アンケート調査の作り方:調査にはどんな種類がある?インターネット調査ほか7種類を解説

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#アンケート調査の作り方
アンケート調査の作り方:調査にはどんな種類がある?インターネット調査ほか7種類を解説

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅アンケート調査を自分でやってみたり、調査会社等に依頼して実施しようとしている方
✅アンケート調査の基本を学びたい方
✅インターネット調査をはじめとする定量調査の種類と使い分け方法を学びたい方

ネット上でアンケート実施ツールが気軽に使えるようになったり、SNS上で自分の投稿にアンケートを付けたりと「アンケート」は皆さんの身近なところで多く利用されています。

この「アンケート」は一般的に「定量調査」のことを指し、人々から質問への回答を一定以上の"量"集めることで『りんごが好きな人の割合は70%』『政権の支持率は50%』といった数字での調査結果を出すことができます。

★調査には「定量調査」と「定性調査」があります。2つの違いについては以下をご参照ください。
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/76612.html

そして、「定量調査」には、実施のやり方によって調査の種類が複数存在します。
本記事では定量調査の代表格であるインターネット調査をはじめとする7つの調査種類について解説します。

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1.インターネット調査(WEB調査)

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インターネット上でアンケートの回答を募る手法で、現代の「定量調査」の"定番"ともいえます。

【特徴1】時間とコストが抑えられる

インターネット調査は、WEBページを作るスキルがない方でも直観的な操作でアンケート調査票を作成し、オンライン上でサクサク回答を募って時間とコストをかけずにたくさんのアンケートを回収することができます。

その簡便性、そして利便性から多くの企業で利用されているだけではなく、近年では学生が卒業論文などの制作用に使用したり、インフルエンサーなどがSNS上でファンの声を聞くために利用したりとさまざまなシーンで活用されています。

【特徴2】多くのサンプルを集められる/出現率の低いサンプルも集められる可能性がある

調査会社がインターネット調査を行うために構築する「アンケートパネル」では、数万~数百万人規模の「アンケートモニター」を会員として囲っています。
多くの人が協力的にアンケートに答えてくれるので、例えば

「まだ利用者の少ない新規サービスを『利用したことがある』人」や
「Aが好きだけどBは嫌いで、Cを使っているけどDは使っていない人」など、

出現率(※1)の低い/複雑な対象者条件であっても一定以上の回答を用意できる可能性があります。

※1:出現率・・・アンケートに答えてくれた人の中で、該当する対象者条件に当てはまる人が出現する割合のこと。
例)東京都民のアンケート回答者100名のうち、山手線利用者は30名
=「都民の山手線利用者」出現率は30%

【特徴3】アンケートに回答してくれる人には"偏り"がある

アンケート回答者を選ぶ際に大切なのが"偏り"(バイアス)です。例えばインターネットをまったく利用しない人・苦手な人や70代以上の高年層の方だと、ネット上でアンケートに答えてもらうには難易度が高いことが多いです。

そのため、「70代におけるネット利用頻度が知りたい」といったアンケートをやりたいとした場合、インターネット調査での実施を選択してしまうとアンケート回答者が「ネットを使いこなしている人」に限定されてしまい、実態よりもネット利用頻度が高い結果が出てしまうと想定されます。

また、多くの場合アンケートに回答するとポイントがもらえることから、"ポイ活"目的で適当にアンケートに答える人も残念ながら存在します。
多くのアンケートパネル運営会社ではこういった回答を防ぐための取り組みを行っています。インターネット調査を実施する際には、アンケートパネルの管理がどのように行われているか事前に確認しておくとよいでしょう。

2.郵送調査

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紙やハガキで質問が書かれたアンケート用紙を用意し、郵便等で送る調査手法です。
DMなどの宣伝広告と一緒にハガキを同封して利用者の声を聞いたり、企業の担当者宛に郵送してビジネスに関する質問をしたり、とデジタルが普及した現代においても多くのシーンで利用されています。

【特徴1】多くの人に答えてもらいやすい

紙面上でのアンケートになるのでインターネットが使いこなせなくても回答でき、時間をかけて少しずつ書けることから子供から高年層まで、幅広い世代が答えやすいと言えます。
また、他の郵送物と一緒に送っても回答相手に嫌がられにくいなど、気軽に実施しやすいため多くの人にアンケートの依頼がしやすいとも言えます。

【特徴2】アンケート回答率や精度が低くなる可能性

特徴1の裏返しとも言えますが、気軽にできる分、回答をし忘れてしまったり、途中で飽きたり、アンケートが同封されていることに気づかずに捨ててしまったり・・・と他の調査手法よりもアンケートに答えてくれる人が少なくなりがちです。

調査会社に実施を委託し、事前に承諾を得た人に郵送調査の依頼をする/アンケート回答による特典を用意し、回答者のモチベーションを上げる、などの工夫で回答率は格段にUPさせることができます。なるべく事前に対策を打っておくようにしましょう。

また、アンケートに回答する環境を制御することができないので、たとえば自宅のリビングで家族と一緒にアンケートに答えていた場合、家族の意見も回答に反映されている可能性があるといったリスクもあります。

【特徴3】複雑・大量の質問を聞くことは難しい

回答者本人の解釈でアンケートに答えてもらう必要があるので、例えば
・Q1の質問で「X」と答えた人は次にQ3を、「Y」と答えた人はQ4とQ5を、「Z」と答えた人はQ2、Q3、Q4をこたえてほしい
・・・といった複雑な分岐をさせる質問を入れると誤答が増える恐れがあり、こういった分岐質問をしたい場合はWEB上で自動的に答えてほしい質問だけを表示してくれるインターネット調査のほうが向いています。

また、回答率の低下や郵送費の問題から、大量の質問を答えてもらうこともおすすめしません。

3.電話調査

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電話で音声にて質問をし、回答してもらう調査手法です。
代表的なものは政党支持率や内閣支持率を問う「世論調査」と呼ばれる意識調査で、自宅の固定電話やスマートフォンに電話がかかってきたご経験がある方も多いのではないでしょうか。

【特徴1】世間の"声"をスピーディに集めることができる

他調査手法がアンケート回答者の「スキマ時間」にやってもらうことが多いのに対し、電話調査は「今アンケートに答えてもらってもいいですか」という形でその場ですぐに回答を集められることが特徴です。

また、電話調査は「RDD方式(ランダム・デジット・ダイヤリング/Random Digit Dialing)」と呼ばれる、数字をランダムで選び生成した電話番号に電話をかける手法が使われることが一般的です。
これによりアンケートパネルに登録していない人や電話帳に電話番号を登録していない人にも調査のお願いをかけることができるので「今週末時点での内閣支持率は〇%、前週末に比べ〇ポイントUPです」といった特定のタイミングで世間一般の"声"が欲しいシーンに有用です。

【特徴2】若年層の回答を集めにくいことがある

特徴1で説明したように、電話調査ではランダムで生成した電話番号からつながった相手に調査をかけるRDD方式をとることが一般的です。
当然、その電話番号を見ても「この番号の並びなら電話に出るのはきっと若者だ」と判断することはできませんので、高齢化が進む日本においては、電話調査で若年層に出会う確率は年々低くなっておりアンケート回答数を集めるのに苦労する場合があります。

最近では自動音声でガイダンスを流し、アンケートの回答をプッシュボタンで「1」「2」と数字で回答してもらうやり方をとることで、人間のオペレーターでは限界がある「電話をかける」という行為を自動化させ、コストを減らしつつアンケート回答数を増やす取り組みも行われています。

【特徴3】アンケートで聞ける質問は簡単なもの、少量に限られる

音声のみで案内するため、長い文章で質問されても回答者側が覚えきれず、正確な回答が難しくなります。また、「今ちょっといいですか」という形でその場でアンケートに答えてもらうため、回答者を長時間拘束することはできません。

4.訪問留置調査

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調査員が自宅を訪問し、アンケート用紙を渡して回答をしてもらいます。その後、調査員が再び訪問し、アンケート用紙を回収する調査手法です。

【特徴1】相手の顔を直接見て、説明ができる

調査員と呼ばれる人たちが直接自宅を訪問し、説明ができるので普段調査に応じてもらいづらい人を説得したり、指さしながら高年層に丁寧な説明ができるなどのメリットがあります。
このことから、ボリュームの多い調査にも協力してもらえる確率が高まります。

また、アンケートの誤答や回答漏れなどがあった際にもその場で調査員が間違いを指摘できるのが利点です。

【特徴2】十分な数の調査員が、調査したいエリアで確保できている必要がある

訪問留置調査ではお宅に訪問してアンケート回答を促す役割を担う「調査員」の存在が欠かせません。
見ず知らずの相手に快くアンケートに答えていただくためのコミュニケーションスキルや、アンケート回答が正しく行われているかのチェックスキル、移動が多く伴うため一定の体力も求められることから調査会社などの"プロ"にお願いするのが一般的です。

また、交通の便が悪いエリアや人口が少ないエリアでは、物理的/コスト的に調査員を向かわせること自体が難しいこともあります。

5.会場調査(CLT)

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予め用意した会議室などの会場に、回答者に来てもらってアンケートに答えてもらう調査手法です。
回答者は事前にアンケートパネル内で募集をかけて来場を確約しておくケースと、会場前の入り口近辺で声をかけ、その場で回答者を探して来場してもらうケースがあります。

【特徴1】回答者の「回答環境」をコントロールできる

会場調査では、企業側が指定した会場にて、関係者が見守る中でアンケートに答えてもらうことができます。

まだ発売されていない/発表されていない商材についてアンケートをかけたい場合、自宅やオンライン上での調査は情報漏洩のリスクが伴います。
その点、会場調査であれば、新商品の持ち出しやスマホでの写真撮影・スクリーンショットなどを行われるリスクを格段に減らすことができます。

また、例えば「その場で作った中華料理を試食してアンケートに答えてもらいたい」といった試食・試飲を伴うアンケートにおいても有用です。
自宅で回答者に調理してもらっての評価となるとその人の調理スキルによって味が変わるリスクがありますが、会場調査であれば調理スキルやできあがってから試食するまでにかかる時間などもコントロールし、統一された環境下で味の評価をしてもらうことができます。

(試食・試飲調査の場合、実際にその商品が発売された後自宅で食べたり飲んだりした際の評価をとりたいのであればホームユーステストのほうが適しています。詳細は7.ホームユーステスト(HUT)をご覧ください。)

【特徴2】会場に来られる人しかアンケートに回答できない

会場調査は、多くの人が来やすい街中の貸し会議室など特定の1~数か所にて実施されることが多いです。
例えば「Z世代の女性に意見を聞きたい」なら渋谷や新宿など/「お年寄りに意見を聞きたい」なら巣鴨など、です。

その場で声をかけて回答者を集める場合、渋谷駅前の貸し会議室が会場であればその会場の前をたまたま歩いていた人しか回答者にすることはできませんので、回答者には「渋谷に来る人」という偏り(バイアス)が出ます。

また、事前にアンケートパネル内で募集をかけて回答者を集めるにしても、会場までの距離が物理的に遠い人や足腰の悪い人、インドア派の人などは参加してもらえる可能性が低くなるのでアンケートで聞きたい質問内容および会場となる場所がどこなのかによって、会場調査が適さない場合もあります。

6.街頭調査

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街中で声をかけ、その場でインタビューする調査手法です。テレビ番組等でよく流れていることからなじみのある調査手法でもあるといえるでしょう。

【特徴1】タイムリーな"生声"をスピーディに集めたい

街中で声をかけて、その場ですぐに調査結果を出せるのが大きな特徴です。
スピードという点では3.電話調査も同様ですが、電話調査の場合は「回答は1番または2番のどちらかで答えてください」といった選択肢を選ぶ形式での定量的なアンケートのみとなります。

街頭調査は、インタビュアーがその場で相手に質問をするため相手の回答に合わせて(もともと予定していない)質問をその場で追加したり、質問内容に対する感想などの定性的なアンケートもとることができるのがポイントです。

【特徴2】十分な数のインタビュアーが、調査したいエリアで確保できている必要がある

4.訪問留置調査と同様、該当調査のキモとなるのはインタビュアーです。
見ず知らずの人に声をかけ、調査に協力してもらい、快く回答してもらうコミュニケーションスキルが問われます。またサンプル数を多く集めたい場合、インタビュアーを複数用意する必要もあります。

【特徴3】その場にいた人しかアンケートに回答できない

5.会場調査(CLT)同様に、街頭調査は文字通り「街頭」で行うものですので、その場をたまたま歩いていた人にしかアンケートに答えてもらうことはできません。
例えば「高校生100人のうち、アウトドア派は〇%、インドア派は〇%」という調査結果が欲しい場合、街頭調査ではアウトドア派に大きく偏った結果が出てしまうことが容易に想定されます。この場合はインターネット調査のほうがおすすめです。

また、声をかけても協力してくれる人には限りがあり、多くのサンプルを集めたい場合にも非効率です。大量に、かつスピーディに回答を集めたいのであれば、インターネット調査や電話調査を選択したほうがいいでしょう。

7.ホームユーステスト(HUT)

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【特徴1】実際の利用環境と同じ状態での評価が長期間にわたって取得できる

ホームユーステストは、直訳すると「家で(Home)使う(Use)調査(Test)」となり、日用品や化粧品、電化製品など一般消費者が自宅で使うものについての評価を取りたいときによく使われます。

・その商材の使い方は、企業側が想定した通りか?意外な使われ方はされていないか?
・(食べ物の場合)その商材を用いてどんな料理にアレンジされているか?
・(スキンケア化粧品の場合)使ってもらった結果、どんな効果を感じたか?(感じていないか?)
・(電化製品の場合)消費者が使いこなせているか?使いこなせていないとしたら、原因は何か?

・・・など、その商材の"リアルな利用シーンに基づく評価"を回答してもらうことができるのがポイントです。
自然な形で利用してもらえることから、利用シーンを写真に収めてもらったり、日記形式で「いつ・どこで・どう使って・どう感じたか」などを長期間記録してもらうことも可能です。

なお、回答者に自由に使ってもらう分、その商材の使用環境が適切であるかは回答者本人の自己申告に委ねられます。統一された環境下で調査をかけたい場合は、5.会場調査(CLT)をおすすめします。

【特徴2】送付した商材を返送してもらいたい場合、100%返送されるのが難しい場合がある

たとえば発売前の新商品や、他社の商品も含めてホームユーステストをしたい場合などは、機密保持のため調査が終わったら送付した商材を回答者から返送してもらいたいという企業も多いです。

ホームユーステストに協力いただく回答者の方には、当然ながら事前の機密保持や返送についても合意の上で実施はするものの、対面でのやり取りではない以上途中で連絡がつかなくなる人が出てくることもゼロではありません。
機密保持を絶対に維持したい場合は、5.会場調査(CLT)で会場内でのみ商材を使用できる環境を用意するほうが無難です。

8.調査手法比較まとめ

ここまで説明した内容を含む各調査手法を横並びで比較できるまとめ表が以下です。
調査の実施を検討する際の参考になさってください。

【調査手法比較まとめ1】○×比較83502_08.png

【調査手法比較まとめ2】実施が向いているシーン/留意点83502_09.png

【最後に】アンケート調査「済み」のデータベースを使うという方法もある

ここまでアンケート調査の「作り方」について説明してきましたが、イチからアンケート調査を企画せずともアンケート調査ができる方法もあることをご存じですか?

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