メディア接触量は増加する 特にYouTubeは20分以上増
さらに、「推し活」の行動で上位を占めている『映像メディア』や『SNS』について、「推しがいる人」と「推しがいない人」のメディア接触量を比較すると【図6】、「推しがいる人」の方が多くのサービス・プラットフォームで接触時間が長くなっていることが分かります。
なかでも増加幅が大きいのは「YouTube」で推しがいると接触時間が20分以上増加。
さらに「X(旧Twitter)」は「Instagram」などのSNSでも利用時間が伸びています。
この結果から、「推し活」において動画サービスやSNSが重要な役割を担っていることがうかがえます。
6. 今後の「推し活」研究記事について
今回の記事では、「推し活」の実態についてデータから紐解いてきました。ひと研では今後も「推し活」に関する記事をシリーズで発信する予定です。次回は、「推し活」の活動軸となっている『映像メディアの利用』について、さらに詳しく見ていきたいと思います。こちらの記事は近日公開予定ですので、引き続きご期待ください。
また、「推し活」研究にご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。
【ひと研究所 推し活調査2024年2月 調査概要】
調査日 :2024年2月6日(火)~2月7日(水)
調査手法 :web調査
調査エリア :全国
サンプルサイズ :4,234(SC)、1,437(本調査)
対象者属性 :男女15~69歳(なるべく均等になるように回収)
