ラグビーワールドカップ テレビ視聴動向 〜ラグビーワールドカップ2019日本戦を振り返る〜

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ラグビーワールドカップ テレビ視聴動向 〜ラグビーワールドカップ2019日本戦を振り返る〜

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅前回ラグビーワールドカップの視聴動向を知りたい方
✅大型スポーツイベントに関心のある方
✅ラグビー日本代表を応援している方

1.はじめに

2023年9月8日(金)(日本時間:9月9日(土))から「ラグビーワールドカップ」がフランスにて開催されます。2019年に日本で開催された前回大会から早4年、今大会も日本代表チームの活躍に期待が高まります。この記事では、前回ラグビーワールドカップの日本戦について、テレビ視聴データで振り返ります。

2. 2019年は日本代表戦5試合いずれかを見た人が8700万人超

前回のラグビーワールドカップは2019年9月20日(金)から11月2日(土)までの間、日本国内12の都市で開催されました。日本チームはグループリーグを全勝の1位で通過し、日本ラグビー史上初となる決勝トーナメントに進出。準々決勝で南アフリカに惜しくも敗れましたが、その活躍は日本中を熱狂させ、ラグビーファンを増やしました。また、アジアで唯一、世界の強豪を指す上位グループ「ハイパフォーマンスユニオン」に加入しました(2023年5月)。前回の大会は、 日本ラグビーが新たなステップに踏み出した重要なきっかけだったと言えるでしょう。

前回大会では、日本テレビ、NHK総合、NHK BS1による生中継に加え、J SPORTSとDAZNのライブや録画での放送・配信があり、楽しみ方は様々でした。ここでは、テレビ放送でどれくらい見られていたのかを見ていきます。

まず前回大会の日本戦が全国でどれだけの人に見られたのか、推計番組視聴人数*を確認してみます【図1】。初戦(ロシア戦)、2戦目(アイルランド戦)は3,000万人台でしたが、3戦目(サモア戦)で4,600万人を超え、グループリーグ最終戦(スコットランド戦)では5,486万人、準々決勝の南アフリカ戦では5,971万人と、試合を重ねるごとに増加しました。そして、日本代表戦5試合いずれかをリアルタイムで見た人は推計約8,731万人に到達しました。

ラグビーワールドカップ2019日本戦の推計番組視聴人数

*全国27地区の推計番組視聴人数(2019年当時の視聴率調査は全国27地区で実施)。2019年当時の推計番組視聴人数の算出方法などは当社プレスリリースをご参照ください。
※参照:当社プレスリリース https://www.videor.co.jp/press/2019/191106.html

3.世帯視聴率(関東地区)は準々決勝(南アフリカ戦)で41.6%

では、視聴率はどうだったのでしょうか。関東地区の平均世帯視聴率の推移を確認してみると、全国での推計番組視聴人数と同様に、グループリーグ初戦から回を重ねるごとに上がっていったことが特徴的でした。グループリーグ初戦(ロシア戦)の18.3%から、2戦目(アイルランド戦)の22.5%では、4%程度の上がり幅でしたが、アイルランド戦の勝利で注目が集まり、3戦目のサモア戦では32.8%と急上昇。グループリーグ最終戦のスコットランド戦は39.2%でした。そして、決勝トーナメントに進出した準々決勝の南アフリカ戦では、さらに高まる期待感と併せて平均視聴率41.6%を記録しました【図2】。

日本代表戦の番組平均世帯視聴率推移

4.グループリーグ3戦目(サモア戦)以降、若年層や女性の視聴率伸長

日本チームが勝つにつれて世帯視聴率が上昇していったことがわかりましたが、性年代別に見ても、ほぼどの層においても試合を追うごとに視聴率が高まっていったことがわかります【図3】。初戦のロシア戦に比べ、アイルランド戦では男性50代以上の上昇が顕著ですが、サモア戦以降では、男性20-34才、男性35-49才をはじめとし、女性35-49才、女性50才以上の視聴も目立ちます。また、男女4-12才の視聴率も伸びていることから、日本代表戦を見るために、テレビの前で子どもも含めて家族全員で視聴していた様子も推察できます。

日本戦 性年代別視聴率

※NHK総合で放送されたアイルランド戦の視聴率は高位1番組のものを掲載

(関東地区)

5.最後に

2019年のラグビーワールドカップを改めて振り返ってみると、日本チームが勝ち進むほど、若年層や女性層など幅広い視聴者層を取り込んでいったことがわかりました。
また、「ONE TEAM」や「笑わない男」「にわかファン」といった関連用語が生まれるなど、全国で盛り上がりました。勝ち続けた試合展開はもちろんですが、選手の努力やチームビルディングがわかるような番組内での情報発信や、ワールドカップ終了後の興奮が冷めやらぬタイミングでのバラエティ番組への出演、感動シーンや選手裏話などを楽しめる余韻も貢献したのではないでしょうか。

しかし、野球やサッカーに比べると、ラグビーファンの拡大余地は十分にあると思われます。前回のような情報発信がなされることはもちろん、今年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で初心者向け解説が好評を得たように、ラグビーについてもさらに解説や実況をわかりやすくすることで、より多くの人が視聴し、ラグビーへの理解が進むと、筆者個人としてもうれしいです。9月から始まる今大会も日本チームが勝ち抜いて盛り上がりますように。

いかがでしたか?

この記事では、前回のラグビーワールドカップ2019の視聴動向をご紹介しました。
もちろんこのような視聴データ分析は、今回大会のみならずその他大型スポーツイベントの分析などでも活用可能です。
ご興味お持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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