信頼度の高い「ACR/ex」のデータを分析し、「戦略ターゲット」の解像度を上げる!朝日広告社で20年以上活用し続ける理由とは?
【事例】株式会社朝日広告社
DXメディア本部 メディアソリューションセンター プランニング第二部 部長
加藤 慶 氏
新聞、雑誌、テレビ、インターネットなど、幅広いメディアで広告やPRに関する業務を展開する株式会社朝日広告社。2024年11月に創業100年の節目を迎える同社は、これからの100年を見据え、「コミュニケーションサイエンスで、幸せが循環する未来をつくる」ことをパーパスに掲げています。
同社では、広告の戦略ターゲット設定に、約20年前からビデオリサーチが提供する「ACR/ex」を活用しています。「網羅的にデータを抽出できるので使い勝手がよく、プランニングの出発点として利用価値が高いと感じている」というメディアプランナーの加藤慶氏に、活用状況、その効果などについて伺いました。
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【導入目的】
・「ACR/ex」をメディアプランニングにおける「戦略ターゲット」設定に活用。ターゲットのメディア利用環境や特徴的な意識などの分析に約20年間、使い続けている。
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【長期活用の理由】
・戦略ターゲットの細分化が進む中、多様な項目について信頼できるデータを活用する必要があった。
・特に消費者の意識に関するデータは、網羅性において「ACR/ex」が随一だと感じていた。
・時代性に即した設問が随時追加されるので、トレンドをつかみやすい仕様になっている。 -
【効果】
・戦略ターゲットを詳細に分析でき、それらをまとめた提案書はクライアントから大きな信頼を得ている。また、競合コンペでの案件獲得にもつながっている。
・「ACR/ex」による分析データがプランニングの核となり、プロジェクトの方向性がぶれなくなった。
・長期活用により社内での認知度が高く、分析手法についての共通認識が確立されている。
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【ACR/ex】詳細はこちら
2011年の入社当時から活用! 日々の業務に欠かせないツール
所属されている部署での業務内容、「ACR/ex」活用における役割をお聞かせください。
現在、テレビや新聞、雑誌、交通、Webサイトなど、多様なメディアの広告を扱っているメディアソリューションセンターで、メディアプランナーをしています。多様なメディアをどう組み合わせたら、クライアントの課題解決につながるのか。その方法を考えて提案するのが、私の任務です。
朝日広告社では、「ACR/ex」を約20年前から使っていたんです。私も先輩社員に教わりながら、主に戦略ターゲットの意識や人数などのボリュームの把握、メディア利用環境の分析に活用しています。
クロス集計を使っていろいろな切り口のデータを確認でき、ターゲットの解像度を上げることができる「ACR/ex」は日々の業務に欠かせませんね。
「ACR/ex」による分析が、企画の要に! 競合コンペの獲得にも貢献
実際に業務のなかで、「ACR/ex」をどのように活用されているのでしょうか?
「ACR/ex」の活用方法は、大きく4つあります。一つめは、「ターゲットのメディア環境を知る」こと。これは、現在の業務であるメディアプランづくりに直結します。例えば、戦略ターゲットの年齢層、性別、役職、年収といった基礎情報と、生活意識や行動データをクロス分析することで、メディアの接触頻度や、番組別・時間帯別の接触率を把握し、メディア選定に活用します。
二つめは、「戦略ターゲットのボリューム(推定人数)を把握する」ことです。例えば、設定したターゲット総数のうち顕在層・潜在層それぞれの推定人数や比率を分析していくという使い方です。狙うべきターゲット層の規模感を把握できるので、ターゲット選定や戦略の優先順位づけに役立ちます。
そして三つめが、「戦略ターゲットの特徴的な意識を知る」こと。狙うべきターゲットの特徴的な意識を、多様な視点からみていくことで、「このような意識を持った人たちには、こういうメッセージが響くのではないか」といった、クリエイティブ面における開発のヒントとして活用しています。
さらに四つめが、「各メディア利用者間の重複を確認する」ことです。例えば、XとInstagramの重複利用者がどのくらいいるのか。どのメディアを使えばトータルのリーチが一番広がりそうか。このように、メディアの選択の仕方を探るために活用することもあります。
これらの業務において、「ACR/ex」の具体的な効果を教えてください。
「ACR/ex」は何らかの形でほぼ全ての案件で活用していて、その効果はたくさんあるのですが......。一番わかりやすいのが、競合コンペでの案件獲得ですね。コンペで提出する資料には、必ず「ACR/ex」データの分析結果を冒頭部分に入れ込んでいます。なぜなら、これらのデータは提案書の最も重要なキースライドとなるからです。
実際、プレゼン時に感じるのは、「ACR/ex」のクライアントからの信頼度の高さです。バイアスのかかっていない大規模調査データから導き出した分析は、あらゆる立場の人と共通理解を得るためには欠かせません。具体的なプランを語る前に「ACR/ex」を活用した分析データを入れることで、提案に説得力を持たせることができます。
そのほか、アイスブレイクの役割も担ってくれますね。分析データに時代性・メディア性に即したキーワードが散りばめられていることから、クライアントとの会話が弾むきっかけにもなっているんです。
また、企画段階では提案のストーリーを組み立てるうえでも、非常に役立っています。分析データをフックに提案内容に起承転結をつくることで、プレゼン後に余韻を生み出し、納得感を増長させることが可能になります。
さらに、企画段階からキャンペーン実施中までを通して、ターゲット像がぶれそうになったときや、迷いが生じたときに立ち返る指針としても秀逸です。「ACR/ex」で調べたデータがあれば、どのターゲットを優先するべきなのか、どのメディアを優先するべきなのかが一目でわかるので、プロジェクトのメンバーとクライアントが粒度を揃えてゴールへの共通認識を持つことができるんです。
長期利用している理由と、そのノウハウを引き継ぐポイントは?
朝日広告社ではこれまでに「ACR/ex」を20年以上使い続けていると聞いています。長期利用されている理由はなんだと思いますか。
第一に、意識・メディア・商品関連など、網羅的にデータが抽出できるので、使い勝手が良いことですね。また、約20年間使い続けているからこそ、社内での「ACR/ex」の認知度も高く、「このデータを『ACR/ex』で確認しておいて」といった会話が頻繁に交わされているんです。さらに、時代に合わせて設問項目が更新されていてトレンドがつかみやすいのも、理由の一つだと思います。
現在は高度な分析もこなす加藤さんですが、ご入社当時に「ACR/ex」に対してどんなことを感じていらっしゃいましたか。
社内では勉強会もあったのですが、当時は基本、独学でした。社内のマニュアル資料や先輩プランナーがつくった企画書を見ながら、「このデータはどうやって導き出したんだろう」と、実際に手を動かしながら理解を深めていました。
正直に言うと、最初は「ちょっと難しいな」とは思いましたね。設問が広くて網羅的だという良さがある反面、最初はどんな設問があるかも想像がつかなくて。でも、これが分かれば本当に使いやすいのは事実です。現に今では、とても便利で手放せないツールだと思っていますからね。
そんな経験を経て、今では社内にノウハウを引き継ぐ立場になられています。その際に心掛けていることはありますか。
引き継ぎの共有会では、自分の体験に基づいて実践的な観点で教えることに加えて、対象者の使用頻度に応じて、説明の仕方を変えるようにしています。
「ACR/ex」の使用頻度が高いプランナーに対しては、「自分で考えて、自分の欲しいデータを抽出するためは?」ということを念頭に置いてレクチャーしています。そのために、単に使い方を教えるだけでなく、調査エリアやサンプルの抽出方法、データの更新頻度など、調査の概要や仕組みなどもしっかりと伝えるようにしています。例えば、この項目は何年前から継続して調査しているのかが分かれば「年ごとの推移が出せるな」と気づくことができる、といった具合です。
一方、使用頻度の低い営業には、画面共有しながら、データ抽出の「手順」を中心に。また、新入社員には「使い方」を教えて、ツールに慣れてもらうことに力点を置いています。
丁寧なサポートが魅力! 今後も網羅性のあるデータ基盤づくりに活用したい
今後も、「ACR/ex」をターゲット分析に活用されると思いますが、活用の構想やご意見があれば教えてください。
クライアントに良い提案をするために、「ACR/ex」は信頼性と実用性のうえで欠かせないツールです。実はほかにも、ビデオリサーチの「クリエイティブカルテ」や他社データも活用しているのですが、「ACR/ex」はセットされている基礎情報や意識データの多さが随一。また、ターゲットのプロフィールを抽出する際も、一発で分かりやすいグラフが出てくるなど、使い勝手の良さも魅力です。
ビデオリサーチはサポート体制が手厚く、同じチームのメンバーのような近い距離感でいつも寄り添っていただいています。これからも、よろしくお願いいたします!