「データ連携により実現する世界」 テレビ視聴ログを使ったデータ拡充の最前線

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#Resolving LAB 視聴ログデータ #テレビ #デジタル #視聴実態
「データ連携により実現する世界」 テレビ視聴ログを使ったデータ拡充の最前線

個人情報の取り扱いが厳しくなる中、保有データの情報リッチ化の観点ではCookieやADIDといった『個人情報と紐づかないID』活用への関心が高まりつつあり、ここ1年でお問い合わせが増加傾向にあります。その一因としてデータの整備がより進んだことが挙げられるでしょう。
ビデオリサーチのグループ会社であるResolving LAB社(以下RL社)が整備する視聴ログデータは、2021年10月現在で約1,800万推計個人の詳細な「テレビ視聴実態」と「生活者属性情報」を備えた巨大マーケティングデータです。
このデータを用いることで、これまで連携数の確保が難しかったケースに関しても、貴社保有データへの属性付与が高次元で可能になると考えられます。今回は、最新のデータ連携事情をご紹介します。

巨大マーケティングデータ:RL社のテレビ視聴ログ

日本国内のテレビメーカーログを複数整備したRL社のテレビ視聴ログは、2021年10月現在では全国650万台の視聴ログを備えています。これに、ビデオリサーチの保有する特許技術「個人分離」を用い、視聴ログを1,800万推計個人に分離、さらに視聴率と生活者データベースACR/exのデータフュージョンであるADVANCED TARGETのノウハウを用い、約1.5万問15万レコードの生活者情報を付与しています。(図表1)

図表1:Resolving LABテレビ視聴ログの概要
Resolving LABテレビ視聴ログの概要

つまりRL社のテレビ視聴ログは、約1,800万推計個人を対象に24時間365日各エリアのテレビ視聴実態だけでなく15万レコードに及ぶ生活者属性情報を捉えた巨大マーケティングデータなのです。
この中には、外部データと連携可能な一部個人ID(約1,100万ID)が存在します。連携により、24時間365日各エリアのテレビ視聴実態と、約15万レコードの生活者属性情報が、貴社保有データと突合し紐づけて分析することができるのです。

RL社テレビ視聴ログの特長:件数×情報量×正確さ

生活者が多様化し個人最適が重要になる昨今、テレビ視聴ログ活用の肝となるのはデータの個人化です。しかし視聴ログはテレビの稼働状況を示すデータであるため、特定個人の視聴までは捉えられません。
RL社が視聴ログの個人データ化に用いる「個人分離」は、ビデオリサーチの視聴率を教師データに視聴実態から家族構成や個人を推計し、視聴を個人単位に分離する機械学習の手法です。個人データの作成において、機械学習による推計を用いることで、以下のようなメリットがあります。

・市場推計データである視聴率を教師データに正確さにこだわることができる
・個人が紐づく件数を担保することができる

正確さと規模感を担保して整備した推計個人のテレビ視聴ログに、これもまた正確さを担保するエリア・ランダム・サンプリングで調査を実施している生活者データベースACR/exの項目をデータフュージョンすることで、特性実態やペルソナ把握が可能になります。
視聴実態と生活者データのデータフュージョンキーは、「テレビ視聴実態」です。ACR/exでは特定1週間のテレビ視聴実態を毎5分単位で捕捉しており、調査タイミングのテレビ視聴ログと性年代などのフュージョンキーにより、より正確で肌感覚に合うデータフュージョンを実現しています。

テレビ視聴ログの連携例

ここまでご紹介したRL社のテレビ視聴ログへの外部データ連携方法は、貴社保有データ内にどのようなデータが存在するかにより様々です。連携の方法例は図表2の通りです。
昨今ではトレジャーデータのトレジャーグローバルID(TDGID)を活用するケースも増えています。

図表2:Resolving LABテレビ視聴ログと外部データ連携の主な手法

Resolving LABテレビ視聴ログと外部データ連携の主な手法

よく懸念される連携数ですが、今までよりも潤沢な件数のデータ突合が可能になっています。
過去実施した案件では、保有データの件数が1万に満たない外部パネルと連携したケースがありました。その際でも200件弱の突合連携ができ、視聴実態を十分にご確認いただくことができました。

図表3:貴社会員様のセグメント軸イメージ

貴社会員様のセグメント軸イメージ

潤沢な件数があることで、貴社保有データをセグメント化した属性ごとの細かい分析が可能になります。
例えば特定ページを閲覧された方というような行動実態によるセグメントや、コミュニケーション目線では広告の接触や反応の有無によるセグメントです(図表3)。これらセグメント別にテレビ視聴実態や生活者意識特性、デジタル上での関与を確認できるため、会員様のコンディションに合った施策検討の材料として活用していただけます。
続いては、RL社のテレビ視聴ログ連携の活用事例をご紹介します。

連携して見えること

貴社保有データとRL社のテレビ視聴ログを突き合わせてできる分析は様々です。従来当社が得意としてきた広告・メディア領域の分析だけでなく、昨今では様々な分野でデータ活用が進んでおり、筆者もその活用方法に驚くとともに気づかされることが多いです。
以下はこれまで活用されてきた内容の一部を記載しますが、これに留まらない活用も考えられます。活用方法やデータの出力、分析も含めビデオリサーチがサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください(こちらからぜひお問い合わせください)。

貴社保有データに付与する情報

<ペルソナ像描写目線>
・日常生活意識の俯瞰
・趣味・レジャー活動
・自由時間の過ごし方
・よく見るテレビ番組や動画ジャンル

<マーケティング活用目線>
・商品関与
・各メディア(テレビ・デジタル・その他)利用実態
・情報・購買意識

<コミュニケーション目線>
・広告への反応や意識特性
・各メディアで期待できる態度変容の推計
・広告出稿による接触実態把握

※ペルソナ描写イメージ
ペルソナ描写イメージ

データの分析、出力のイメージ

保有データの情報リッチ化において「何をどう可視化すればよいか?」と疑問に思われる方も多いかと思います。当社ではデータの可視化からサポートさせていただており、目的やニーズに合ったビューアを整備しています。
図表4は、中でも最も可視化しづらい貴社保有パネルのテレビ視聴実態を可視化するビューアイメージです。こうした当社の知見を活用いただくことで、より短時間に連携した結果を可視化し活用を開始頂ける点もメリットです。

図表4:ビューアイメージ
ビューアイメージ

今回は再び関心が高まっている貴社保有データの情報リッチ化について、RL社が整備する巨大マーケティングデータ「テレビ視聴ログ」との連携をご紹介しました。
今まで連携件数で課題の多かったこの分野でも、推計個人1,800万件の巨大データであれば現実味を帯びることも多くなります。「テレビ視聴実態」だけでなく膨大な「生活意識情報」も情報リッチ化の対象になりますので、ぜひ一度ご検討いただければ幸いです。


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