ブランド戦略はどうやって立てる?〜自社・競合のブランド力をデータから読み解く〜

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生活者データ
#ACR/ex #ブランディング #広告
ブランド戦略はどうやって立てる?〜自社・競合のブランド力をデータから読み解く〜

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅データに基づいたブランド戦略を考えるために、手軽に使えるデータをお求めの方
✅自社商品・ブランドの市場環境やコンディション(認知・利用率など)を知りたい方
✅自社商品・ブランドの訴求にあたり、ターゲット選定にお悩みの方
✅競合・ライバル企業の商品・ブランドと比較しながら、マーケティング戦略を考えたい方

1.ブランド調査は戦略立案に必要?

自社の商品・ブランドのマーケティング戦略を考える際、皆さんはどのようなことでお困りでしょうか?
「データに基づいて戦略を決定していきたいが、データ活用が進んでおらず蓄積できていない...」「自社の認知度などの指標は分かるが、競合他社の情報が分からない...」「市場の中で自社がどのようなポジションにいるかが、感覚では分かるがデータから把握できていない...」などのお悩みはありませんか?
こういった情報を把握するためにも、ブランド調査の実施が必要になりますよね。

ビデオリサーチが保有する日本最大級の生活者データベース「ACR/ex」では、このような情報について新たに調査を行わずとも、調査済みデータから手軽に分析することが可能です。
今回は、花粉の飛散量が多かった今年の春、私もお世話になった「鼻炎薬A」を例に、ブランドのコンディションを把握し、今後の戦略に向けてどのような仮説が立てられそうか、分析を進めていきます。

2.自社商品・ブランドの認知・利用率は? 時系列ではどう推移しているの?

まずは、自社商品・ブランドのコンディションを確認していきましょう。
図1は「鼻炎薬A」の男女15〜69才における認知・利用状況の時系列推移です。

「鼻炎薬A」のブランドコンディション(ブランド名認知率、関与率、使用率、ロイヤルユーザー率の時系列比較)

各年とも、4-6月調査でブランド名認知率や使用率が上昇しています。花粉症に苦しむ人の多い春の時期には、症状を抑える薬・グッズのCMがよく流れたり、店頭でもそれに関するコーナー設置が行われたりしますが、こういった施策が、商品・ブランドの認知・利用向上につながっていることがうかがえます。

3.自社商品・ブランドのターゲットボリュームゾーンは?

では、自社商品・ブランドを認知し、よく使っているのはどのような人なのでしょうか?直近の春の調査回である2022年4-6月の結果をもとに見ていきます。
図2は先ほどと同様に、「鼻炎薬A」の各指標を性年代別に分析したグラフです。

「鼻炎薬A」のブランドコンディション(ブランド名認知率、関与率、使用率、ロイヤルユーザー率の性年代別比較)

各年代とも、男性に比べ女性でブランド名認知率が高くなっています。一方、使用率では15〜29才、30〜39才、40〜49才で女性に比べ男性が高くなっており、これらの年代では男性の方が認知→使用の歩留まりが高いことがわかります。

この商品の場合、
・男性15〜49才に対して認知をさらに拡大すると、効率的に使用までつながる可能性が高い
・女性では認知に対して使用につながりきれていないため、「困ったとき・実際に買うときに鼻炎薬Aが思い浮かぶ」ように訴求をしていくことが大切そう

などの可能性を考慮しながら、商品・ブランドの訴求方法を検討することが必要となります。

このように、自社商品・ブランドに関する「どの指標」が「どのターゲット」で「どれだけ」獲得できているのかを手軽に確認することができました。

自社ブランドのコンディションを知りたい方はこちら
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4.競合・ライバル企業を含めた、市場環境のコンディションは?

ここまでは自社の商品・ブランドのコンディションを分析してきましたが、「競合・ライバル企業も含め、自社のコンディションはどうか?どのような位置付けなのか?」ということも気になりますよね。
図3は同じく2022年4-6月調査(男女15〜69才)において、
・縦軸:ブランド名認知率
・横軸:使用率
とした上で、各社の商品・ブランドをプロットしています。

各社鼻炎薬のブランド名認知率/使用率(男女15-69才)

この図から、「鼻炎薬A」と「鼻炎薬B」がブランド名認知率・使用率とも高く、市場を引っ張っている商品だということ、「鼻炎薬A」にとっては「鼻炎薬B」が最大のライバルとなっていそうなことがうかがえます。「鼻炎薬A」は「鼻炎薬B」に比べ、ブランド名認知率は同程度あるものの使用率が及んでおらず、その点に課題がありそうです。
また、ほかにも、ブランド名認知率はあまり高くないものの使用率は高めの商品(鼻炎薬H)もありそうだ、など鼻炎薬市場における商品ごとの特徴を一覧で比較できました。

5.競合・ライバル商品と比較して、対策するべきところはどこ?

では、最大のライバルであった「鼻炎薬B」と比べたときに、「鼻炎薬A」が埋めるべき差はどこなのでしょうか。使用率に差が出ていましたが、どのターゲットで、もしくはどのような指標で違いがあるのでしょうか。

まずは、2022年4-6月調査で性年代別に、「鼻炎薬A」と「鼻炎薬B」のブランド名認知率を比較してみます。(図4)

鼻炎薬A・鼻炎薬Bの認知率(性年代別)

「鼻炎薬A」は多くのターゲットで「鼻炎薬B」に比べブランド名認知率が若干低めではあるものの、大きな差が開いているという状況ではなく、ほぼ同等という結果になりました。どこか特定のターゲットでブランド名認知率に大きな差がある、というわけではなさそうです。

少し深掘り、商品の内容・特徴まで認知しているかを比較してみます。(図5)

鼻炎薬A・鼻炎薬Bの内容・特徴認知率(性年代別)

内容・特徴まで知っている人でみると、先ほどは僅差だったスコア差が開いています。
ここから、「鼻炎薬A」では「名前を知っている」人は「鼻炎薬B」と同程度いるものの、「商品の特徴まで知っている」人の数に差があることが分かります。

さらに、使用率も見てみましょう。(図6)

鼻炎薬A・鼻炎薬Bの使用率(性年代別)

使用率でも、女性50〜59才・女性60〜69才を除き、多くのターゲットでスコア差があり、ブランド名のみならず商品の特徴まで認知されることで、使用への影響がある可能性がうかがえます。
実際には、CMのクリエイティブの違いや店頭での展開、周囲の口コミなども含め、影響する要素はほかにもありますが、このデータから「鼻炎薬A」については商品の内容や特徴まで認知されることで、実際の使用までつながりやすいのではないか?という仮説が立てられます。

このように、データにもとづく仮説をもとに商品・ブランドの戦略を決めていき、実際に施策を展開。次回分析時に再度検証、さらにその先の戦略へ...とPDCAをつなげていくことが可能になります。

6.おわりに

今回は自社商品・ブランドのマーケティング戦略を立てる際に、手軽にお使いいただけるデータや活用方法・分析について、事例を交えてご紹介いたしました。

本記事では、鼻炎薬/性年代別という視点で分析していましたが、もちろん他の商材での分析や、性年代のみならず「流行に敏感な人」「旅行が趣味の人」...など、細かなターゲットで分析していくことも可能です。また、継続してその商品・ブランドを使っている人/他ブランドに流出した人がどのくらいいるか、のような分析も可能ですので、マーケティング戦略立案のいろいろな場面でご活用いただけます。

まずは自社商品・ブランドや競合のデータがあるか確認してみませんか。お気軽に以下よりお問い合わせください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex
・調査時期:2020年4-6月調査回 〜 2023年1-3月調査回
・対象地区:東京50km圏
・ターゲット:男女12〜69才 ※本記事では鼻炎薬Aの対象年齢にあわせ男女15〜69才で集計

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