「CM認知を押し上げるタレント・キャラクターのチカラ」前編 ~クリエイティブカルテのご紹介vol.7 ダイハツミラトコット狭い道篇~

青島 弘幸
ソリューション局 マーケティングソリューション部
青島 弘幸
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こんにちは。久しぶりにクリエイティブカルテ®の記事を投稿します。今回は大人になったちびまる子ちゃんの実写化で話題のダイハツミラトコット「狭い道編」を取り上げ、タレント・キャラクターがどのくらいCM認知を高めるのに影響があるのか分析してみました。前編・後編に分けてご紹介します。

軽自動車の販売動向

軽自動車は低燃費、低価格により自動車市場全体の中でも好調さがうかがえましたが、実のところ2015年の軽自動車への増税はかなり売れ行きに影響を与えた模様です。

図表1.四輪乗用車台数

トコット1.png

しかし、2017年秋に発売されたホンダの新型N-BOXは「軽」らしかぬ豪華さで人気を集め、また、ムーヴ、タント、ワゴンR、スペーシア、DAYZといった車も販売好調で、軽自動車市場は再び活況を呈し始めているようです。

女性に狙いを定めたミラトコット登場

ホンダのN-BOXは2018年に入っても好調さが伝えられる中、二大軽自動車メーカーのスズキ、ダイハツから今夏、新型ジムニー、ミラトコットが発売されました。ジムニーはクロスカントリー、ミラトコットは街乗りタイプと対照的な2台で、ますます軽自動車の選択の幅が広がり魅力ある市場になっています。

今回取り上げるミラトコットは、女性社員のみでプロジェクトチームを組み企画されたクルマで、車の運転が苦手な人、運転歴が短い若い女性をターゲットに開発されました。

【公式】 ミラトコット(TOCOT)ホームページ

カワイイというより、とてもシンプル!と感じる外観ですが、死角になるような前方をカメラで確認でき、エアバックが前だけなく横にも頭上にもついているなど、安全安心にもこだわったクルマです。

まるちゃん、余裕のよっちゃんで対向車をかわす

さてCMの話に入ります。

ミラトコットのCMは6月末から「登場篇」がオンエアされ、今回紹介する「狭い道篇」は7月からオンエアされた2作目の作品になります。

対象のCMはこちらから視聴できます。

大人になったまる子を演じているのは吉岡里帆さん。(このCMではなく)登場篇で確認できますが、トレードマークの赤い吊りスカートではなく、赤いサロペット・オーバーオールをはいています。おかっぱ頭が似合っていて、個人の感想ですが、まるちゃん再現率は高い!と思いました。

狭い道で対向車とスレスレにすれ違わなくてはいけないなんて、クルマの運転ではよくある困ったシチュエーションですが、これを吉岡里帆でなく、まる子として対向車をかわすことで、「あー、このクルマはあのおっちょこちょいのまる子でも楽々運転できるんだなぁ」と伝わります。

狭い道の運転を描いたCM同士の比較

では、このCMの評価はどうだったでしょうか。ライバル車種の日産DAYZのCMでも女性が狭い道を楽々運転して進んでいくという描写がされているので、このCMと比較してみました。

(このCMはこちらから視聴できます。)

図表2.広告の評価(女性15-69歳)
※N=270、ノーム値は自動車カテゴリーCMに絞ったもの

vol.7 図表2.広告の効果.JPG

ダイハツ ミラトコット:2018年7月13日調査回
日産 DAYZ:2018年1月19日調査回

日産DAYZはファッションモデルの吉田沙世さんが起用されています。どちらのCMもキャラクター適合度は高く、広告好意度も互角です。興味・関心喚起度は日産DAYZの方がやや高く、CMの中でクルマの機能的特徴をより詳しく描いている点が理由だと思われます 。

両者の評価で大きく開いているのは継続視聴意向で、日産DAYZもノーム値並みで悪くはありませんが、ミラトコットはノーム値より16ポイント以上高い位置にあります。「このCMの続編をみてみたい?」という質問なのですが、なぜこんなに高い回答率が得られたのでしょうか。この理由を調査対象者の自由回答から探ってみると、「ちびまる子ちゃんの色んなキャラクターをもっとみてみたい」という期待が高いことが推察されました。

今回、花輪君は竜星涼さんが演じていますが、実は次のCMのオンエアが始まっており、その中では井之脇海さんが学級委員長の丸尾君を演じています。ちょうど、「義母と娘のブルース」で注目度が高まっている俳優さんですね。これからも続々、アニメのキャラが登場してきそうです。

ちびまる子ちゃんには、この他にも父親のひろしやお母さん、お姉ちゃん、おじいちゃんの友蔵、おばあちゃん、野口さん、はまじ、プー太郎、永沢、藤木、山田などなど個性的なキャラが沢山存在します。もしかしたらキャラがリアルに実在し有名なFC東京の長谷川健太監督も出演されるかもしれません。CMの評価はシリーズ化されると高まる傾向にあるので、このCMのポテンシャルは相当高いといえるでしょう。(たまちゃんは1作目に既に登場。)

CMの認知効率について

そして、この国民的キャラクターを起用した効果は次の指標に表れます。それは広告認知率です。

下図は調査時点でのGRPと広告認知の関係を表したものですが、ミラトコットは自動車広告の標準的なGRPと広告認知の関係性のラインから大きく上方に布置されています。

図表3.CM認知率(女性15-69歳)

※曲線は自動車カテゴリーノーム

3トコット.png

ミラトコットの「狭い道篇」は調査日までに女性15-69歳ターゲットに対し862GRP出稿されました。この出稿量に対するクリエイティブカルテの過去の自動車CMから期待される広告認知率の平均は36%くらいですが、ミラトコットCMは63%も認知されていました。こんなに認知効率が高いのは、誰もが知っているちびまる子ちゃんのキャラクターを使うことで、多くの人の興味を引く事が出来たからでしょう。

テレビCMには様々な目的があるので一概にはいえませんが、ミラトコットのような新車の場合、まず多くの女性に広く遍く知ってもらうことが重要だと思われます。その際、有名なタレントやキャラクターは大変効果的であることがこの事例から分かります。

では、タレントやキャラクターを使うと一般的にはどのくらい認知効果が期待できるのでしょうか。後編では、データサイエンス的な手法を用いて、その効果を計量化した分析をご紹介いたします。

「CM認知を押し上げるタレント・キャラクターのチカラ」後編~クリエイティブカルテのご紹介vol.8 蓄積データ分析篇~ はこちら

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