話題の「タイプロ」こと「timelesz project -AUDITION-」の見られ方を徹底分析|Netflixで最も見られたエピソードは?
- この記事はこんな方にオススメ!
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- 放送局などコンテンツホルダーの配信担当者の方
- SVODにおけるコンテンツの視聴状況を知りたい方
- SVODで話題になった作品の視聴状況を詳しく知りたい方
2024年、「Sexy Zone」から改名した「timelesz」が、所属事務所史上初となる新メンバーオーディションを実施し、大きな話題を呼びました。このオーディションに密着したドキュメンタリー番組「timelesz project -AUDITION-」は、Netflixで世界独占配信され、注目を集めました。
新メンバー5人の加入後、新体制でリリースされたアルバム「FAM」は、Billboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャート"Top Albums Sales"で初週売上64万枚を超えるヒットを記録。さらに、冠番組「タイムレスマン」(フジテレビ系列)、「timeleszの時間ですよ」(TBS系列)も放送されるなど、華々しい活躍を遂げています。
この記事では、全国32地区ある地上波の各エリアで24時間365日、テレビの視聴率調査を行っているビデオリサーチが、SVOD(定額制動画配信サービス)の視聴状況がわかるサービス「SoDA」のデータをもとに、Netflixにおける「timelesz project -AUDITION-」(通称:タイプロ)の視聴状況をご紹介します。
「タイプロ」はどれだけ見られた?Netflixでの視聴数をチェック
まず、「タイプロ」の全体的な視聴状況をみてみましょう(図1)。2024年9月にNetflixでの配信が開始され、その後最終話配信後の2025年3月までの期間で、視聴人数は196万人、総視聴回数は3,265万回に達しました。配信された全18エピソードにおいて、1エピソードあたりの平均視聴人数は117万人でした。
「タイプロ」人気エピソードは?一番見られたのはあの名言が登場した回!
次に、エピソード別の視聴状況の推移をみてみます。リーチ(視聴人数)では、6次(最終)審査と新メンバー発表の様子が取り上げられたepisode 16が、初回のepisode 01を上回り、最多リーチを獲得しました(図2)。エピソード別のリーチ推移をみてみると、3次~4次審査でやや減少しているものの、5次~6次(最終)審査にかけて盛り返しており、オーディション終盤に向けて注目度が高まった様子がみてとれます。
次に、視聴回数の推移をみてみます(図3)。視聴回数では、リーチとは異なり、episode 01が最も多く視聴されています。オーディションが進むなかで、振り返りのためにepisode 01が繰り返し視聴されたと考えられます。特にこの回では、SNS等で話題となった、「歌詞忘れてるようじゃ無理か。歌詞はね、入れとかないと」という、いわゆる"菊池風磨構文"が登場した回であり、繰り返し視聴された要因の一つともいえそうです。
ファン中心から一般層へ!データからみる「タイプロ」の盛り上がりと視聴者層の変化
続いて、「タイプロ」の視聴状況を、月別にみてみます(図4)。配信開始された2024年9月から、最終回が配信された2025年2月にかけて視聴回数が着実に増加。特に、2025年2月は、月別再生回数が1,000万回を上回りました。2024年11月下旬から毎週エピソードが配信されるようになったことで再生回数が伸びたことに加え、最終審査が近づくにつれて、過去エピソードの再視聴も活発に行われたと考えられます。
続いて、初回と、各次審査の合格者が発表された回(2次審査発表:episode 02、3次審査発表:episode 06、4次審査発表:episode 10、5次審査発表:episode 14、6次(最終)審査発表:episode 16)の月別視聴回数の推移をみてみます(図5)。いずれも、配信開始月の再生回数が最も多くなっています(episode 06は11月29日配信開始、episode 14は1月31日配信開始のため、配信開始月より翌月の視聴回数の方が多くなっています)。特に、2025年2月には、いずれのエピソードも前月を上回る視聴回数を記録しており、「タイプロ」への関心が非常に高くなっていたことがうかがえます。3月も一定の視聴回数を保っており、注目度が続いたことがわかります。
最後に、「タイプロ」視聴者が、2024年※にNetflixでほかにどのような作品を視聴していたのかを、公開直後の2024年9月にepisode 01を視聴した人と、最終回公開の2025年2月にepisode 01を視聴した人で比較してみました。
※対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日
2024年9月にepisode 01を視聴した人の視聴作品ランキングをみると、STARTO ENTERTAINMENT所属アーティストのライブ「WE ARE! Let's get the party STARTO!!」、菊池風磨が出演したドラマ「ギバーテイカー」など、STARTO社所属のタレントが出演する作品が上位に挙がっていました。
一方、2025年2月にepisode 01を視聴した人は、民放ドラマ、アニメなどが上位で、Netflixユーザー全体の視聴に近い傾向がみられました。
この結果から、「タイプロ」は配信開始時にはtimeleszのファン層からの視聴が中心だったものの、次第に一般層にも広がり、timeleszのファンにとどまらない多くの視聴者を引き付けたことが示唆されます。
さいごに
今回は、SoDAのデータを用いて日本市場における「timelesz project -AUDITION-」(通称:タイプロ)の視聴状況をご紹介しました。
SoDAは4大陸に日本を含む20カ国(日本/韓国/アメリカ/イギリス/フランス/ドイツ/イタリア/スペインなど)、全4プラットフォーム(Netflix、prime video、Disney+、HBO Max)を対象に※、SVOD視聴に関するデータを収集しており、エリア別、プラットフォーム別、作品ジャンル別、コンテンツ別の視聴分析を行うことができます。複数のプラットフォームが複数の国に跨って展開されているSVOD市場を一元化して可視化、ジャンルやコンテンツ別に細分化した分析を組み合わせることで、SVOD市場を広く深く理解することができます。
※2025年7月時点、エリアによって測定対象のプラットフォームは異なります。
ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。