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2022年06月17日

【ニューメディア社主催USAメディア勉強会レポート】第3回|米のテレビ視聴の実態と、日本のテレビ広告事情の違い ―視聴計測の重要性と、求められる高品質コンテンツ、そしてチャレンジ

VRDigest編集部
VRDigest編集部

【ニューメディア社主催USAメディア勉強会レポート】第3回|米のテレビ視聴の実態と、日本のテレビ広告事情の違い ―視聴計測の重要性と、求められる高品質コンテンツ、そしてチャレンジ

株式会社ニューメディア主催の勉強会「米放送業界の広告ビジネスモデルを日本と比較しながら知る~NAB 2022カウントダウンセミナー~」が、2022年3月から4月にかけて開催されました。   
登壇者として、米国放送業界アナリスト/NSI Research 代表・テッド若山氏と、当社グループのビデオリサーチUSA President & CEO・谷口氏が参加し、米国と日本をZOOMでつなぎながら、ディスカッションを交えたスタイルで行われました。
ここでは、3回目の勉強会のエッセンスを谷口氏が紹介します。

【勉強会プログラム】
第1回目 2022年3月31日
テーマ|米と日本の放送制度とビジネス構成の違いからDXのアプローチを考える ~Netflix成功が塗り替えた考え方とアプローチ~」→こちら
第2回目 2022年4月7日
テーマ|米のテレビ視聴の実態とアドレサブル広告、日本のテレビ広告事情の違い →こちら
第3回目 2022年4月8日
テーマ|米のテレビ視聴の実態と、日本のテレビ広告事情の違い


■テレビからデジタルへシフトする中で、精確な視聴調査が求められる理由と課題

 放送局と広告エージェンシー、広告主の三者の間で価値観を共有することは重要です。というのも、それぞれの立場により課題感が異なるからです。放送局は、広告枠を1ドルでも高くエージェンシーに売ろうと考えています。エージェンシーは何百ドルもある広告予算をいかに効率よく捌くかを考え、広告主は予算に対する成果の最大化を望みます。
 もちろん、三者間では押し引きや水面下のやりとりがあるので単純な話ではありません。たとえばアップフロントでは、年々テレビの視聴率が下降傾向な半面、上昇するCPMに嫌気が差す広告主も多いと聞きます。  
 とはいえ、理念は共通していて、従来のテレビからデジタルへシフトする中で、それぞれ、なるべく精確に視聴の実態を計測することが求められています。なぜなら、将来的には結果をベースに逆算して出稿費用としていくのが適切であると考えているからです。
 しかし、現実ではそう簡単にはいきません。デジタル分野から参入したメディアや、テック分野から参入した企業などは、自社がファーストパーティとしてデータを取得しているため、エージェンシーは不要という考えがあるからです。
 また最近では、広告展開として、テレビが先なのか、ストリーミング配信が先なのかわからないケースも多くあります。これらを含めて、前述の三者が納得できる計測手法を確立する事が、今でも課題として残っています




■アメリカの放送局に求められるのは「高品質コンテンツ」

 放送局にとって、YouTubeはライバルであると同時に「広告費を稼ぐメディア」でもあり、広告を配信する流通経路としても機能しています。もちろん、TwitterやFacebookも流通経路として使用します。なぜならば、それぞれ主な視聴者層や特性が異なるためです。リーチを広げるためには、コンテンツを変えていくことも必要ではないでしょうか。

 今、アメリカの放送局は電波をどうこうするというステージではなく、自らがコンテンツホルダーであるという考え方が主流です。自分達はコンテンツを持っていて、そのコンテンツをいかにして売るか、ということが課題になっているというわけです。

 日本のテレビ局のコンテンツを、日本のCTVで見ている視聴者も多いことでしょう。そのようなことがアメリカでは頻繁に行われ、より競争が激しくなっているのがアメリカにおけるテレビを取り巻く状況と言えるかもしれません。

 たとえば、Netflix。彼らの成功要因はいくつかあると思いますが、「良質なコンテンツ制作」が鍵になっていると考えています。同社は、2021年にコンテンツに約200億ドル(2兆円強)を費やしたと言われていますが、その支出の約85%がオリジナルコンテンツ向けです。この投資額が、Amazon、Hulu、HBO Nowなどの競合他社よりも多いことは明らかです。

 つまり、視聴者のニーズに合わせた「観たい時に、観たいものを、観たいところで、観たいデバイスで視聴できるプラットフォーム」によって良質なコンテンツを提供したことが、顧客満足につながっていると考えています。

 一例として、コンテンツの尺を自由に決められるのは、テレビ業界にはなかったことです。当然、尺の長さに応じてコンテンツの内容も変わってくるわけです。たとえば、ライブ配信では編集をしないでそのまま流しているが、FacebookやInstagram向けには編集したコンテンツを出すという放送局も多くあります。このように、柔軟にコンテンツを制作することが、日本ではまだ遅れているという印象があるといえます。

 アメリカでは、コンテンツの制作本数が(コロナ禍の影響を除くと)右肩上がりに増えています。この制作リソースはアメリカだけでは賄うことはできないため、たとえば韓国ドラマなどアメリカ以外のリソースが参入してきます。もちろん日本も参加する余地はありますが、権利関係などの問題があってまだまだ難しい課題であるのが実情です。




■従来の枠から飛び出るチャレンジと、リスクを計測するデータと人材が必要

 これまで紹介してきたのは成功例ですが、その裏にはさまざまな企業がさまざまな失敗をしています。
 アメリカでは、多額な資金を投入したものの上手くいかなかった買収や投資の話が尽きません。

 もちろん、日米の文化の違いと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、時には従来の枠を飛び越えるリスクを承知のうえで、チャレンジすることも必要なのではないでしょうか。そのリスクを取ろうとする時に重要なのが「データ」だと思います。信頼できないデータに基づいた商品は誰も買いません。

 データをどのように集めるのか、そしてそのデータをどう読み取るかのかが重要となります。アメリカではデータアナリストやUXリサーチャーなどがその役割を担っており、人気の職種となっています。大勢のリサーチ部隊を組成してデータを分析し、それを営業担当者に渡すのです。非常に効率的かつ合理的なやり方だと思います。

 一方、日本ではその役割を営業担当者が担っていることが多いようです。つまり、リサーチや分析を営業担当者が行い、自ら顧客にプレゼンするという、とても重く、非効率な業務となっています。さらに、リサーチ部門をはじめ、データアナリストやUXリサーチャーといった人材やその教育も不足しているようです。デジタルシフトが加速している今こそ、アメリカのように分析やリサーチの専門家が、理論や手法に基づいてデータをつくっていくべきだと思います。

 海外から日本のテレビ業界を見ると、データは商習慣としてサービスのように捉えられているようにも見えます。広告枠を買うからデータは無償で提供、というような付属品扱いになっているわけです。

 アメリカでは、専門家が分析したデータには当然のように対価が支払われています。日本も近い将来、そのようになっていくと予測しています。

 株式会社ニューメディアの情報はこちらから http://www.newww-media.co.jp/

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