Z世代の朝の動画視聴が急増-その実態とは?〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

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#ひと研究所 #メディア利用動向 #動画配信 #生活者研究シリーズ
Z世代の朝の動画視聴が急増-その実態とは?〜映像視聴の生活者研究シリーズ〜

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅ 若者やZ世代のインターネット動画視聴行動に関心がある方
✅ 生活者の朝の行動に関心がある方

1. 朝の時間帯×動画視聴に要注目

コロナ禍によって、インターネット動画視聴の増加という変化が生活者には起きました。テレビも含めて、映像コンテンツを夜の時間帯に見ることは多いため、ネット動画の視聴の増加も夜の時間帯に目立ちます。しかし、実は若年層やZ世代の間では、朝の時間帯にもネット動画視聴が増加している傾向がみられています。
これから数回にわたり、ひと研究所による「朝の動画視聴研究」について深堀していきたいと思います。
今回は、実態分析の結果をご紹介します。

2. 増加する若年層の朝の動画視聴

まず、当社マーケティングデータのACR/exの生活行動データ(MCR/ex)で、一日の中での自宅内のネット動画視聴行動がどのように変化してきたかを見ていきます(図1)。2019年、2021年、2023年と比較すると、全体的に動画視聴行動の割合が高まっていることがよくわかります。
Z世代を中心とした若年層(12才-29才)でも似た傾向ですが、2023年では特に上昇せず、2021年時点で既に上昇しきっているような時間帯も目立ちます。また、コロナ禍中であった2021年と比較すると2023年では深夜の時間帯は、むしろ行動率の割合が下がっており、その代わり、20時〜23時では2023年で増加しています。そして、それ以上に増加が特徴的で目立つのが、朝の時間帯です。

自宅内のインターネット動画 利用行動率(週平均)

12才-29才の午前中部分を拡大したものが図2です。朝の6時頃から8時頃の自宅内ネット動画視聴の行動率増加が目立っており、"山"を作るようになってきていることがわかります。

自宅内のインターネット動画 利用行動率(週平均)

この若年層の朝の動画視聴の増加傾向について、違った角度からも見てみたいと思います。ひと研究所で行っているメディアの利用シーンについての調査である「メディアポジショニング調査」から、若年層の動画視聴シーンについてのデータを抜粋しました(図3)。

インターネット動画主要サービス 利用シーン(結果抜粋)

時系列でデータを見ると、ネット動画の利用シーンとして、"起床した後、ベッドや布団の中での時間" "朝食事をしながら" "朝の身支度中"という朝の時間帯が増加傾向であることがわかります。参考までに、同じような「ながら時間」である"通勤通学・移動中""昼食事をしながら""夜食事をしながら"のスコアをみると、上昇傾向は見られませんでした。このように、若年層では、継続的に朝の時間帯での動画視聴が増加しているようです。

【ひと研究所】「メディアポジショニングマップ2023(第5回)」結果レポートはこちら
資料をダウンロードする

3.朝、どのように動画視聴をしている?

では、具体的に生活者は、朝どのように動画視聴をしているのでしょうか。次に、ひと研究所で行った定性的な生活者サーベイから、具体的な朝の動画視聴の様子をご紹介します。この調査では、朝に動画視聴をしている若年層に、どのような動画視聴の仕方をしているのか調査をしました。その中から特徴的かつ、現在の若者の様子をよく表していると思われる事例をピックアップしたのが図4です。

朝の動画視聴実態

● アフターコロナの出社増加で早起き。推し動画 & スマホの明るさで目覚まし!
● 夜は課題や友人との通話などが中心。朝に前日の試合結果を動画でチェック!
● 1話40分の海外ドラマを身支度のための時計代わりに!
● 夜ではつい夜更かししてしまうので、朝の出発までにアニメ1日1本の習慣!

このように、理由や活用方法はさまざまですが、朝の動画視聴が生活の中に溶け込んでいることがよくわかる結果でした。

★朝の動画視聴を含めて、メディアや各映像プラットフォームが「どういうときに」利用されているのか、
その全体像を解き明かすべく定点的に作成している「メディアポジショニングマップ」からも最新状況を見ることができます。

【ひと研究所】「メディアポジショニングマップ2023(第5回)」結果レポートはこちら
資料をダウンロードする

また、朝の動画視聴をするためのデバイスですが、スマートフォンの割合が高いようです。MCR/exのデータでデバイス別の動画視聴の行動率を見ると、朝の時間に限らず、若年層はスマートフォンを主に用いて動画視聴をしていることがよくわかります (図5)。

【デバイス別】自宅内のインターネット動画 利用行動率(週平均)

4.ひと研究所では、朝の動画視聴の分析を進めています

このように若年層(Z世代)では、朝の時間帯に特にスマートフォンを用いての動画視聴行動が増加している実態がわかりました。朝の新しい生活上の習慣が浸透してきている可能性も考えられる結果で、引き続き注目が必要と言えます。

ひと研究所では、Z世代を中心とする若年層の朝の動画視聴行動について、引き続き分析を進めて知見を発信していく予定でいますので、ぜひご期待ください。

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【本記事で紹介したサービス】
・サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex」「MCR/ex
・調査時期:2019年4-6月、2021年4-6月、2023年4-6月
・対象地区:7地区計(東京50Km圏+関西+名古屋+北部九州+札幌+仙台+広島)
・ターゲット:男女12-69才、男女12-29才

【調査概要】
ひと研究所「メディアポジショニング調査」
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本全国の15〜69才歳(中学生は除く)
サンプル数:2019年調査:4,879名、2021年調査:4,867名、2023年調査:8,824名
調査期間:2019年10月4日(金)〜10月5日(土)
2021年10月1日(金)〜10月2日(土)
2023年5月26日(金)〜5月28日(日)

ひと研究所「朝の動画視聴 生活者サーベイ」
調査方法:モニターからの写真提供・インタビューなど
調査対象:モニタリングサーベイモニター(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県中心)
調査期間:2023年7月
調査実施:株式会社 精クリエイティブ

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